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電子帳簿保存法一問一答及び関連法令コピペ可能版

他の先進諸国では、セキュリティ面やユーザビリティ等への配慮から行政機関ではPDFをサイトにアップすることを辞めていく傾向にあるそうですが、国税庁WEBサイト上ではPDF版で資料がアップされるため、再編集や同類文書を横断的にページ内検索しづらい状態です。

本ページでは電子帳簿保存法関連の国税庁資料や関連法令を貼り付けてあります。「Ctrl+F」などで特定のキーワードをページ内検索すれば、該当する関連規定を網羅的に読むことができるかもしれません。

※このページに関してはご自由にコピペ・リンクしていただいて結構です(説明資料の作成等にお役立てください)が、最終的には必ず原文にあたってください(一部図表等を削除している部分や箇条書き番号が中黒に変わっている部分があります)。

税理士等の専門家の方々がこのページをご覧になる際には、専門家としての自己の責任において法令解釈等をなさってください。記載の内容について一切責任を負いません。
2021年12月時点での情報です。更新も未定です。

このページに関するお問合せはこちらからどうぞ。

※1 上記PDFの「電取追1」の回答で、「電子データと書面の内容が同一であり、書面を正本として取り扱うことを自社内等で取り決めている場合には、当該書面の保存のみで足ります。」という記載がありますが、電帳法7では「所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。」 と定められており、「同一内容の紙の正本がある場合は書面のみでよい」という解釈は不可能です。(法にそぐわない回答がなされています。)

関連する財務省令にも、「同一内容の紙の正本がある場合は書面のみでよい」という内容は見当たりませんでした。

回答内の「 自社内等で取り決めている場合には 」の部分を好意的に解釈するのであれば、規則4①四に定める「事務処理規程」で「 電子データと書面の内容が同一である場合には、書面を正本として取り扱う 」と規定しておけば良いということでしょうか。

いずれにしても、例外的に紙を認めてしまう回答であり、せっかくの義務化という法の趣旨に則る回答とは思えず、社会のデジタル化推進を阻害しかねず(そもそも立法内容がいまいちで紙に逆行しそうですが)、なぜこのような回答がなされているのか・・・。
(とはいえ、国税庁から明確に回答されているので「公的見解の表示」として、この通りの運用をすれば何ら問題はないでしょう。)

電帳法の趣旨

第1条では電帳法の趣旨・目的は下記のように挙げられています。

①情報化社会に対応
②国税の納税義務の適正な履行を確保
③納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する等

※軽減措置適用のための届出書の雛形は現時点では国税庁から公表されていません
申請書様式はこちら

※一問一答の取扱通達がやや探しにくいです。

※e-govで法令を閲覧する場合は施行日を正しく設定しないと読み間違えます。

追記1(2021年12月6日)

日経新聞にて、2年の猶予を設けるとの報道がありました。顧問先様には、詳細が分かり次第、ご説明・対応いたします。

報道内容の抜粋は下記のとおりです。

・2年間は引き続き紙での保存も容認される
・22年度与党税制改正大綱に盛り込まれる予定
・年内に関連省令が改正される予定
・企業の申し出に応じ税務署長が判断する。

いずれにせよ、税務署長の判断を仰ぐことになるようですので、ご対応が必要となります。

追記2(2021年12月10日)

与党税制改正大綱にて一定の要件の下で2年間の猶予が認められました。

税務署長が「やむを得ない事情がある」と認め
かつ
保存義務者が質問検査権に基づく電磁的記録の出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている
の2つを満たしていることが条件のようです。

なお、「やむを得ない事情」等の具体例の記載はございません。
当局の恣意的な運用を排除する書きぶりではなく、対応の有無が「税務調査の交渉材料等に使われるのではないか」との懸念も囁かれているため、顧問先さまには、順次対応策についてご説明いたします。
(極端な話、税務署長側は 「やむを得ない事情」を認めず青色承認を取り消せば、推計課税をすることが可能となる。 )

ただし、以下のQA(補4)もあります。
従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。

それ以外の特段の事由がなければ青色承認は取り消されないそうです。特段の事由が何かはわかりません。

会計ソフトベンダーが財務省や国税庁に宥恕を求めたようです。
上ブログでは「事業者の対応が間に合わないことへの危機感」と記載されていますが、事業者側に要求されている対応は実際はそこまで複雑ではなく、要求される機能を具備した会計ソフト等さえあれば比較的容易かと思うので、どちらかといえば、会計ソフトベンダー側の電帳法に対応した会計ソフト等のシステム開発が間に合わなかったというのが実情ではないかと思います。(例えば、改正された法定要件を満たす固定資産台帳等)

  1. 用語の意義
  2. お問合せの多いご質問(令和3年11月)
    1. Ⅰ【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】
      1. 【電子計算機を使用して作成する帳簿】関係(ダウンロードの求め)  
      2. 【特例の適用を受ける旨の届出書】関係
    2. Ⅱ【スキャナ保存関係】
      1. 【タイムスタンプ】関係(代替措置)
      2. 【検索機能】関係  
      3. 【検索機能】関係
      4. 【検索機能】関係(ダウンロードの求め)  
      5. 【検索機能】関係(索引簿)
      6. 【その他】関係(留意事項)
    3. Ⅲ【電子取引関係】
      1. 【制度の概要等】関係(紙と電子データの重複)  
      2. 【保存方法】関係(EDIの保存方法)  
      3. 【検索機能】関係(メールの保存方法)  
      4. 【検索機能】関係  
      5. 【検索機能】関係  
      6. 【検索機能】関係(ダウンロードの求め)  
      7. 【その他】関係(留意事項)
    4. Ⅳ【補足説明】
  3. 【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】
    1. 問1 電子帳簿保存法はどのような内容となっていますか。
    2. 問2 電磁的記録とは、どのようなものをいいますか。
    3. 問3 市販の会計ソフトを使って経理処理や申告書の作成などを行っている場合には、国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等は認められますか。
    4. 問4 電磁的記録等による保存等が認められない国税関係帳簿書類には、どのようなものがあるのでしょうか。
    5. 問5 売上伝票などの伝票類について、電子帳簿保存法を適用することにより電磁的記録等による保存を行うことは認められますか。
    6. 問6 国税関係書類について、課税期間の中途から電磁的記録等による保存を行うことはできますか。
    7. 問7 国税関係帳簿書類について電磁的記録等による保存等を行う場合には、どのような要件を満たさなければならないのでしょうか。
    8. 問8 いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能に操作説明書と同等の内容が組み込まれている場合、操作説明書が備え付けられているものと考えてもよいでしょうか。
    9. 問9 規則第2条第2項第1号ニに規定する備え付けておくべき「国税関係帳簿に係る電子計算機処理に関する事務手続を明らかにした書類」とは、具体的にどのような内容を記載したものが必要となりますか。
    10. 問10 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。
    11. 問11 電磁的記録の書面への出力に当たっては、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。
    12. 問12 電磁的記録を外部記憶媒体へ保存する場合の要件はどういうものがありますか。
    13. 問13 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。
    14. 問14 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。
    15. 問15 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。
    16. 問16 検索結果後の抽出されたデータを、ディスプレイの画面及び書面に速やかに出力することができれば、検索には多少の時間を要しても構いませんか。
    17. 問17 バックアップデータの保存は要件となっていますか。
    18. 問18 会計システムのサブシステムにあるマスターデータについて、課税期間終了時点のもののみを保存することとしてもよいのでしょうか。
    19. 問19 当社は各種の業務システム(販売等の個別取引データを保存)と会計システム(業務システムの集計データを保存)を連携させています。「仕訳帳」及び「総勘定元帳」を電磁的記録等により保存等することとした場合、会計システムのデータのみ保存しておけばよいでしょうか。
    20. 問20 国税関係帳簿の電子計算機処理に当たり、記帳代行業者等に委託している場合でも認められますか。また、記帳代行業者等への委託に際して、課税期間中に記帳せず、当該期間終了後にまとめて記帳することを委託し、そこで作成された電磁的記録を保存することや、保存場所を記帳代行業者の所在地にすることは認められますか。
    21. 問21 国税関係書類を電磁的記録により保存する場合、具体的にどの時点における電磁的記録を保存する必要がありますか。
    22. 問22 国税関係書類を電磁的記録により保存する場合、その電磁的記録を出力した請求書等に手書により新たな情報を付加した上で相手方に交付した場合のその写しは、必ず書面により保存しなければなりませんか。
    23. 問23 訂正削除の履歴の確保の方法として、貸借の勘定科目は同一で、金額をマイナスで入力する訂正の方法は認められますか。
    24. 問24 電磁的記録の記録事項を訂正し又は削除することができるシステムを使用している場合は、訂正削除の履歴の全てについて残すことができる必要がありますか。
    25. 問25 入力日付をデータとしては持たない場合であっても、月次決算を行い、その月次単位でデータを保存することにより追加入力の事実が確認できる場合には、規則第5条第5項第1号イ⑵(追加入力の履歴の確保)の要件を満たすこととなりますか。
    26. 問26 規則第5条第5項第1号イ⑵の「その業務の処理に係る通常の期間」とは、具体的にどの程度の期間をいいますか。
    27. 問27 「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第5条第5項第1号イ⑵並びに第2条第6項第1号ロ及び第2号ロにそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。
    28. 問28 帳簿間の記録事項の関連性を確認することができるようにしておくこととされていますが、具体的には、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。
    29. 問29 規則第5条第5項第1号ハ⑶の「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」には、「AかつB」のほか「A又はB」といった組合せも含まれますか。また、一の記録項目により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目により絞り込みの検索をする方式は、要件を満たすこととなりますか。
    30. 問30 電磁的記録の検索機能における日付に係る記録項目において、総勘定元帳の「記載年月日」とは、いつ時点のことをいうのでしょうか。
    31. 問31 COMにより国税関係帳簿書類の保存を行う場合、3年間の電磁的記録の並行保存に代えて、出力した書面を保存する方法は認められますか。
    32. 問32 取扱通達8-19では、COMの記録事項の検索をすることができる機能として、検索により探し出された記録事項を含むCOMのコマの内容が自動的に出力されることが必要であるとされていますが、この場合の「自動的に出力される」方法は、具体的にどのような方法であればよいのでしょうか。
    33. 問33 所得税及び法人税に係る一定の書類について、4年目から撮影タイプのマイクロフィルムによる保存は、具体的にどのような書類が対象となりますか。また、その場合の検索機能は、どの程度の機能が必要となりますか。
    34. 問34 電磁的記録等による保存等を取りやめることとした場合、その取りやめることとした日において保存等している電磁的記録等は、そのまま電磁的記録等により保存等することとしてもよいのでしょうか。
    35. 問35 特例国税関係帳簿に記録された事項に関し修正申告等があった場合には過少申告加算税が軽減されるとされていますが、個人事業者の場合、「記載された事項に関し」とは、どのようなものが該当しますか。
    36. 問36 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、どの帳簿について要件を満たして保存する必要がありますか。
    37. 問37 当社は事業部又は支店ごとに帳簿を作成していますが、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けたい場合には、その事業部又は支店の帳簿についても優良な電子帳簿の要件により保存等を行う必要がありますか。
    38. 問38 当社は連結法人ですが、法人税について法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けたい場合には、どの帳簿について要件を満たして保存等を行う必要がありますか。
    39. 問39 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、あらかじめ届出書を提出することとなっていますが、具体的にはいつまでの期限を指すのでしょうか。
    40. 問40 個人が年の中途に不動産所得を生ずべき業務を開始するため、新たな帳簿を備え付けることとなる場合に、当該帳簿について優良な電子帳簿の要件を全て満たして保存等を行えば、その年から過少申告加算税の軽減措置の規定の適用を受けることができますか。 また、できるとした場合に、その規定の適用を受ける旨等を記載した届出書はいつまでに提出すればよいのでしょうか。
    41. 問41 法人税に係る特例国税関係帳簿を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出することができるのでしょうか。
    42. 問42 有限会社から株式会社への組織変更を行う場合、有限会社があらかじめ提出した届出書の効力は株式会社に承継されますか。
    43. 問43 個人事業者がいわゆる法人成りした場合、個人事業者が提出した届出書の効力は法人に承継されますか。
    44. 問44 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けることをやめようとする場合の取りやめの届出書を提出した場合、その取りやめの届出書を提出した日において保存等している電磁的記録等は、そのまま電磁的記録等により保存等することとしてもよいのでしょうか。
    45. 問45 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を取りやめる旨等を記載した届出書を提出しましたが、翌年以降本規定の適用を受けたい場合にはどうすればよいのでしょうか。
    46. 問46 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けるため特例国税関係帳簿について優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行っていますが、保存等のシステムに変更があった場合には、その程度のいかんを問わず、変更の届出書を提出しなければなりませんか。
    47. 問47 法人の納税地はA市にあるが実体はB市にある場合に、法人税に係る法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書をB市を所轄する税務署長を経由して提出することはできますか。
    48. 問48 グループ法人である4社が、いずれも親会社が開発した電子計算機処理システムにより特例国税関係帳簿を作成している場合、子会社の法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を親会社の届出書の提出と同時に親会社の納税地の所轄税務署長を経由して提出することができますか。
    49. 問49 自社で使用する帳簿ソフト等について、電子帳簿保存法の優良な電子帳簿の要件を満たしているか分からないのですが、どのようにしたらよいですか。
    50. 問 50 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会により認証されたソフトウェア等とはどのようなものでしょうか。
    51. 問51 令和4年1月1日において現に電子帳簿保存の承認を受けている国税関係帳簿について、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けることはできますか。
    52. 問52 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の要件を適用して国税関係帳簿又は国税関係書類の保存等をすることとした場合、改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。
    53. 問53 令和4年1月1日以後に備付けを開始する(保存を行う)国税関係帳簿(書類)について、令和3年度の税制改正前の承認を受けて電磁的記録による保存等を行いたいのですが、承認申請書を提出すれば可能なのでしょうか。また、可能な場合には、いつまでに承認申請書を提出する必要がありますか。
  4. 【スキャナ保存関係】
    1. 問1 スキャナ保存制度はどのような内容となっていますか。
    2. 問2 どのような書類がスキャナ保存の対象となりますか。
    3. 問3 スキャナ保存を適用している場合、国税関係書類の書面(紙)は、スキャナで読み取った後、即時に廃棄しても問題ないでしょうか。
    4. 問4 スキャン文書の保存により消費税の仕入税額控除は認められますか。
    5. 問5 「スキャナ」とは、どのようなものをいうのでしょうか。
    6. 問6 利用機器が私物であることについて、制約はありますか。
    7. 問7 受領者等以外の者がスマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行うことは可能でしょうか。
    8. 問8 従業員が立て替えた交際費等の領収書について、所要の事項を整理した精算書とともに提出させて、帳簿代用書類として使用していますが、このような帳簿代用書類は、スキャナ保存の対象とすることができますか。また、一般書類として適時入力方式の対象となりますか。
    9. 問9 スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を左面と右面に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。
    10. 問10 スキャナ保存を行おうと考えていますが、どのような要件を満たさなければならないのでしょうか。
    11. 問11 「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第5項第1号イ⑵にそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。
    12. 問12 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。
    13. 問13 電磁的記録の書面への出力に当たっては、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。
    14. 問14 電磁的記録を外部記憶媒体へ保存する場合の要件はどういうものがありますか。
    15. 問15 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。
    16. 問16 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。
    17. 問17 検索結果後の抽出されたデータを、ディスプレイの画面及び書面に速やかに出力することができれば、検索には多少の時間を要しても構いませんか。
    18. 問18 バックアップデータの保存は要件となっていますか。
    19. 問19 いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能に操作説明書と同等の内容が組み込まれている場合、操作説明書が備え付けられているものと考えてもよいでしょうか。
    20. 問20 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。
    21. 問21 「国税関係書類に係る記録事項の入力」を入力期間内に行うこととされていますが、入力期間内に単なるスキャニング作業を終えていればよいのでしょうか。
    22. 問22 「速やかに」入力する場合で、やむを得ない事由によりおおむね7営業日以内に入力できない場合は要件違反となるのでしょうか。
    23. 問23 「業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行う」とは何日以内に入力すればよいのでしょうか。
    24. 問24 入力期間を誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。
    25. 問25 重要書類について速やかに入力又は業務サイクル後速やかに入力などの入力方式を、課税期間の中途で変更することは認められるのでしょうか。
    26. 問26 スマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行った場合、解像度について、規則第2条第6項第2号イ⑴に規定する「スキャニング時の解像度である25.4ミリメートル当たり200ドット以上」の要件を満たしていることをどのように判断するのでしょうか。
    27. 問27 一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプとはどのようなものでしょうか。
    28. 問28 タイムスタンプは、「一の入力単位ごと」に付すこととされていますが、このタイムスタンプが一の入力単位ごとに検証できるものである場合には、書類種別や部署ごとの電磁的記録の記録事項にまとめて付してもよいのでしょうか。
    29. 問29 受領の日からその業務の処理に係る通常の期間を経過した後おおむね7営業日以内にタイムスタンプを付しましたが、その後、経理担当者が電磁的記録の記録事項の確認を行ったところ、折れ曲がりなどのスキャンミスが判明し、再度読み取りを行うことが必要となりました。既に領収書の受領の日からその業務の処理に係る通常の期間を経過した後おおむね7営業日を経過してしまいましたが、どのように対応すればよいでしょうか。
    30. 問30 訂正削除履歴の残る(あるいは訂正削除できない)システムに保存すれば、タイムスタンプの付与要件に代えることができるでしょうか。
    31. 問31 受領者等が読み取る場合で、国税関係書類の大きさがA4以下のときには、大きさに関する情報の保存が不要となりますが、国税関係書類の大きさがA4以下とはどのように判断するのでしょうか。
    32. 問32 市販のヴァージョン管理ソフトを使用すれば、訂正又は削除の履歴の確保(ヴァージョン管理)の要件を満たしているといえるのでしょうか。
    33. 問33 具体的にどのようなシステムであれば、訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているといえるのでしょうか。
    34. 問34 訂正削除を行うことができないシステムとは、どのようなシステムであれば要件を満たしているといえるのでしょうか。
    35. 問35 「国税関係書類の入力を行う者」とは、単にスキャニングを行う者のことをいうのでしょうか。
    36. 問36 「入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと」とは、電子署名を行う方法も認められますか。
    37. 問37 「拡大又は縮小して出力することが可能であること」とは、A4サイズの書類をA3サイズで出力できなければならないのでしょうか。
    38. 問38 スキャン文書について圧縮して保存することは認められないのでしょうか。
    39. 問39 4ポイントの大きさの文字を認識することが困難である場合に、解像度等はどのように設定して入力すればよいのでしょうか。
    40. 問40 JIS X6933に準拠したテストチャートのJISにおける使用方法としては、目視試験において50パーセント超の認識ができればよいこととなっていますが、国税関係書類のスキャナ保存においても、同様に4ポイントの文字及びISO図形言語のうち50パーセント超の認識ができる設定で入力すればよいのでしょうか。
    41. 問41 4ポイントの文字が認識できる各種機器の設定(読取解像度、階調、圧縮のレベル等)については、スキャナ等の各種機器の購入時に、テストチャートを使用して行ったテストの結果によるものでよいのでしょうか。
    42. 問42 スキャナで読み取った画像データをテキスト化することができない場合でも、検索の条件として取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を設定することができなければならないのでしょうか。
    43. 問43 適時に入力する方法が可能な一般書類とは、具体的にどのような書類が対象となるのでしょうか。
    44. 問44 一般書類であれば、過去に遡って保存されている書類をスキャナ保存に代えてもいいのでしょうか。
    45. 問45 一般書類について、タイムスタンプはいつまでに付せばいいのでしょうか。
    46. 問46 規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類を定める告示(平成17年国税庁告示第4号)について、平成28年3月に改正が行われましたが、これはどのような改正でしょうか。
    47. 問47 規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類を定める告示(平成17年国税庁告示第4号)について、令和元年9月に改正が行われましたが、これはどのような改正でしょうか。
    48. 問48 スキャナ保存について、「災害その他やむを得ない事情」を証明した場合には保存要件が不要となる旨の規定が設けられていますが、そのような事情があれば、電磁的記録の保存自体不要になるのでしょうか。
    49. 問49 規則第2条第6項第1号ロに規定する「各事務の処理に関する規程」及び同条第7項の「事務の手続を明らかにした書類」との違いは何でしょうか。
      1. スキャナによる電子化保存規程
      2. 国税関係書類に係る電子計算機処理に関する事務の手続を明らかにした書類
    50. 問50 当社は過去分重要書類のスキャナ保存に当たって、対象となる書類が膨大にあるのですが、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能でしょうか。
    51. 問51 法人税に係る国税関係帳簿書類を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して過去分重要書類の適用届出書を提出することができるのでしょうか。
    52. 問52 法人の納税地はA市にあるが実体はB市にある場合に、過去分重要書類の適用届出書をB市を所轄する税務署長を経由して提出することはできますか。
    53. 問53 連結子法人3社が、いずれも連結親法人が開発したシステムにより過去分重要書類のスキャナ保存を行おうとする場合、連結子法人の過去分重要書類の適用届出書を連結親法人の当該適用届出書の提出と同時に連結親法人の納税地等の所轄税務署長を経由して提出することができるのでしょうか。
    54. 問54 保存義務者が国税関係書類に係る国税の納税者である場合及び納税者でない場合の、この法律における納税地等は具体的にどのように判定することになりますか。
    55. 問55 過去分重要書類についても、災害その他やむを得ない事情に係る宥恕措置の適用はあるとのことですが、何か注意することはありますか。
    56. 問56 スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録は、どのように取り扱われるのですか。
    57. 問57 自社で使用するスキャナソフト等について、電子帳簿保存法の要件を満たしているか分からないのですが、どのようにしたらよいですか。
    58. 問58 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会により認証されたソフトウェア等とはどのようなものでしょうか。
    59. 問59 スキャナ保存を途中で取りやめることとした場合、その取りやめることとした日において保存している電磁的記録は、そのまま電磁的記録により保存することとしてもよいのでしょうか。
    60. 問60 令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。
    61. 問61 当社の課税期間は、令和3年4月1日から令和4年3月31日までですが、令和4年1月1日以後に保存する国税関係書類について新たにスキャナ保存を行いたいと考えています。その場合、課税期間の途中からスキャナ保存を行うことはできますか。
    62. 問62 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係書類について、この改正前のスキャナ保存の要件のままスキャナ保存をしたいのですが、手続は必要でしょうか。
    63. 問63 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係書類について、令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件を適用してスキャナ保存をすることとした場合、改正前の承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。
    64. 問64 令和4年1月1日以後にスキャナ保存を行う国税関係書類について、令和3年度の税制改正前の承認を受けて電磁的記録による保存を行いたいのですが、承認申請書を提出すれば可能なのでしょうか。また、可能な場合には、いつまでに承認申請書を提出する必要がありますか。
  5. 【電子取引関係】
    1. 問1 電子取引の制度はどのような内容となっていますか。
    2. 問2 電子取引とは、どのようなものをいいますか。
    3. 問3 電子メールを受信した場合、どのように保存すればよいのでしょうか。
    4. 問4 当社は以下のような方法により仕入や経費の精算を行っていますが、データを保存しておけば出力した書面等の保存は必要ありませんか。 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領 インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ (PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等のスクリーンショットを利用 電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用 クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用 特定の取引に係るEDIシステムを利用 ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領
    5. 問5 電子取引には、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)が該当するとのことですが、全ての電子メールを保存しなければなりませんか。
    6. 問6 当社は、取引先からクラウドサービスを利用して請求書等を受領しておりますが、クラウドサービスを利用して受領した場合には、電子取引に該当しますか。
    7. 問7 いわゆるスマホアプリによる決済を行いましたが、この際にアプリ提供事業者から利用明細等を受領する行為は、電子取引に該当しますか。
    8. 問8 従業員が会社の経費等を立て替えた場合において、その従業員が支払先から領収書を電子データで受領した行為は、会社としての電子取引に該当しますか。該当するとした場合には、どのように保存すればよいのでしょうか。
    9. 問9 当社の課税期間は、令和3年4月1日から令和4年3月31日までですが、令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については、課税期間の途中であっても、令和3年度の税制改正後の要件で保存しなければならないのでしょうか。
    10. 問 10 当社の課税期間は、令和3年4月1日から令和4年3月 31 日までですが、令和4年1月1日以後に保存を行えば、同日前に行った電子取引の取引情報について、令和3年度の税制改正後の保存要件に従って保存することは認められますか。
    11. 問11 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等を行う場合には、どのような要件を満たさなければならないのでしょうか。
    12. 問12 妻と2人で事業を営んでいる個人事業主です。取引の相手方から電子メールにPDFの請求書が添付されて送付されてきました。一般的なパソコンを使用しており、プリンタも持っていますが、特別な請求書等保存ソフトは使用していません。どのように保存しておけばよいですか。
    13. 問13 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。
    14. 問14 税務当局から電磁的記録の書面への出力を求められた場合には、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。
    15. 問15 電磁的記録を外部記憶媒体へ保存する場合の要件はどういうものがありますか。
    16. 問16 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。
    17. 問17 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。
    18. 問18 バックアップデータの保存は要件となっていますか。
    19. 問19 いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能にシステム概要書と同等の内容が組み込まれている場合、システム概要書が備え付けられているものと考えてもよいでしょうか。
    20. 問20 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。
    21. 問21 電子取引で授受したデータについて、所得税法・法人税法と消費税法で取扱いにどのような違いがあるのですか。
    22. 問22 請求書や領収書等を電子的に(データで)受け取った場合、どのように保存すればよいですか。
    23. 問23 電子取引の取引データの保存について、複数の改ざん防止措置が混在することは認められますか。また、電子データの格納先(保存場所)を複数に分けることは認められますか。
    24. 問24 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定めて運用する措置を行うことを考えていますが、具体的にどのような規程を整備すればよいのでしょうか。
      1. 電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程
      2. 電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程
    25. 問25 当社は、電子取引の取引情報の保存サービスの提供を受け、同サービス利用者同士の電子取引の取引情報については、同サービスにおいて保存されます。同サービス利用者は、同サービス提供者と契約し、同サービスの利用規約に定めるデータ訂正等の防止に関する条項にのっとりデータの訂正削除を行うこととなります。 このようにサービス提供者との契約によってデータの訂正等を防止する方法についても、「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定める方法として認められますか。
    26. 問26 当社は、取引先との間で、クラウドサービスを利用し請求書を受領しています。この場合において、取引先から確認のため電子メールでも請求書が送られてきましたが、同一の請求書を2つの電子取引により受領したときには、どちらの電子データを保存すればよいでしょうか。
    27. 問27 電子取引を行った場合において、取引情報をデータとして保存する場合、どのような保存方法が認められるでしょうか。
    28. 問28 当社はスキャナ保存制度を利用しており、スキャニングした画像データを管理するための文書管理システムで保有しております。今回、電子取引により受領したPDFデータについても、この文書管理システムで管理することを検討していますが問題ありますでしょうか。
    29. 問29 当社はクラウドサービスを利用して取引先とXML形式の請求書等データ(取引情報に関する文字の羅列)をクラウドサービス上で共有・保存していますが、このような方法は認められますか。
    30. 問30 具体的にどのようなシステムであれば、訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているといえるのでしょうか。
    31. 問31 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、検索機能で注意すべき点はありますか。
    32. 問32 規則第2条第6項第6号ハの「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」には、「AかつB」のほか「A又はB」といった組合せも含まれますか。また、一の記録項目により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目により絞り込みの検索をする方式は、要件を満たすこととなりますか。
    33. 問33 当社には電子取引の取引データを保存するシステムがありませんが、電子取引の取引データを保存する際の検索機能の確保の要件について、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。
    34. 問34 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する際の要件のうち、検索機能の確保の要件が不要とされる場合の「判定期間に係る基準期間の売上高が1,000万円以下の場合」とは、どのように判断すればよいのでしょうか。
    35. 問35 一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプとはどのようなものでしょうか。
    36. 問36 「速やかに」タイムスタンプを付与することとしている場合で、やむを得ない事由によりおおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与できない場合は要件違反となるのでしょうか。
    37. 問37 「業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行う」とは何日以内にタイムスタンプを付与すればよいのでしょうか。
    38. 問38 自社で使用する電子取引用のソフト等について、電子帳簿保存法の要件を満たしているか分からないのですが、どのようにしたらよいですか。
    39. 問39 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会により認証されたソフトウェア等とはどのようなものでしょうか。
    40. 問40 電子データに関連して改ざん等の不正が把握されたときには重加算税が加重されるとのことですが、具体的にはどのような場合に加重の対象となるのでしょうか 。
    41. 問41 電子取引等において、「災害その他やむを得ない事情」を証明した場合に保存要件が不要となる旨の規定が設けられていますが、そのような事情があれば、電磁的記録の保存自体不要になるのでしょうか。
    42. 問42 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について保存要件を満たして保存できないため、全て書面等に出力して保存していますが、これでは保存義務を果たしていることにはならないため青色申告の承認が取り消されてしまうのでしょうか。また、その電磁的記録や書面等は税務調査においてどのように取り扱われるのでしょうか。
  6. 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律
    1. (趣旨)
    2. (定義)
    3. (他の国税に関する法律との関係)
    4. (国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)
    5. (国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)
    6. (民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の適用除外)
    7. (電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
    8. (他の国税に関する法律の規定の適用)
    9. 附 則
  7. 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行令
    1. (定義)
    2. (軽減された過少申告加算税の対象となる国税関係帳簿に係る電磁的記録等の備付け等が行われる日)
    3. (軽減された過少申告加算税を課さない部分の税額の計算)
    4. (加重された重加算税が課される部分の税額の計算)
    5. (国税通則法等の規定の適用)
    6. (財務省令への委任)
    7. 附 則
  8. 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則
    1. (定義)
    2. (国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)
    3. (国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)
    4. (電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
    5. (他の国税に関する法律の規定の適用)
    6.  附 則

用語の意義

一問一答において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。 一部編集済み


電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律をいう。

令3改正法
所得税法等の一部を改正する法律(令和3年3月31日法律第11 号)をいう。

規則
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則をいう。

取扱通達
平成10年5月28日付課法5-4ほか6課共同「電子帳簿保存法取扱通達の制定について」(法令解釈通達)をいう。

「取扱通達」の場所が分かりづらい

一問一答では取扱通達の用語説明として「平成10年5月28日付課法5-4ほか6課共同「電子帳簿保存法取扱通達の制定について」(法令解釈通達)」が記載されています。
しかし、国税庁WEBサイト上に「~の趣旨説明について」というページは検索でヒットしますが、該当通達を見つけづらく、「取扱通達○ー○」と一問一答に記載がある部分を探すのが困難です。

一問一答に記載の取扱通達を読むためには令和3年7月9日付課総10-10ほか7課共同「『電子帳簿保存法取扱通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)等の趣旨説明について」に掲載されているこちらのPDF「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」を見る必要があります。あるいは「電子帳簿保存法取扱通達の制定について」の下部のPDFも同様です。

(基本的にこちらのページをご覧になっている専門家の皆様は原文にあたっておられると思いますので注意書きとして記載しました。)

国税
法第2条第1号((定義))に規定する国税をいう。
→ 国が課する税のうち関税、とん税、特別とん税、森林環境税及び特別法人事業税以外のもの。

国税関係帳簿書類
法第2条第2号((定義))に規定する国税関係帳簿書類をいう。
→ 国税関係帳簿又は国税関係書類をいう。

国税関係帳簿
法第2条第2号((定義))に規定する国税関係帳簿をいう。ただし、法第4条関係及び第8条関係においては、規則2条第1項に定めるものを除いたものをいう。
国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第十六条第十一項(保税工場等において保税作業をする場合等の内国消費税の特例)に規定する帳簿を除く。)をいう。

国税関係書類
法第2条第2号((定義))に規定する国税関係書類をいう。
国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類をいう。

電磁的記録
法第2条第3号((定義))に規定する電磁的記録をいう。
→ 電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式(第六号において「電磁的方式」という。)で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。

保存義務者
法第2条第4号((定義))に規定する保存義務者をいう。
国税に関する法律の規定により国税関係帳簿書類の保存をしなければならないこととされている者をいう。

電子取引
法第2条第5号((定義))に規定する電子取引をいう。
→ 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。

特例国税関係帳簿
規則第5条第1項((軽減された過少申告加算税の対象となる国税関係帳簿))に規定する特例国税関係帳簿をいう。

優良な電子帳簿
法第4条第1項((国税関係帳簿の電磁的記録による保存等))に規定する国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代える電子帳簿のうち、規則第5条第5項の要件を全て満たした電子帳簿をいう。

優良な電子帳簿と一般の電子帳簿とそれ以外の帳簿

優良な電子帳簿→施行規則5⑤

一般の(電子)帳簿→施行規則2及び3

「優良な電子帳簿」のことを「優良な帳簿」と呼ぶ人もいます。また、「一般の電子帳簿」のことを「一般の帳簿」と呼ぶ人もいます。

「優良な電子帳簿」に対して「一般の電子帳簿」のことを「それ以外の帳簿」と呼ぶ人もいますが、この表現は適切ではありません。「それ(優良帳簿)以外には紙の帳簿を含意している」かのような誤解が生じます。(規則2及び3は優良ではないが電子の帳簿に関する定めです。)

スキャナ保存
法第4条第3項前段((国税関係書類の電磁的記録による保存)) の適用を受けている国税関係書類に係る電磁的記録による保存をいう。

スキャン文書
法第4条第3項前段((国税関係書類の電磁的記録による保存)) の適用を受けて書面による保存に代えて一定の要件の下でスキャナで読み取って作成した電子化文書をいう。

お問合せの多いご質問(令和3年11月)

この追加問答集は、「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】、【スキャナ保存関係】、【電子取引関係】(令和3年7月版)」の公表後、ご質問の多かった事項について追加問として整理し、集約したものです。 (本内容は、次回改訂時の「電子帳簿保存法一問一答」に反映されます。)

Ⅰ【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】

【電子計算機を使用して作成する帳簿】関係(ダウンロードの求め)  

帳追1 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるの

でしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。

【回答】

税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提供されれば形式や並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合には、保存媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その保存媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。

【解説】

データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにも関わらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合は、そのダウンロードの求めに応じることができるようにしていたことにはなりません(法令解釈通達4-14参照)。保存要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがある訳ではありません。

なお、「ダウンロードの求め」は、保存媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、質問検査権に基づき、保存媒体の確認を行う場合もありますので、注意してください。

【特例の適用を受ける旨の届出書】関係

帳追2 既に旧法の承認を受けて電子帳簿保存を行っていますが、その場合であれば、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出は不要となるのでしょうか。

【回答】

 既に令和3年度税制改正前の法の承認を受けて法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の対象となる全ての国税関係帳簿に係る電磁的記録を保存等している場合であっても、あらかじめ、本措置の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出が必要となります(問39参照)。なお、この「あらかじめ」の適用に当たっては、本措置の適用を受けようとする国税の法定申告期限までにその届出書の提出があれば、あらかじめ提出があったものとして取り扱うこととされています(取扱通達8-4)。【経過措置】関係(加算税軽減の適用)

帳追3 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定について、最短ではいつから適用を受けることが可能となるのでしょうか。

【回答】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定は、令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。

具体的には、令和4年1月1日以後に国税関係帳簿の備付けを開始する場合には、個人事業者であれば令和4年分の所得税について、法人であれば令和4年1月1日以後に開始する事業年度の法人税について、それぞれ適用が可能となります。

他方、令和3年度税制改正前の法の承認を受けて規則第5条第1項に定める特例国税関係帳簿の全てについて電磁的記録による保存等を行っている場合には、個人事業者であれば令和3年分の所得税について、法人であれば令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する事業年度の法人税について、それぞれ適用が可能となります。

なお、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用に当たっては、修正申告書又は更正に係る課税期間の初日(新たに業務を開始した個人のその業務を開始した日の属する課税期間については、同日)から引き続き、優良な電子帳簿の要件を満たしている必要があることから、令和3年度税制改正前の法の承認を受けて電子帳簿を保存等している保存義務者についても、例えば、令和3年分の所得税についてその軽減措置の適用を受けようとする場合には、その所得税の課税期間の初日である令和3年1月1日から、承認を受けて電子帳簿の保存等を行っている必要があります。

Ⅱ【スキャナ保存関係】

【タイムスタンプ】関係(代替措置)

ス追1 タイムスタンプの付与要件に代えて入力期間内に訂正削除履歴の残るシステムに格納することとする場合には、例えば他社が提供するクラウドサーバにより保存を行い、当該クラウドサーバについて客観的な時刻証明機能を備えてい

る必要があるとのことですが、自社システムで満たすことは可能でしょうか。

【回答】

 時刻証明機能を他社へ提供しているベンダー企業以外は自社システムによりタイムスタンプ付与の代替要件を満たすことはできないと考えられます。

【解説】

 自社システムについては、保存された時刻の記録についての非改ざん性を完全に証明することはできないため、法令解釈通達4-28が求めるように保存日時の証明が客観的に担保されている場合に該当しないことから、原則自社システムで当該要件を満たすことはできません。ただし、時刻証明機能を備えたクラウドサービス等を他社へ提供しているベンダー企業等の場合には、サービスの提供を受けている利用者(第三者)との関係性から当該システムの保存時刻の非改ざん性が認められることから、自社システムであっても例外的に客観性を担保し得ると考えられます。

したがって、当該サービスを提供しているベンダー企業以外で自社システムを使用して保存要件を充足しようとする場合には、代替要件によらずタイムスタンプを付与することが必要と考えられます。

【検索機能】関係  

ス追2 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。

【回答】 

帳簿の処理方法(税込経理/税抜経理)に合わせるべきと考えられますが、受領した国税関係書類に記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることとしても差し支えありません。

【解説】

 検索機能の確保の要件は、税務調査の際に必要なデータを確認することを可能とし、調査の効率性の確保に資するために設けられているものと考えられます。また、税務調査では帳簿の確認を基本とし、帳簿に関連する書類や取引情報の確認を行っていくことが想定されることから、基本的には帳簿と同じ金額で検索できるようにしておくべきと考えられます。  他方で、受領した国税関係書類に記載されている金額を記録項目としていても問題はありません。

【検索機能】関係

ス追3 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。

【回答】

 記載すべき金額がない書類については、「取引金額」を空欄又は0円と記載することで差し支えありません。ただし、空欄とする場合でも空欄を対象として検索できるようにしておく必要があります。

【検索機能】関係(ダウンロードの求め)  

ス追4 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。

【回答】

税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提供されれば形式や並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合には、保存媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その保存媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。

【解説】

データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにも関わらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合は、そのダウンロードの求めに応じることができるようにしていたことにはなりません(法令解釈通達4-14参照)。保存要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがある訳ではありません。

「ダウンロードの求め」は保存媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、質問検査権に基づき、保存媒体の確認を行う場合もありますので、注意してください。

【検索機能】関係(索引簿)

ス追5 電子取引の保存方法で認められているような索引簿による方法について、スキャナ保存についても適用は可能でしょうか。また適用が可能な場合に、電子取引のものと兼ねた一覧表や保存システムによることも可能でしょうか。

【回答】一覧表を作成し、個々の保存ファイル名と対応させること(いわゆる索引簿方式)により検索機能を確保する方法はスキャナ保存についても適用しても差し支えありません。また、スキャナ保存と電子取引に係る取引情報に係る電磁的記録の保存について、同じ索引簿や保存システムを使用することとしている場合であっても、明瞭な状態で確認でき、速やかに出力できれば問題ありません。

一方で、スキャナ保存を行う場合には、スキャンしたデータのヴァージョン管理などその他の要件を満たす必要があることに留意してください。

なお、この索引簿等を使用した方法による検索機能の確保は、令和3年度の税制改正が適用される前のスキャナ保存においても認められます。

【その他】関係(留意事項)

ス追6 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。

【回答】

 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を出力した書面について、スキャナ保存することは認められません。

【解説】

令和3年度税制改正においては、真実性確保のための要件(改ざん防止要件)が特段課されていない出力した書面等は、他者から受領した電子データとの同一性が必ずしも十分に確保できているとは言えないことから、出力書面等による保存措置が廃止されたところです。したがって、他者から受領した電子データを書面等に出力して保存することは、電子帳簿保存法や他の税法に基づくものではありませんので、当然、その出力書面等は電子帳簿保存法に基づくスキャナ保存の対象となりません。

ただし、電子帳簿保存法に従った電子データの保存が適切に行われている前提で、それとは別に各納税者が社内経理の便宜などのために書面等への出力を行うことや、スキャナで読み取るなどの処理を行うこと自体を禁止するものではありません。

Ⅲ【電子取引関係】

【制度の概要等】関係(紙と電子データの重複)  

電取追1 電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。

【回答】

電子データと書面の内容が同一であり、書面を正本として取り扱うことを自社内等で取り決めている場合には、当該書面の保存のみで足ります。ただし、書面で受領した取引情報を補完するような取引情報が電子データに含まれているなどその内容が同一でない場合には、いずれについても保存が必要になります。

【解説】

 取引において、通常、請求書は一つであるから、正本・副本がある場合その正本を保存すれば足りると考えられます。ただし、書面で受領した取引情報に加えて、その詳細をメール本文で補足している場合等、当該電子データに正本を補完するような取引情報が含まれている場合等には、正本である書面の保存に加え、電子データの保存も必要になると考えられます。

【保存方法】関係(EDIの保存方法)  

電取追2 EDI 取引を行った場合、取引データそのものを保存する必要があるでしょうか、それとも EDI 取引項目を他の保存システムに転送し PDFデータ等により保存することも可能でしょうか。

【回答】

データそのものに限らず、当該EDIデータについて、取引内容が変更されるおそれのない合理的な方法により編集されたデータにより保存することも可能と考えられます。

【解説】

 電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないと規定されているところ、必ずしも、相手方とやり取りしたデータそのもののみしか保存が認められないとは解されません。

例えば、EDIの取引データをXMLデータでやり取りしている場合において、当該XMLデータを一覧表としてエクセル形式に変換して保存する場合は、その過程において取引内容が変更される恐れがなく合理的な方法により編集したものと考えられるため、当該エクセル形式のデータによる保存も認められると考えられます。

なお、授受したデータを手動により転記して別形式のデータを作成する場合は、取引内容の変更可能性があることから、当該別形式のデータは合理的に編集したものに当たらないものと考えられます。

【検索機能】関係(メールの保存方法)  

電取追3 自社のメールシステムでは受領した取引情報に係る電子データについて検索機能を備えることができません。その場合に、メールの内容をPDF等にエクスポートし、検索機能等を備えた上で保存する方法でも認められますか。

【回答】

 認められます。

【解説】

 当該メールに含まれる取引情報が失われないのであれば、メールの内容をPDF等にエクスポートするなど合理的な方法により編集したもので保存することとしても差し支えありません。

【検索機能】関係  

電取追4 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。

【回答】 

帳簿の処理方法(税込経理/税抜経理)に合わせるべきと考えられますが、受領した国税関係書類に記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることとしても差し支えありません。

【解説】

 検索機能の確保の要件は、税務調査の際に必要なデータを確認することを可能とし、調査の効率性の確保に資するために設けられているものと考えられます。また、税務調査では帳簿の確認を基本とし、帳簿に関連する書類や取引情報の確認を行っていくことが想定されることから、基本的には帳簿と同じ金額で検索できるようにしておくべきと考えられます。  他方で、受領した国税関係書類に記載されている金額を記録項目としていても問題はありません。

【検索機能】関係  

電取追5 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。

【回答】

 記載すべき金額がない書類については、「取引金額」を空欄又は0円と記載することで差し支えありません。ただし、空欄とする場合でも空欄を対象として検索できるようにしておく必要があります。

【検索機能】関係(ダウンロードの求め)  

電取追6 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。

【回答】

税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提供されれば形式や並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合には、保存媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その保存媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。

【解説】

データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにも関わらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合は、そのダウンロードの求めに応じることができるようにしていたことにはなりません(法令解釈通達4-14参照)。保存要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがある訳ではありません。

なお、「ダウンロードの求め」は保存媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、質問検査権に基づき、保存媒体の確認を行う場合もありますので、注意してください。

【その他】関係(留意事項)

電取追7 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。

【回答】

 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を出力した書面について、スキャナ保存することは認められません。

【解説】

令和3年度税制改正においては、税務手続の電子化を進める上での電子取引の重要性に鑑み、他者から受領した電子データとの同一性が十分に確保できないことから、真実性確保のための要件(改ざん防止要件)が課されていない出力書面等による保存措置が廃止されたところであり、この出力書面による保存自体が電子帳簿保存法上の保存方法とならないこととなりますので、当然、その出力書面をスキャナ保存することも電子帳簿保存法上の保存方法とはならないこととなります。

 ただし、電子帳簿保存法に従った電子データの保存が適切に行われている前提で、それとは別に各納税者が社内経理の便宜などのために書面への出力を行うことや、スキャナで読

み取るなどの処理を行うこと自体を禁止するものではありません。                                                 

Ⅳ【補足説明】

補1 一問一答【電子取引関係】問24

【補足説明】

 「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」の法人の例において、第6条に対象となるデータの項目がありますが、取引先等とデータでやりとりしたもののうち、取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)が含まれるデータについては、全て要

件に従ってデータのまま保存していただく必要がありますのでご注意ください。

補2 一問一答【電子取引関係】問33

【補足説明】

検索機能の確保の要件について、システム上の検索機能を有している場合のほか、電磁的記録のファイル名に、規則性を有して記録項目を入力することにより電子的に検索できる状態にしておく等の一定の方法により検索できる状態であるときは、当該要件を満たしているものとして取り扱うこととされていますが(取扱通達4-12)、この取扱いは、令和3年度税制改正が適用されないもの、すなわち、令和4年1月1日前にスキャナ保存が行われた国税関係書類又は同日前に行った電子取引の取引情報についても認められます。

 なお、「検索をすることができる機能を確保しておくこと」の要件についての記録項目は、改正前のものである必要があり、具体的な要件は、下記のとおりとなりますので、留意が必要です。

  • 取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目

(記録項目)を検索の条件として設定することができること。

  • 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
  • 2以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

補3 一問一答【電子取引関係】問34

【補足説明】

本問では、個人事業者については、電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から 12 月 31 日までの期間の売上高、法人については、電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度の売上高が 1,000 万円を超えるかどうかで判断することを説明しています。

なお、基準期間の売上高が 1,000 万円以下の場合に検索要件の確保が不要とされるこの措置は、消費税法第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)の内容を勘案して定められたものであることから、売上高が 1,000 万円を超えるかどうかを判定する基準期間については、消費税法の場合と同様の方法で判断することとなります。したがって、基準期間が1年でない法人については、基準期間の売上高を基準期間に含まれる事業年度の月数で除し、これに12を乗じて算出した金額を用いて1,000万円を超えるかどうかで判断します。

また、本問で例示しているとおり、基準期間がない新規事業者・新設法人の初年(度)及び翌年(度)の判定期間については、検索機能の確保が不要となるほか、組織変更等の場合

の判定期間の取扱いについては、消費税法の場合と同様の方法で判断することとなります。

補4 一問一答【電子取引関係】問42

【補足説明】

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。

これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。

【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】

問1 電子帳簿保存法はどのような内容となっていますか。

【回答】

電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)の概要は次のとおりです。

  • 国税関係帳簿書類のうち電子計算機を使用して作成している国税関係帳簿書類については、一定の要件の下で、電磁的記録等(電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルム(以下「COM」といいます。))による保存等(国税関係帳簿の場合には備付け及び保存をいいます。以下同様となります。)が認められます(法4①②、5)。

また、取引の相手先から受け取った請求書等及び自己が作成したこれらの写し等の国税関係書類(決算関係書類を除きます。)について、書面による保存に代えて、一定の要件の下で、スキャン文書による保存が認められます(法4③)。

  • 所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者がいわゆるEDI取引やインターネットを通じた取引等の電子取引を行った場合には、電子取引により授受した取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的記録により保存しなければなりません(法7)。

【解説】

電子帳簿保存法は、納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図るために、その電磁的記録等による保存等を容認しようとするものですが、納税者における国税関係帳簿書類の保存という行為が申告納税制度の基礎をなすものであることに鑑み、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形で、電磁的記録等の保存等を行うことが条件とされています。

また、所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められていますが、同様の取引情報を電子取引により授受した場合には、この注文書、領収書等の原始記録の保存が行われない結果となりかねない状況にあったため、電子帳簿保存法において、新たに電子取引により授受した取引情報について保存義務が設けられています。

令和3年度の税制改正では、経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等に資するため、国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等の手続及び要件について抜本的な見直しが行われ、電子取引により授受した取引情報の保存方法等についても見直しが行われています。

なお、スキャナ保存に関しては、別冊「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」、電子取引による保存に関しては、別冊「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」において解説します。

国税関係帳簿又は国税関係書類の保存方法の可否

△:電子帳簿保存法で保存が義務付けられているもの

×:保存が認められないもの

○ 帳簿書類の形態別保存の可否一覧(法人税関係)

「◎」は該当の帳簿又は書類の全てについて該当の形態で保存ができること。

「○」は該当の書類のうち資金や物の流れに直結・連動する書類(契約書、領収書等)について該当の形態で保存ができること。

「△」は該当の書類のうち資金や物の流れに直結・連動しない書類(見積書、注文書、契約の申込書(定型的約款のあるもの)、検収書等)について該当の形態で保存ができること。

「×」は該当の帳簿又は書類につき該当の形態での保存ができないこと。

○ 帳簿書類の形態別保存の可否一覧(所得税関係)(注1)

「◎」は該当の帳簿又は書類の全てについて該当の形態で保存ができること。

「○」は該当の書類のうち資金や物の流れに直結・連動する書類(契約書、領収書等)について該当の形態で保存ができること。

「△」は該当の書類のうち資金や物の流れに直結・連動しない書類(見積書、注文書、契約の申込書(定型的約款のあるもの)、検収書等)について該当の形態で保存ができること。

「×」は該当の帳簿又は書類につき該当の形態での保存ができないこと。

  • 白色申告者については、帳簿のうちの任意帳簿及び書類の保存期間は5年とされている。
  • 青色申告者については、書類のうち、決算関係書類及び現金預金等取引関係書類のいずれにも該当しない書類の保存期間は5年とされている。

    なお、前々年分所得が300万円以下の青色申告者については、上記のほか、現金預金等取引関係書類についても、保存期間は5年とされている。 

問2 電磁的記録とは、どのようなものをいいますか。

【回答】

法第2条第3号の「電磁的記録」とは、情報(データ)それ自体あるいは記録に用いられる媒体のことではなく、一定の媒体上にて使用し得る(一定の順序によって読みだすことができる)情報が記録・保存された状態にあるものをいいます(取扱通達4-1)。

具体的には、情報がハードディスク、コンパクトディスク、DVD、磁気テープ、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存された状態にあるものをいいます。

問3 市販の会計ソフトを使って経理処理や申告書の作成などを行っている場合には、国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等は認められますか。

【回答】

市販の会計ソフトを使用し、ディスプレイやシステムの概要書等を備え付けること等の法令で定められた要件を満たしている場合には、紙による保存等に代えて、電磁的記録等による保存等を行うことが認められます。

なお、電磁的記録等による保存等を行う場合の具体的な要件については【問7】をご覧ください。

【解説】

国税関係帳簿書類は申告納税制度の基礎となる重要なものであるため、その電磁的記録等による保存等は、適正公平な課税が損なわれることがないように法令で定められた要件を満たした場合に限り認められてきましたが、令和3年度の税制改正によりその要件が大幅に緩和されました。

そのため、市販の会計ソフトを使用して、見読可能装置(ディスプレイ等)やシステムの開発関係書類(システムの概要書等)の備付け等の法令で定められた要件を満たしている場合には、紙による保存等に代えて、電磁的記録等による保存等を行うことが認められます。

この法令で定められた要件を満たせない場合には、会計ソフトを使用して作成した帳簿書類について電磁的記録等による保存等は認められないことから、紙出力して保存等を行うことになります。

なお、国税関係帳簿について、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける場合には、税務署長への届出に加え、特例国税関係帳簿の全てを会計ソフト等により作成している必要があり、その作成に使用する会計ソフトには、例えば電磁的記録の訂正・削除の履歴を確認できる機能等の優良な電子帳簿の要件を満たすための機能が必要となるため、使用している会計ソフトに当該機能が備わっていない場合は、同項の規定の適用を受けることはできません。

いわゆる市販ソフトにおけるこれらの要件に関する事項についてはメーカー等の操作説明書等で確認することとなります。

また、市販ソフトのうち、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)による優良な電子帳簿に係る要件適合性の確認を受けたものについては、パッケージ等にJIIMA認証の認証マークが印字されています。

問4 電磁的記録等による保存等が認められない国税関係帳簿書類には、どのようなものがあるのでしょうか。

【回答】

電磁的記録等による保存等が認められる国税関係帳簿は、自己が最初の記録段階から一貫してコンピュータを使用して作成するものであることから、手書きで作成された国税関係帳簿については、電磁的記録等による保存等は認められません。

なお、国税関係書類については、自己が一貫してコンピュータを使用して作成するもののほか、書面で作成又は受領したものについても、スキャン文書による保存が認められます。スキャナ保存の対象となる書類については、別冊「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」において解説します。

問5 売上伝票などの伝票類について、電子帳簿保存法を適用することにより電磁的記録等による保存を行うことは認められますか。

【回答】                                                  

売上伝票などの伝票類が、企業内での決裁、整理などを目的として作成されている場合は、所得税法施行規則第63条第1項及び法人税法施行規則第59条第1項等に規定する保存すべき書類には当たらないことから、法第2条第2号(定義)に規定する国税関係書類に該当しないので、電子帳簿保存法の適用はありません。

一方、伝票が国税関係帳簿の記載内容を補充する目的で作成・保存され、その伝票が国税関係帳簿の一部(補助簿)を構成する場合には国税関係帳簿となりますので、法第4条第1項及び法第5条第1項に規定する財務省令で定める要件を満たした場合には、電磁的記録による保存を行うことは可能です。

問6 国税関係書類について、課税期間の中途から電磁的記録等による保存を行うことはできますか。

【回答】

国税関係書類については、課税期間の中途からでも電磁的記録等による保存を行うことができます。

【解説】

国税関係帳簿については、課税期間の開始の日にそれが備え付けられ、順次それに取引内容が記録されていくものであることから、原則的には、課税期間の中途から電磁的記録等による保存をすることはできないと解されます(取扱通達4-4なお書き)。

これに対して、国税関係書類については、それが作成されると直ちに保存されるものであることから、課税期間の中途からでもそれ以後の作成分を電磁的記録等により保存することができることとなります。

問7 国税関係帳簿書類について電磁的記録等による保存等を行う場合には、どのような要件を満たさなければならないのでしょうか。

【回答】 

電磁的記録等による国税関係帳簿書類の保存等に当たっては、電子計算機処理システムの概要書等の備付け等の要件を満たす必要があります(規則2、3)。

国税関係帳簿と国税関係書類では、それらの保存等を行う場合の要件の内容が異なり、国税関係帳簿についてはさらに、令和3年度の税制改正によって過少申告加算税の軽減措置の対象となる信頼性の高い帳簿である優良な電子帳簿(規則5)とそれ以外の帳簿(規則2、

3)に区分されたことにより、それぞれ要件が異なっています。詳しくは下記の表をご覧ください。

○ 電磁的記録等による保存等の要件の概要(規則第2条・第3条・第5条) 

【電子保存等及びCOM保存等】

                               要      件 電子保存等(注1) (第2条) COM保存等(注2) (第3条)
優良帳簿 (第5条) 優良以外の帳簿 書類 優良帳簿 (第5条) 優良以外の帳簿 書類
電子計算機処理システムの概要書等の備付け(規2② 一)
見読可能装置の備付け等(規2②二) (※1)
ダウンロードの求めに応じること(規2②三) △※2
COMの作成過程等に関する書類の備付け(規3①一)   
COMの見読可能装置の備付け等(規3①二)   
電磁的記録の訂正・削除・追加の事実及び内容を確認することができる電子計算機処理システムの使用(規5 ⑤一イ、二イ)    
帳簿間での記録事項の相互関連性の確保(規5⑤一ロ、二イ)    
検索機能の確保(規5⑤一ハ、二イ) △※2    (※1)
索引簿の備付け(規5⑤二ハ)     
COMへのインデックスの出力(規5⑤一二)     
当初3年間における電磁的記録の並行保存又はCOMの記録事項の検索機能の確保(規5⑤二ホ)     

(注)1 「電子保存等」とは、①帳簿の電磁的記録による備付け及び保存又は②書類の電磁的記録による保存をいう。

  • 「COM保存等」とは、①帳簿の電磁的記録による備付け及びCOMによる保存又は②書類のCOMによる保存をいう。
  • ※1 当初3年間の電磁的記録の並行保存を行う場合の要件である。

    ※2 「ダウンロードの求め」に応じる場合には、検索機能のうち、範囲を指定して条件を設定できる機能及び二以上

の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できる機能は不要となる。

    ※3 優良帳簿の要件を全て満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。

    ※4 検索機能の確保に相当する要件を満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。

    ※5 索引簿の備付け、COMへのインデックスの出力及び当初3年間における電磁的記録の並行保存又はCOMの記録事項の検索機能の確保に相当する要件を全て満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。

    ※6 検索機能については、ダウンロードの求めに応じれば、検索機能のうち、範囲を指定して条件を設定できる機能及び二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できる機能は不要となる。

  • 「優良帳簿」については、一定の場合に、あらかじめ、適用届出書を所轄税務署長等に提出したうえで、過少申告加算

税の軽減措置の適用を受けることができる。

問8 いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能に操作説明書と同等の内容が組み込まれている場合、操作説明書が備え付けられているものと考えてもよいでしょうか。

【回答】

規則第2条第2項第1号のシステム関係書類等については、書面以外の方法により備え付けることもできることとしています(取扱通達4-6本文なお書)ので、いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能に操作説明書と同等の内容が組み込まれている場合には、それが整然とした形式及び明瞭な状態で画面及び書面に、速やかに出力することができるものであれば、操作説明書が備え付けられているものとして取り扱って差し支えありません。

問9 規則第2条第2項第1号ニに規定する備え付けておくべき「国税関係帳簿に係る電子計算機処理に関する事務手続を明らかにした書類」とは、具体的にどのような内容を記載したものが必要となりますか。

【回答】

備付けを要する事務手続関係書類(規則2②一ニ)については、取扱通達4-6でこれに記載すべき事項が示されていますが、この備付けを要する事務手続関係書類に記載すべき事項のうち、入出力処理(記録事項の訂正又は削除及び追加をするための入出力処理を含みます。) の手順、日程及び担当部署などについて概要を示すと、例えば、次のような内容を記載したものが必要となります。

また、電子計算機処理を他の者に委託している場合には、これらの書類に代えて委託契約書等を備え付けておく必要があります。  

国税関係帳簿に係る電子計算機処理に関する事務手続を明らかにした書類(概要)

(入力担当者)

  • 仕訳データ入出力は、所定の手続を経て承認された証票書類に基づき、入力担当者が行う。

(仕訳データの入出力処理の手順)

  • 入力担当者は、次の期日までに仕訳データの入力を行う。
    • 現金、預金、手形に関するもの  取引日の翌日(営業日)
    • 売掛金に関するもの       請求書の発行日の翌日(営業日)
    • 仕入、外注費に関するもの    検収日の翌日(営業日)
    • その他の勘定科目に関するもの  取引に関する書類を確認してから1週間以内

(仕訳データの入力内容の確認)

  • 入力担当者は、仕訳データを入力した日に入力内容の確認を行い、入力誤りがある場合は、これを速やかに訂正する。

(管理責任者の確認)

  • 入力担当者は、業務終了時に入力データに関するデータをサーバに転送する。管理責任者はこのデータの確認を速やかに行う。

(管理責任者の確認後の訂正又は削除の処理)

  • 管理責任者の確認後、仕訳データに誤り等を発見した場合には、入力担当者は、管理責任者の承認を得た上でその訂正又は削除の処理を行う。

(訂正又は削除記録の保存)

  • 5の場合は、管理責任者は訂正又は削除の処理を承認した旨の記録を残す。

問10 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。

【回答】

ディスプレイやプリンタ等の性能や設置台数等は、要件とされていません。

【解説】

電磁的記録は、その特性として、肉眼で見るためにはディスプレイ等に出力する必要がありますが、これらの装置の性能や設置台数等については、①税務調査の際には、保存義務者が日常業務に使用しているものを使用することとなること、②日常業務用である限り一応の性能及び事業の規模に応じた設置台数等が確保されていると考えられることなどから、法令上、特に要件とはされていません。

ただし、規則第2条第2項第2号では、ディスプレイ等の備付けとともに、「速やかに出力することができる」ことも要件とされています。このため、日常業務においてディスプレイ等を常時使用しているような場合には、税務調査では帳簿書類を確認する場面が多いことから、税務調査にディスプレイ等を優先的に使用することができるよう、事前に日常業務との調整などを行っておく必要があると考えます。

問11 電磁的記録の書面への出力に当たっては、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。

【回答】

規則第2条第2項第2号において、電磁的記録の画面及び書面への出力は「整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができる」ことと規定されており、この場合の「整然とした形式」とは、書面により作成される場合の帳簿書類に準じた規則性を有する形式をいいます(取扱通達4-8)。

そのため、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できれば、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても、認められます。

【解説】

  電磁的記録の書面への出力に当たっては、書面により作成される場合の帳簿書類に準じた規則性を有する形式になっている必要がありますが、その形式については定めがないため、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても要件を満たせば認められます。

なお、ディスプレイへの画面表示では、一の記録事項を横スクロールによって表示するような表示形式も認められるものの、当該画面のハードコピーにより書面に出力する場合で、一の記録事項が複数枚の書面に分割して出力されるような出力形式は、一覧的に確認することが困難となることから、整然とした形式に該当しないこととなります。

(注) 出力プログラムを使用した出力においても、上記のように複数の書面に分割した形で出力される形式である場合には認められないこととなります。

問12 電磁的記録を外部記憶媒体へ保存する場合の要件はどういうものがありますか。

【回答】

記憶媒体の種類にかかわらず保存要件は同じであり、外部記憶媒体に限った要件はありません。

【解説】

電子帳簿保存法では、記憶媒体や保存すべき電磁的記録を限定する規定はないことから、国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の媒体については保存義務者が任意に選択することができることとなります(取扱通達4-1)。

また、保存要件に関しても記憶媒体ごとに規定されていないことから、いずれの記憶媒体であっても同一の要件が適用されることとなります。

なお、実際のデータの保存に際しては、サーバ等で保存していた電磁的記録と外部記憶媒体に保存している電磁的記録は当然に同一のものでなければなりません。このため、必要に応じて電磁的記録の保存に関する責任者を定めるとともに、管理規則を作成し、これを備え付けるなど、管理・保管に万全を期すことが望ましいと考えられます。

問13 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。

【回答】

規則第2条第2項第2号に規定する備付け及び保存をする場所(以下「保存場所」といいます。)に備え付けられている電子計算機とサーバとが通信回線で接続されているなどにより、保存場所において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、規則第2条第2項第2号に規定する状態で速やかに出力することができるときは、クラウドサービスを利用する場合や、サーバを海外に置いている場合であっても、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。

【解説】

近年、コンピュータのネットワーク化が進展する中、通信回線のデータ送信の高速化も進み、コンピュータ間でデータの送受信が瞬時にできる状況となっていますが、電子帳簿保存法創設の趣旨(法第1条)を踏まえ、保存場所に備え付けられている電子計算機と国税関係帳簿書類の作成に使用する電子計算機とが通信回線で接続されていることなどにより、保存場所において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、それぞれの要件に従って、速やかに出力することができるときは、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます(取扱通達4-7注書き)。

そして、現在、企業が会計処理をはじめとする業務処理を外部委託する場合には、受託企業の大半が国内外の複数の場所にあるコンピュータをネットワーク化してデータ処理し、国内外のサーバにデータを保存している状況となっていますが、前述の点を踏まえれば、仮に電磁的記録が海外にあるサーバに保存されている場合(保存要件を満たしている場合に限ります。)であっても、納税地にある電子計算機において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力することができる等、紙ベースの帳簿書類が納税地に保存されているのと同様の状態にあれば、納税地に保存等がされているものとして取り扱われます。

なお、バックアップデータの保存については、法令上の要件とはなっていませんが、通信回線のトラブル等による出力障害を回避するという観点からバックアップデータを保存することが望まれます。

問14 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。

【回答】

現在使用しているシステムにより検索できなくても差し支えありません。

【解説】

規則第5条第5項第1号ハに規定する検索機能については、特に電子計算機についての定めはなく、また、第2条第2項第2号に規定する出力機能についても「当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機」を備え付ければよいこととされていることから、これらの規定を満たすことができる電子計算機であれば、現在の業務において使用している電子計算機でなくても差し支えないこととなります。

例えば、システム変更等をした場合に、変更前のデータについては、変更前のシステムにおいて検索機能を確保している場合などがこれに該当します。

なお、このような場合には、検索に使用する電磁的記録が適用を受けて保存している電磁的記録と同一のものであることを確認できるようにしておく必要があります。

問15 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。

【回答】

検索機能のうち「その範囲を指定して条件を設定することができる」を満たそうとする場合には、保存されている電磁的記録は、原則として一課税期間を通じて検索をすることができる必要があります。

【解説】

検索機能のうち、「その範囲を指定して条件を設定することができる」とは、課税期間ごとの日付又は金額の任意の範囲を指定して条件設定を行い検索ができることをいうとされており(取扱通達4-10)、原則として、一課税期間ごとに検索をすることができる必要があります。

しかしながら、データ量が膨大であるなどの理由で複数の保存媒体で保存せざるを得ない場合や、例えば、中間決算を組んでおり半期ごとに帳簿を作成している場合など、一課税期間を通じて検索をすることが困難であることについて合理的な理由があるときには、その合理的な期間ごとに範囲を指定して検索をすることができれば差し支えありません。

なお、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けるための優良な電子帳簿の要件としての検索機能の確保の要件については、その電子帳簿に係る電磁的記録について税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、この範囲を指定して条件を設定できる機能(及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能)は不要となります。

問16 検索結果後の抽出されたデータを、ディスプレイの画面及び書面に速やかに出力することができれば、検索には多少の時間を要しても構いませんか。

【回答】

検索開始から終了までも速やかにできる必要があると考えられます。

【解説】

「速やかに出力する」とは、具体的には、閲覧対象データを出力するために行った電子計算機の操作の開始時点から出力時点までを速やかにできることを意味していると考えられます。

この場合、その閲覧対象データを出力するに当たり、データの抽出作業が伴うときには、まず始めに検索を行い、その結果抽出されたデータを画面及び書面に出力することから、当然にその検索を開始した時から、該当する書類が画面及び書面に出力されるまでを速やかにできなければならないと考えられます。

したがって、「速やかに出力する」とは、抽出されたデータについて速やかに出力することができるだけでなく、検索についても速やかにできることが必要であると考えられます。

なお、条件に該当する記録事項の全てが、ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で出力される場合のほか、視認性の観点から、重複する項目等について画面及び書面への表示を省略しているときについても、記録事項をデータとして保持している

問17 バックアップデータの保存は要件となっていますか。

【回答】

バックアップデータの保存は要件となっていません。

【解説】

バックアップデータの保存については法令上の要件とはなっていませんが、電磁的記録は、記録の大量消滅に対する危険性が高く、経年変化等による記録状態の劣化等が生じるおそれがあることからすれば、保存期間中の可視性の確保という観点から、バックアップデータを保存することが望まれます。

また、必要に応じて電磁的記録の保存に関する責任者を定めるとともに、管理規則を作成し、これを備え付けるなど、管理・保管に万全を期すことが望ましいと考えられます。

問18 会計システムのサブシステムにあるマスターデータについて、課税期間終了時点のもののみを保存することとしてもよいのでしょうか。

【回答】

単価などのマスターデータは、課税期間中に何度も改定されることもあることから、マスターデータと関連付けられた事項を正しく表示させるためには、電磁的記録の保存対象となった取引記録と関連するマスターデータを全て保存する必要があります。

問19 当社は各種の業務システム(販売等の個別取引データを保存)と会計システム(業務システムの集計データを保存)を連携させています。「仕訳帳」及び「総勘定元帳」を電磁的記録等により保存等することとした場合、会計システムのデータのみ保存しておけばよいでしょうか。

【回答】

「仕訳帳」及び「総勘定元帳」を電磁的記録等により保存等する場合には、原則として、会計システムのデータとともに業務システムのデータを合わせて保存する必要があります。  なお、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、この「仕訳帳」及び「総勘定元帳」を含む特例国税関係帳簿について全て優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行う必要があります。

【解説】

会計システムのデータのみを保存することとした場合、業務システムの集計データのみが保存され、販売等の個別取引データは保存されないため、結果として、保存した仕訳帳及び総勘定元帳のデータは、全ての取引を記載した帳簿とはなりません。

これは、法人税法施行規則第54条において、仕訳帳は「全ての取引を借方及び貸方に仕訳する帳簿」、総勘定元帳は「全ての取引を勘定科目の種類別に分類して整理計算する帳簿」と規定されていることに反することになります。 

また、優良な電子帳簿の要件を満たそうとする場合においては、集計データのみの保存では、全ての取引に係るデータの訂正又は削除の履歴が確保できないことや、帳簿間の相互関連性が明確にならないことなどから、規則第5条第5項第1号イ及びロの要件が満たされないこととなります。

(注) 業務システムのデータを合わせて保存する方法以外に、法人税法施行規則第54条の要件を確保する方法として、業務システムのデータの保存に代えて、販売等の個別取引が記載された売上帳(補助簿等)を書面に出力して保存する方法も認められていますが、この方法による場合には、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることはできません。

【電子計算機を使用して作成する帳簿関係】

問20 国税関係帳簿の電子計算機処理に当たり、記帳代行業者等に委託している場合でも認められますか。また、記帳代行業者等への委託に際して、課税期間中に記帳せず、当該期間終了後にまとめて記帳することを委託し、そこで作成された電磁的記録を保存することや、保存場所を記帳代行業者の所在地にすることは認められますか。

【回答】

会計事務所や記帳代行業者に委託することは認められますが、国税関係帳簿の作成に当たっては、書面であるか電磁的記録であるかに関わらず、課税期間中に記帳せず当該期間終了後にまとめて記帳することを委託する方法は、認められません。また、保存場所についても、各税法で定められているため、記帳代行業者の所在地にすることは認められません。

【解説】

法第4条及び第5条では、「自己が……電子計算機を使用して作成する場合には」と規定されていますが、この場合の「自己が」の意義については、「保存義務者が主体となってその責任において」という趣旨であり、電子計算機処理が必ずしも保存義務者自身によって行われる必要はなく、会計事務所や記帳代行業者に委託している場合も、これに含まれることになります(取扱通達4-3)。

なお、国税関係帳簿は、原則として課税期間の開始の日にこれを備え付け、取引内容をこれに順次記録し、その上で保存を開始するものですから、備付期間中は、書面で作成する場合は当該書面をその保存場所に備え付け、また、電磁的記録で作成する場合は当該電磁的記録をその保存場所に備え付けているディスプレイの画面及び書面に出力することができるようにしておく必要があります。

このことは、国税関係帳簿に係る電磁的記録の作成を他の者に委託している場合でも同じであり、保存義務者は、定期的にその電磁的記録の還元を受けることにより、備付期間においても、保存場所に備え付けているディスプレイの画面及び書面に出力することができるようにしておかなければならないこととなります。この場合の「定期的」とは、通常の入出力 (業務処理)サイクルのことであり、一課税期間分を一括して処理するような場合は、そもそも備付期間においてディスプレイ等に出力することができないことから、これに該当しません。

したがって、課税期間中に記帳せず当該期間終了後にまとめて記帳することを委託する方法は認められないことになります。

また、保存場所については、所得税法等の各税法で定められているものであり、記帳代行業者の所在地を保存場所にすることは認められません。

このため、記帳代行業者等に委託する場合であっても、保存義務者の事業所等の所在地等、所得税法等の各税法で定められている保存場所に、国税関係帳簿に係る電磁的記録を出力することができる電子計算機やディスプレイ等を備え付けておく必要があります。

【電子計算機を使用して作成する書類関係】

問21 国税関係書類を電磁的記録により保存する場合、具体的にどの時点における電磁的記録を保存する必要がありますか。

【回答】

保存義務者によって作成している書類が区々であることから、一概にいうことはできませんが、一般的には、次に掲げる書類の区分に応じ、それぞれ次に掲げる時点の電磁的記録が保存すべきものになると考えられます。

  • 請求書等の相手方に交付する書類

実際に相手方に交付した時点における電磁的記録

(注) 例えば、見積内容の変更の都度、相手方に見積書を交付した場合には、交付した全ての見積書に係る電磁的記録を保存する必要があります。

  • その他の書類

その書類の性質に応じ、その書類の作成を了したと認められる時点における電磁的記録

【解説】

国税関係書類には国税関係帳簿のような備付期間がなく、作成と同時に保存が開始されるものであるため、保存を要する国税関係書類に係る電磁的記録は、電子計算機により書類を作成する場合の作成中のものをいうのではなく、当該書類が作成された時点のものということとなります。

ここにいう「当該書類が作成された時点のもの」とは、作成される国税関係書類の種類により異なりますが、請求書のように相手方に交付される書類に係る電磁的記録の場合には、これを書面に出力して相手方に交付した時点の電磁的記録をいい、相手方に交付されないような書類(決算関係書類等)に係る電磁的記録の場合には、その書類の性質に応じ、その書類の作成を了したと認められる時点の電磁的記録をいうこととなります。

問22 国税関係書類を電磁的記録により保存する場合、その電磁的記録を出力した請求書等に手書により新たな情報を付加した上で相手方に交付した場合のその写しは、必ず書面により保存しなければなりませんか。

【回答】

電磁的記録で保存することができる国税関係書類は、「自己が一貫して電子計算機を使用して作成する」ものでなければなりません(法4②)。

したがって、電子計算機により作成した国税関係書類を書面に出力し、それに手書により新たな情報を付加したものは、一貫して電子計算機を使用して作成したものではないので、

その書類については、書面により保存しなければならないこととなります。

【電子計算機を使用して作成する帳簿関係(優良な電子帳簿)】

問23 訂正削除の履歴の確保の方法として、貸借の勘定科目は同一で、金額をマイナスで入力する訂正の方法は認められますか。

【回答】

いわゆる反対仕訳による方法の一類型と考えられますので、電磁的記録の記録事項を直接に訂正し又は削除することができないシステムを使用している場合には、訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たすこととなります。

【解説】

いわゆる反対仕訳による方法は、当該反対仕訳に当初の仕訳を特定することができる情報が付加されていれば、規則第5条第5項第1号イ⑴に規定する訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たすこととなります(取扱通達8-8)が、その仕訳の方法については、いわゆる総額方式や純額方式などがあり、特に限定していません。

その場合において、貸借の勘定科目は同一で金額をマイナスで入力する方法も、いわゆる反対仕訳の方法の一類型と考えられます。

問24 電磁的記録の記録事項を訂正し又は削除することができるシステムを使用している場合は、訂正削除の履歴の全てについて残すことができる必要がありますか。

【回答】

入力誤りについて訂正又は削除を行うための期間があらかじめ内部規程等に定められており、かつ、その期間が入力した日から1週間を超えない場合には、その期間について訂正又は削除の履歴を残さないシステムを使用することが認められます。

【解説】

国税関係帳簿に係る電磁的記録の訂正削除の履歴は、その全てについて残されることが望ましいですが、入力後速やかにその入力内容を確認し入力誤りについて訂正又は削除をすることも一般的であり、そのような訂正又は削除についてまで、その履歴の確保を求めるのは、コンピュータ処理の実態に即さないとも考えられます。

このため、そのような訂正又は削除を行うための期間があらかじめ内部規程等(規則第2条第2項第1号ニに掲げる事務手続を定めた書類)に定められており、かつ、その期間が入力した日から1週間を超えない場合には、便宜上、その期間について訂正又は削除の履歴を残さないシステムを使用することが認められます(取扱通達8-9)。

一定の期間について訂正削除履歴を残さないシステムとしては、例えば、次の訂正又は削除の方法の区分に応じ、次のようなものが考えられます。

 イ 記録事項を直接に訂正し又は削除する方法

   電磁的記録の記録事項に係る当初の入力日から訂正又は削除をすることができる期間を自動的に判定し、当該期間内における訂正又は削除については履歴を残さないこととしているシステム  ロ いわゆる反対仕訳により訂正し又は削除する方法

   電磁的記録の記録事項に係る当初の入力日から訂正又は削除をすることができる期間を自動的に判定し、当該期間が経過するまでは記録事項を直接に訂正し又は削除することができるが、当該期間が経過した後においてはいわゆる反対仕訳による方法によってしか記録事項を訂正し又は削除することができないシステム

問25 入力日付をデータとしては持たない場合であっても、月次決算を行い、その月次単位でデータを保存することにより追加入力の事実が確認できる場合には、規則第5条第5項第1号イ⑵(追加入力の履歴の確保)の要件を満たすこととなりますか。

【回答】

国税関係帳簿に係る電磁的記録を月次決算単位でファイルに保存し、その単位ごとにディスプレイの画面及び書面に出力することができ、入力月と入力された取引年月日の関係からその画面及び書面により追加入力の事実が確認できる場合には、規則第5条第5項第1号イ ⑵に規定する要件を満たすこととなります。

【解説】

規則第5条第5項第1号イ⑵では、電磁的記録の記録事項を通常の業務処理期間が経過した後に入力した場合に、その事実を確認することができるシステムを使用することとされていますが、質問のケースについては、入力月ごとに電磁的記録が独立しており、入力月と入力された取引月日の関係から、通常の業務処理期間経過後に入力されたことを確認することができるので、要件を満たすこととなります。

問26 規則第5条第5項第1号イ⑵の「その業務の処理に係る通常の期間」とは、具体的にどの程度の期間をいいますか。

【回答】

電子計算機に係る業務処理サイクルとしてデータの入出力を行う、日次、週次及び月次の期間をいいます。

【解説】

電子計算機を利用している企業においては、データ入力又は入力データの更新(確定)処理などを一定の業務処理サイクル(日次、週次及び月次)で行うことが通例であり、また、その場合には、適正な入力を担保するために、その業務処理サイクルを事務処理規程等で定めることが通例であると考えられます。規則第5条第5項第1号イ⑵に規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、このような各企業において事務処理規程等に定められている業務処理サイクルとしての入力を行う期間のことをいうものです。

なお、電子帳簿保存法では、国税関係帳簿に係る電磁的記録は、原則として課税期間の開始の日に備え付けられ、順次これに取引内容が記録されていくことを前提としており、1年間分がまとめて課税期間終了後に記録されるといったケースを予定しているものではありませんが、外部委託やバッチ処理の場合など、業務処理サイクルとして多少長い期間を要するケースもあることから、最長2か月までの業務処理サイクルであれば、通常の期間として取り扱うこととしています。

問27 「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第5条第5項第1号イ⑵並びに第2条第6項第1号ロ及び第2号ロにそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。

【回答】

規則第5条第5項第1号イ⑵に規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、事務処理後データの入出力を行うまでの通常の業務サイクルの期間をいい、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取るまで又は受領等からタイムスタンプを付すことができるようになるまでの通常の業務サイクルの期間をいいます。

【解説】

規則第5条第5項第1号イ⑵並びに第2条第6項第1号ロ及び第2号ロでは、いずれも「その業務の処理に係る通常の期間」と規定しています。それは、企業等においてはデータ入力又は書類の処理などの業務を一定の業務サイクル(週次及び月次等)で行うことが通例であり、また、その場合には適正な入力又は処理を担保するために、その業務サイクルを事務の処理に関する規程等で定めることが通例であるという共通した考え方によるものですが、規則第5条第5項第1号イ⑵は国税関係帳簿に係る記録事項を入力する場合であり、第2条第6項第1号ロ及び第2号ロは国税関係書類に係る記録事項を入力し、又はタイムスタンプを付す場合であることから、「その業務」の内容が異なり、それぞれが次の≪その業務とその期間≫のとおり差があります。

しかしながら、その業務の内容の差に着目した期間の差を設けることは、経理処理の実情と合わなくなることも考えられるため、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロの事務処理期間については、最長2か月の業務サイクルであれば通常の期間として取り扱われることから(取扱通達4-18)、規則第5条第5項第1号イ⑵の事務処理終了後の入力までの期間についても同様に、最長2か月の業務サイクルであれば、通常の期間として取り扱われます。

≪その業務とその期間≫

  • 規則第5条第5項第1号イ⑵の場合

その業務とは、帳簿の元となるデータの入出力を含むことと考えられることから、その期間については、事務処理終了後データの入出力を行うまでの業務サイクルの期間をいいます。

  • 規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロの場合

その業務とは、企業等における書類の事務処理と考えられることから、その期間については、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取るまで又は受領等からタイムスタンプを付すことができるようになるまでの業務サイクルの期間をいいます。

問28 帳簿間の記録事項の関連性を確認することができるようにしておくこととされていますが、具体的には、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。

【回答】

帳簿間の記録事項の関連性を確認するための記録方法については、取扱通達8-11で例示していますが、それを図示すれば、別紙の図1から3のとおりとなります。

問29 規則第5条第5項第1号ハ⑶の「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」には、「AかつB」のほか「A又はB」といった組合せも含まれますか。また、一の記録項目により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目により絞り込みの検索をする方式は、要件を満たすこととなりますか。

【回答】

「A又はB」の組合せは必要ありません。また、段階的な検索ができるものも要件を満たすこととなります。

【解説】

検索機能については、規則第5条第5項第1号ハ⑶で、検索の条件として設定した記録項目(取引年月日、取引金額及び取引先)により、二以上の記録項目を組み合わせて条件を設定することができることとされています。この場合の二の記録項目の組合せとしては、「AかつB」と「A又はB」とが考えられますが、このうち、「A又はB」の組合せについては、それぞれの記録項目により二度検索するのと実質的に変わらない(当該組合せを求める意味がない)ことから、これを求めないこととしています。

また、「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」とは、必ずしも「AかつB」という組合せで検索できることのみをいうのではなく、一の記録項目 (例えば「A」)により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目(例えば「B」)により再度検索をする方式も結果は同じであることから要件を満たすこととなります。

なお、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けるための優良な電子帳簿の要件としての検索機能の確保の要件については、その電子帳簿に係る電磁的記録について税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、この項目を組み合わせて条件を設定できる機能(及び範囲を指定して条件を設定できる機能)は不要となります。

問30 電磁的記録の検索機能における日付に係る記録項目において、総勘定元帳の「記載年月日」とは、いつ時点のことをいうのでしょうか。

【回答】

所得税法施行規則第59条第2項及び法人税法施行規則第55条第2項に規定されている総勘定元帳の「記載年月日」とは、仕訳帳から総勘定元帳へ個々の取引を転記している場合は、転記した取引の取引年月日となり、一定期間の取引の合計金額を総勘定元帳に転記している場合は、一般的に複式簿記の原則に従って処理される日や、簡易帳簿への記帳が行われる日

(集計対象とした期間の末日など)が記載年月日となります。

【COM】

問31 COMにより国税関係帳簿書類の保存を行う場合、3年間の電磁的記録の並行保存に代えて、出力した書面を保存する方法は認められますか。

【回答】

電磁的記録の並行保存に代えて、出力した書面を保存する方法は認められません。

【解説】

国税関係帳簿書類の保存をCOMにより行おうとする場合には、規則第5条第5項第2号ホの規定により、保存期間の初日から法定申告期限(法定申告期限のない国税に係る国税関係帳簿書類については、当該国税の法定納期限)後3年を経過する日までの間は、出力機能及び検索機能を確保した状態で電磁的記録を並行して保存しておくこと又はCOMの記録事項を検索することができる機能(電磁的記録に係る検索機能に相当するもの)を確保しておくことが要件とされています。

  なお、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けるための優良な電子帳簿の要件としての検索機能の確保の要件については、その電子帳簿に係る電磁的記録について税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、範囲を指定して条件を設定できる機能及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能は不要となります。

問32 取扱通達8-19では、COMの記録事項の検索をすることができる機能として、検索により探し出された記録事項を含むCOMのコマの内容が自動的に出力されることが必要であるとされていますが、この場合の「自動的に出力される」方法は、具体的にどのような方法であればよいのでしょうか。

【回答】

国税関係帳簿書類の保存をCOMにより行おうとする場合には、保存期間が3年を経過するまで、COMの保存に併せて電磁的記録を保存し又はCOMの記録事項の検索をすることができる機能(電磁的記録の記録事項に係る検索機能に相当する機能)を確保しておくこととされています(規則5⑤二ホ)。

また、この場合の「電磁的記録の記録事項に係る検索機能に相当する機能」は、検索により探し出された記録事項を含むCOMのコマの内容が自動的に出力されるものであることを要します(取扱通達8-19)。

この要件を満たす方法としては、COMの作成時に、別途作成された検索用の電磁的記録 (該当の帳簿書類ごとに、検索の条件として設定した記録項目とフィルム番号及びコマ位置の情報が関連付けられて記録されたもの)により、特定のCOMに係る情報を探し出すことができる電子計算機(パソコン等)とマイクロフィルムリーダプリンタとを組み合わせたもので、次に掲げるような方法がいずれもこれに該当します。

  • 半自動検索
    • 電子計算機による検索の結果(該当の帳簿書類に係る記録項目、フィルム番号及びコマ位置の各情報をいいます。以下⑵及び⑶において同様となります。)を当該電子計算機のディスプレイの画面及び書面に出力
    • ①で得たフィルム番号情報に基づいて該当のCOMをマイクロフィルムリーダプリンタに手動で装填
    • マイクロフィルムリーダプリンタに附属のキーボードから①で得た該当のコマ位置情報をキー入力することにより、該当のコマの内容をマイクロフィルムリーダプリンタの画面及び書面に自動的に出力
  • 自動検索
    • ⑴の①と同様となります。
    • 検索の結果のうち、フィルム番号及びコマ位置の両情報を当該電子計算機からマイクロフィルムリーダプリンタに自動的に転送
    • ⑴の②と同様となります。
    • ②で転送された情報に基づいて該当のコマの内容をマイクロフィルムリーダプリンタの画面及び書面に自動的に出力
  • 全自動検索
    • ⑵の①と同様となります。
    • ⑵の②と同様となります。
    • ②で転迭された情報に基づいて該当のCOMをマイクロフィルムリーダプリンタに自動的に装填
    • ⑵の④と同様となります。

なお、電子計算機を用いてCOMを特定する情報を探し出すことは可能ですが、該当のCOMのコマの位置合わせが手動である場合には、COMのコマの内容が自動的に出力されるものではないので、要件を満たさないこととなります。

問33 所得税及び法人税に係る一定の書類について、4年目から撮影タイプのマイクロフィルムによる保存は、具体的にどのような書類が対象となりますか。また、その場合の検索機能は、どの程度の機能が必要となりますか。

【回答】

所得税法及び法人税法において保存すべきこととされている書類のうち、4年目及び5年目において撮影タイプのマイクロフィルムによる保存ができる書類については、平成10年国税庁告示第1号及び第2号により告示されています。

この告示により、例えば、次のような書類が4年目からの撮影タイプマイクロフィルムによる保存の対象となります。

イ 保険契約申込書、電話加入契約申込書、クレジットカード発行申込書のように別途定型的な約款が示されている契約申込書ロ 口座振替依頼書ハ 棚卸資産を購入した者が作成する検収書、商品受取書ニ 注文書、見積書及びそれらの写しホ 自己が作成した納品書の写し

なお、4年目及び5年目における撮影タイプのマイクロフィルムによる書類の保存に当たっては、書類の種類及び書類に記載されている日付を検索の条件として、特定の書類を検索できる措置を講ずる必要があります。

問34 電磁的記録等による保存等を取りやめることとした場合、その取りやめることとした日において保存等している電磁的記録等は、そのまま電磁的記録等により保存等することとしてもよいのでしょうか。

【回答】                                  

電磁的記録等による保存等を取りやめることとした場合、その取りやめることとした日において保存等していた電磁的記録等のうち、保存要件を満たせなくなるものについては全て書面(紙)に出力して保存等をする必要があります(取扱通達4-39)。

【解説】

保存義務者が法第4条第1項若しくは第2項又は第5条の規定により国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録等による保存等をもってその国税関係帳簿又は国税関係書類の保存等に代えられるのは、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿又は国税関係書類に限定されています。その結果、その課税期間の途中で要件を満たせなくなった等の事情により、電磁的記録等による保存等をやめることとした場合に、その電磁的記録による保存等をやめることとした国税関係帳簿又は国税関係書類については、取りやめることとした日以後の新たな記録分等について書面で保存等をしなければならなくなるほか、同日において保存等をしている電磁的記録等のうち、保存要件を満たせなくなるものについては全て書面(紙)に出力して、保存期間が満了するまで保存等をする必要があります。

なお、優良な電子帳簿を取りやめる場合は、【問44】をご覧ください。

問35 特例国税関係帳簿に記録された事項に関し修正申告等があった場合には過少申告加算税が軽減されるとされていますが、個人事業者の場合、「記載された事項に関し」とは、どのようなものが該当しますか。

【回答】 

個人事業者の場合、事業所得、不動産所得及び山林所得のように帳簿の保存義務がある所得に係る過少申告については全て過少申告加算税が軽減されますが、帳簿の保存義務がない一時所得や配当所得といった所得に係る過少申告や、所得税の所得控除(保険料控除、扶養控除等)の適用誤りに起因する過少申告については、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用はありません。

【解説】

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けられるのは、特例国税関係帳簿に記載された事項に限られるため、所得税については、帳簿の保存義務があり、かつ、当該帳簿に基づき計算される所得に係る税額に限られます。また、所得税の所得控除(保険料控除、扶養控除等)の適用誤りに起因する過少申告についても軽減措置の適用はありません。

法人税、地方法人税及び消費税(地方消費税を含みます。)の場合は、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額の計算において、一般的には全ての事項が国税関係帳簿に記録されているものに係ると考えられることから、当該基礎となるべき税額の全てについて軽減措置の適用対象となります。

問36 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、どの帳簿について要件を満たして保存する必要がありますか。

【回答】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の対象となる特例国税関係帳簿とは、所得税法施行規則第58条第1項(取引に関する帳簿及び記載事項)、法人税法施行規則第54 条(取引に関する帳簿及び記載事項)又は消費税法第30条第7項(仕入れに係る消費税額の控除)、第38条第2項(売上に係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)、第38条の2第2項(特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除)及び第58条(帳簿の備付け等)に規定する帳簿を指し、適用を受けようとする税目に係る全ての帳簿を規則第5条第5項の要件に従って保存し、かつ、あらかじめ本措置の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出する必要があります。

なお、総勘定元帳や仕訳帳以外の帳簿は納税者が行う事業の業種や規模によって異なり、保存義務者によって作成している帳簿は区々ですが、例えば、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳、経費帳等の帳簿を作成している場合には、各帳簿について規則第5条第5

項の要件に従って保存する必要があります。

問37 当社は事業部又は支店ごとに帳簿を作成していますが、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けたい場合には、その事業部又は支店の帳簿についても優良な電子帳簿の要件により保存等を行う必要がありますか。

【回答】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける場合には、事業部や支店ごとに国税関係帳簿を備え付けている場合であっても、その全ての特例国税関係帳簿について、規則第5条第5項に規定する優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行う必要があります。

【解説】法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、特例国税関係帳簿のうち、その適用を受けようとする税目ごとに保存義務者が保存等を行うべき全ての帳簿について、規則第5条第5項の要件を満たして電磁的記録による保存等を行っている必要があります。

そのため、事業部又は支店ごとに作成している国税関係帳簿であっても、特例国税関係帳簿に該当するものは全て規則第5条第5項の要件を満たして保存していなければ、過少申告加算税の軽減措置は受けられないこととなります。

なお、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用対象となる特例国税関係帳簿とは、所得税法施行規則第58条第1項(取引に関する帳簿及び記載事項)、法人税法施行規則第54条(取引に関する帳簿及び記載事項)又は消費税法第30条第7項(仕入れに係る消費税額の控除)、第38条第2項(売上に係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)、第38条の2第2項(特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控

除)及び第58条(帳簿の備付け等)に規定する帳簿を指します。

問38 当社は連結法人ですが、法人税について法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けたい場合には、どの帳簿について要件を満たして保存等を行う必要がありますか。

【回答】

連結親法人に係る特例国税関係帳簿の対象帳簿について、規則第5条第5項に規定する優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行う必要があります。

【解説】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする保存義務者が連結親法人である場合には、連結法人に記帳・保存義務が課される「法人税法施行規則第8条の3の5に規定する帳簿」は、「仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿」を意味しており、その内容は特例国税関係帳簿の対象とされている「法人税法施行規則第54条に規定する帳簿」と同様であることから、特例国税関係帳簿の対象として取り扱われます。したがって、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けるためには、その「法人税法施行規則第54条に規定する帳簿」について、優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行う必要があります。

なお、連結法人に係る消費税について優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けたい場合には、消費税は連結法人各々に納税義務が発生しますので、法人ごとに、消費税法第30条第7項(仕入れに係る消費税額の控除)、第38条第2項(売上に係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)、第38条の2第2項(特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除)及び第58条(帳簿の備付け等)に規定する帳簿について、優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行う必要があります。この場合において、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書は、法人ご

とに消費税の納税地等の所轄税務署長宛に提出する必要があります。

【特例の適用を受ける旨の届出書】

問39 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする場合には、あらかじめ届出書を提出することとなっていますが、具体的にはいつまでの期限を指すのでしょうか。

【回答】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする国税の法定申告期限までに、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書(以下「特例適用届出書」といいます。)の提出が必要となります。

【解説】

規則第5条第1項(特例国税関係帳簿の適用届出書)に規定する「あらかじめ」の適用に当たっては、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けようとする国税の法定申告期限までに提出があれば、あらかじめ提出があったものとして取り扱うこととしています(取扱通達8-4)。

  また、令和4年1月1日前において現に令和3年度の税制改正前の承認を受けている国税関係帳簿(以下「承認済国税関係帳簿」といいます。)について、当該承認済国税関係帳簿が規則第5条第1項に定める特例国税関係帳簿(所得税法上の青色申告者が保存しなければならないこととされる仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(所得税法施行規則58①)、法人税法上の青色申告法人が保存しなければならないこととされる仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(法人税法施行規則54)又は消費税法上の事業者が保存しなければならないこととされる一定の帳簿(消費税法30⑦、38②、38の2②、58))である場合には、法第8条第4項に規定する過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることが可能です。その場合においても、あらかじめ、特例適用届出書の提出が必要となりますので注意してください(令3改正法附則82⑦)。

問40 個人が年の中途に不動産所得を生ずべき業務を開始するため、新たな帳簿を備え付けることとなる場合に、当該帳簿について優良な電子帳簿の要件を全て満たして保存等を行えば、その年から過少申告加算税の軽減措置の規定の適用を受けることができますか。 また、できるとした場合に、その規定の適用を受ける旨等を記載した届出書はいつまでに提出すればよいのでしょうか。

【回答】

不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務のいずれの業務も行っていない個人が年の中途に業務を開始したことにより新たに帳簿を付けることとなり、その業務開始の日から備付けを開始する国税関係帳簿を優良な電子帳簿の要件を満たして保存等する場合には、その業務開始の年から優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることができます。

その場合には、その年分に係る所得税の法定申告期限までに規則第5条第1項に規定する法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を納税地等の所轄税務署長宛に提出する必要があります。

【解説】

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、課税期間の初日から優良な電子帳簿の要件を満たして備付けを開始する必要がありますが、例えば、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務のいずれの業務も行っていない個人が年の中途に新たに不動産所得を生ずべき業務を開始したような場合には、例外的に課税期間の中途の日が国税関係帳簿の備付け開始日となるため(取扱通達4-4)、その新たな業務を開始した日から優良な電子帳簿の備付けを開始していれば、その業務開始の年から本措置の適用を受けることができます。

なお、規則第5条第1項に規定する法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書については、その年分に係る所得税の法定申告期限までに提出していれば、あらかじめ届出書の提出があったものとして過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることが可能となります(取扱通達8-4)。

問41 法人税に係る特例国税関係帳簿を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出することができるのでしょうか。

【回答】

法人自体が、本店所在地の所轄税務署長に対して法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書(以下「特例適用届出書」といいます。)を提出する必要があります。

【解説】

法人税に係る国税関係書類については、これを事業所の所在地に保存することも認められています(法人税法施行規則59①、同67②)が、①電子帳簿保存法では、特例適用届出書の提出主体を保存義務者とし(規則5①)、また、その保存義務者を「国税に関する法律の規定により……保存をしなければならないこととされている者」と定義している(法2四)こと、一方、②法人税法では、法人税に係る国税関係帳簿書類の保存義務者を法人自体としていること(法人税法126①及び150の2①)から、各事業所の長は保存義務者には該当しません。また、特例適用届出書は、納税地等の所轄税務署長に対して提出する必要があり(規則5 ①)、この場合の「納税地等」については、「保存義務者が、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者(国税通則法第2条第5号に規定する納税者をいう。)である場合には当該国税の納税地をいい……」と定義されています(規則2二)。

したがって、法人税に係る特例国税関係帳簿を各事業所に保存することとしている場合であっても、それに係る特例適用届出書は、その法人自体が、その法人の法人税法上の納税地

(本店又は主たる事務所の所在地)の所轄税務署長に対して提出する必要があります。

なお、法第8条第4項の規定の適用を受けるためには、事業所単位で作成しているものも含めて全ての特例国税関係帳簿(法人税法施行規則第54条に規定する帳簿)を優良な電子帳簿の要件を満たして保存する必要があります。

【届出書の効力】

問42 有限会社から株式会社への組織変更を行う場合、有限会社があらかじめ提出した届出書の効力は株式会社に承継されますか。

【回答】

組織変更前の法人の届出書の効力は、組織変更後の法人にそのまま引き継がれます。

【解説】

組織変更とは、会社の組織を変更して他の種類の会社とし、しかも会社の同一性をそのまま保持させることをいいますが、形式上は、組織変更前の会社については解散の登記を、組織変更後の会社は設立の登記を行うこととなります(会社法920)。

しかし、税法上は組織変更をした場合の会社の同一性に着目し、その解散又は設立はなかったものとして取り扱うこととしており、そのため、法人税の事業年度についても、当該法人の事業年度は、その組織変更によっては区分されず継続することとされています(法人税基本通達1-2-2参照)。

問43 個人事業者がいわゆる法人成りした場合、個人事業者が提出した届出書の効力は法人に承継されますか。

【回答】

個人事業者がいわゆる法人成りした場合には、個人がそれまでに提出した届出書の効力は法人に承継されないので、改めて届出書を提出する必要があります。

【解説】

個人事業者がいわゆる法人成りした場合には、法人成りするまでの間の国税関係帳簿書類と法人設立後に新たに保存等することとなる国税関係帳簿書類は別のものですから、法人の組織変更の場合のように届出書の効力が継続することにはなりません。

したがって、法人成りした場合には、改めて法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を提出する必要があります。

【特例の適用に係る変更・取りやめ】

問44 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けることをやめようとする場合の取りやめの届出書を提出した場合、その取りやめの届出書を提出した日において保存等している電磁的記録等は、そのまま電磁的記録等により保存等することとしてもよいのでしょうか。

【回答】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を取りやめる旨等を記載した届出書(以下「特例取りやめ届出書」といいます。)を提出した場合、その特例取りやめ届出書を提出した日において保存等をしている特例国税関係帳簿に係る電磁的記録及び電子計算機出力マイクロフィルムについては、引き続き規則第2条第2項の要件を満たしていれば電磁的記録等により保存等を行って差し支えありません。

なお、規則第2条第2項の要件を満たせない場合には、その電磁的記録等を書面(紙)に出力して保存等をしなければなりません。(取扱通達4-39)。

【解説】

特例取りやめ届出書の提出があった場合、その提出があった日の属する課税期間以後の課税期間については、当該規定の適用を受ける旨の届出書の効力は失われますが、電磁的記録等による保存等自体を認めないものではありません。

したがって、引き続き規則第2条第2項に規定する優良な電子帳簿以外の電子帳簿の要件を満たして保存等している場合には、電磁的記録等として保存することが可能です。

また、規則第2条第2項の要件を満たしていれば、優良な電子帳簿の要件を満たしていないことをもって、電磁的記録による保存等に係る帳簿書類の保存義務違反による青色申告の承認の取消し等の対象にはなりません。

なお、規則第2条第2項の要件を満たせない場合や、課税期間の途中で電子計算機による作成を取りやめる場合には、新たな記録分について書面(紙)で保存等をしなければならなくなるほか、同日において保存等をしている電磁的記録のうち、保存要件を満たせなくなるものについては全て書面(紙)に出力して、保存期間が満了するまで保存等をする必要があります(【問34】参照)。

問45 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を取りやめる旨等を記載した届出書を提出しましたが、翌年以降本規定の適用を受けたい場合にはどうすればよいのでしょうか。

【回答】

改めて法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書(以下「特例適用届出書」といいます。)を提出する必要があります。

【解説】

法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を取りやめる旨等を記載した届出書(以下「特例取りやめ届出書」といいます。)の提出があった場合、その提出があった日の属する課税期間以後の課税期間については、特例適用届出書の効力は失われます。したがって、その特例取りやめ届出書を提出した日の属する課税期間の翌期以降、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、当該規定の適用を受けようとする国税の法定申告期限までに、改めて特例適用届出書を提出する必要があります。

問46 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けるため特例国税関係帳簿について優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を行っていますが、保存等のシステムに変更があった場合には、その程度のいかんを問わず、変更の届出書を提出しなければなりませんか。

【回答】法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書に記載した事項を変更する場合には、変更する旨等を記載した届出書の提出が必要となります。例えば、優良な電子帳簿の要件に係る次に掲げるような変更を行った場合が該当します。

・ 使用するシステムの全面的な変更のほか、訂正又は削除の履歴の確保、帳簿間での相互関連性の確保及び検索機能の確保に係るシステムの大幅な変更(使用していた市販ソフトの変更を含みますが、いわゆる同一ソフトのヴァージョンアップは含みません。)

問47 法人の納税地はA市にあるが実体はB市にある場合に、法人税に係る法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書をB市を所轄する税務署長を経由して提出することはできますか。

【回答】

B市を所轄する税務署長を経由して提出することはできません。

【解説】

法人税に係る法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書は、法人の実体が納税地に存するか否かにかかわらず、法人税の納税地を所轄する税務署長に提出することとなります。

規則第5条第4項において準用する規則第2条第10項の便宜提出は、一の納税者が複数の納税地等を有している場合を念頭においたものであり、一の納税者が複数の納税地を有していない場合には同項の規定の適用はありません。

問48 グループ法人である4社が、いずれも親会社が開発した電子計算機処理システムにより特例国税関係帳簿を作成している場合、子会社の法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を親会社の届出書の提出と同時に親会社の納税地の所轄税務署長を経由して提出することができますか。

【回答】

子会社の法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書を、親会社の納税地の所轄税務署長を経由して提出することはできません。

【解説】

規則第5条第4項において準用する規則第2条第10項の便宜提出は、一の納税者が複数の納税地等を有している場合を念頭においたものであり、グループ会社のように各々が独立した納税者である場合には、同項に規定する「相当の理由」には該当しないと解されます。

問49 自社で使用する帳簿ソフト等について、電子帳簿保存法の優良な電子帳簿の要件を満たしているか分からないのですが、どのようにしたらよいですか。

【回答】

まずは当該ソフトウェアの取扱説明書等で電子帳簿保存法の優良な電子帳簿の要件を満たしているか確認してください。また、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)において、市販のソフトウェア及びソフトウェアサービス(以下「ソフトウェア等」といいます。)を対象に、電子帳簿保存法における優良な電子帳簿の要件(改正前の電子帳簿保存法の保存要件に相当する要件)適合性の確認(認証)を行っており、JIIMAが確認(認証)したソフトウェア等については、そちらでも確認することができます。

【解説】

従前は、使用する帳簿ソフト等が電子帳簿保存法の要件に適合しているかについて、商品の表示等のみに頼っている状況でした。こうした状況を踏まえ、申請者の予見可能性を向上させる観点から、JIIMAがソフトウェア等の法的要件認証制度を開始しました。国税庁としてはこれを審査に活用することとし、また、旧承認制度の下で承認申請の手続負担を軽減させる観点から、JIIMAによる要件適合性の確認(「認証」)を受けたソフトウェア等を利用する場合については、承認申請書の記載事項や添付書類を一部省略することを可能としました。

令和3年度の税制改正による承認制度廃止後も、保存義務者の予見可能性を確保する観点及び優良な電子帳簿の普及拡大の観点から、認証を受けたソフトウェア等について引き続き国税庁のホームページに掲載することとしました。

  なお、電子帳簿保存法の保存等の要件には、事務手続関係書類の備付けに関する事項等、機能に関する事項以外の要件もあり、それらを含め全ての要件を満たす必要がありますので注意してください。

問 50 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会により認証されたソフトウェア等とはどのようなものでしょうか。

【回答】

公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)が電子帳簿保存法に規定する機能要件に適合するか機能の仕様について取扱説明書等で確認を行い、法的要件を満たしていると判断し認証したソフトウェア等をいいます。

また、認証を受けたソフトウェア等は、国税庁及びJIIMAのホームページに記載される認証製品一覧表に明示されるほか、当該ソフトウェア等の説明書等に認証番号などが記載されています。

認証制度開始時からの電子帳簿(法4①)及びスキャナ保存(法4③)用のソフトウェア等に係る認証制度に加えて、令和3年4月以降は、電子書類(法4②)及び電子取引(法7)に係るソフトウェア等についても認証を行っています。

なお、認証を受けたソフトウェア等は、以下に示す「認証ロゴ」を使用できることから、そのソフトウェアがJIIMAから認証されたものであるか否かについては、この認証ロゴによって判断することもできます。ただし、以下の「認証ロゴ」は令和3年6月現在で使用しているものを記載していますので、使用にあたっては説明書等で認証番号などを確認していただくようお願いします。

問51 令和4年1月1日において現に電子帳簿保存の承認を受けている国税関係帳簿について、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受けることはできますか。

【回答】

令和4年1月1日前において現に令和3年度の税制改正前の承認を受けている国税関係帳簿(以下「承認済国税関係帳簿」といいます。)について、当該承認済国税関係帳簿が規則第5条第1項に定める特例国税関係帳簿(所得税法上の青色申告者が保存しなければならないこととされる仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(所得税法施行規則58①)、法人税法上の青色申告法人が保存しなければならないこととされる仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿(法人税法施行規則54)又は消費税法上の事業者が保存しなければならないこととされる一定の帳簿(消費税法30⑦、38②、38の2②、58))である場合には、法第8条第4項に規定する過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることが可能です。その場合においても、あらかじめ、法第8条第4項の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出が必要となりま

すので注意してください(令3改正法附則82⑦)。

問52 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等の要件を適用して国税関係帳簿又は国税関係書類の保存等をすることとした場合、改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。

【回答】

令和3年度の税制改正前の承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類について、令和4年1月1日以後に令和3年度の税制改正後の要件で電磁的記録の保存等を行う場合については、原則として、当該承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書の提出が必要となりますが、以下について行っていただく場合又は法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書(「2(2)その他参考となる事項」欄))に併せて取りやめようとする承認済国税関係帳簿の種類等を記載していただく場合は、当該承認済国税関係帳簿及び承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出する必要はありません。

・ 令和3年度の税制改正後の要件で電磁的記録の保存等を開始した日(優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を開始した日を含みます。)について、管理、記録をしておくこと。

・ 税務調査があった際に、上記の管理、記録しておいた内容について答えられるようにしておくこと。

【解説】 

  令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日において現に国税関係帳簿書類に係る電磁的記録による保存等の承認を受けている国税関係帳簿書類については、なお従前の例によることとされています(令3改正法附則82①、②)。

したがって、改正後の要件により保存等を行おうとする場合、原則として、改正後の要件による備付け(書類の場合は、保存)を開始する日より前に取りやめの届出書の提出が必要となります。

しかしながら、引き続き電磁的記録の保存を行おうとする場合においては、納税者の利便性向上という本改正の趣旨も踏まえ、改正前に既に承認を受けている保存義務者に対して追加の負担を求めるものとならないよう、令和3年度の税制改正後の要件で電磁的記録の保存等を開始した日(優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けようとする場合には、優良な電子帳簿の要件を満たして保存等を開始した日を含みます。)について、後日明らかにできるような状態で適宜の方法により管理、記録をしておき、後日税務調査があった際に、令和3年度の税制改正後の要件で電磁的記録の保存等を開始した日について説明できるような状態にしておく場合には、令和3年度の税制改正前の承認に係る取りやめの届出書の提出があったものとみなし、別途、取りやめの届出書の提出は求めることとはしません。

 なお、改正前の承認については、改正前の電子帳簿書類の保存要件で電子帳簿書類の保存等を行う日の最終日まで効力を有するものとして取り扱います。

 おって、承認を取りやめた国税関係帳簿書類については、次のとおり取り扱うこととなります。

  • 国税関係帳簿書類に係る電磁的記録による保存等をやめる場合には、取りやめの届出書を提出した上、その提出した日において保存等をしている電磁的記録及び保存している電子計算機出力マイクロフィルムの内容を書面に出力して保存等をしなければならないこととなります。
  • 改正後の要件に従い国税関係帳簿書類に係る電磁的記録による保存等を行おうとする場合(旧制度から新制度への移行の場合)にも取りやめの届出書が必要となりますが、令和4年1月1日以後に備付けを開始する国税関係帳簿又は保存が行われた国税関係書類については、取りやめの届出書の提出以後、改正後の要件に従いその国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録の保存等をしなければならないこととなるため、承認を取りやめる年分を明示してその取りやめの届出書の提出をする必要があります。また、同日前に備付けを開始し、又は保存が行われた国税関係帳簿書類について改正前の要件に従いその国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の保存等をする場合には、引き続きその電磁的記録の保存等を行う年分を除外して、上記の取りやめの届出書の提出を行う必要があります。

問53 令和4年1月1日以後に備付けを開始する(保存を行う)国税関係帳簿(書類)について、令和3年度の税制改正前の承認を受けて電磁的記録による保存等を行いたいのですが、承認申請書を提出すれば可能なのでしょうか。また、可能な場合には、いつまでに承認申請書を提出する必要がありますか。

【回答】

令和4年1月1日以後備付けを開始する(保存を行う)国税関係帳簿(書類)について、税務署長の承認を受けて保存等を行いたい保存義務者は、令和3年9月30日までに納税地等の所轄税務署長宛に承認申請書を提出してください。

【解説】 

令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日以後に備付けを開始する(保存を行う)国税関係帳簿(書類)については、事前に税務署長の承認を受ける必要はなくなりました。

その一方で、令和4年1月1日において現に承認を受けている国税関係帳簿(書類)については、令和3年度の税制改正前の保存要件で保存等を行うこととされています。

その場合、令和3年12月31日までに当該国税関係帳簿(書類)について承認を受ける必要があるため、その承認申請に関する審査等の期間を確保する観点から、その承認申請書は令和3年9月30日までに納税地等の所轄税務署長宛の提出をお願いしています。これは、改正前の承認申請書の提出期限が備付けの開始日等の3月前とされていることを踏まえた取扱いです。

なお、令和4年1月1日において現に承認を受けている国税関係帳簿書類については、令和4年1月1日以後も引き続き改正前の要件で保存等を行う必要がありますので注意してください(令3改正法附則82①、②)。

【スキャナ保存関係】

問1 スキャナ保存制度はどのような内容となっていますか。

【回答】

スキャナ保存制度は、取引の相手先から受け取った請求書等及び自己が作成したこれらの写し等の国税関係書類(決算関係書類を除きます。)について、一定の要件の下で、書面による保存に代えて、スキャン文書による保存が認められる制度です(法4③)。

【解説】

電子帳簿保存法は、納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図るために、その電磁的記録等による保存等を容認しようとするものですが、納税者における国税関係帳簿書類の保存という行為が申告納税制度の基礎をなすものであることに鑑み、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形で、電磁的記録等の保存等を行うことが条件とされています。

スキャン文書による保存については、平成17年度に創設されて以降、次のような改正がされています。

  • 平成17年度(創設)

平成17年度の税制改正により、電子署名、タイムスタンプによりスキャン文書の変更等の検知が可能となったこと及びヴァージョン管理によるスキャン文書の変更履歴を保持することが可能になったことなどから、スキャン文書による保存を認めることとなりました(契約書等については、記載された契約金額又は受取金額が3万円未満のものについて認めることとなりました。)。

  • 平成27年度(一部改正)

平成27年度の税制改正により、平成27年9月30日以後に行う承認申請から、次のような改正がされました。

  • 契約書等に係る金額基準(3万円未満)を廃止し、適正な事務処理を担保する規程の整備等が要件とされたこと。
    • 契約書等について、業務サイクル後速やかに入力を行っている場合の関連する国税関係帳簿の電子保存の承認要件が廃止されたこと。
    • 入力者等の電子署名を不要とし、タイムスタンプを付すとともに、入力者等情報の確認が要件とされたこと。
    • 一般書類(旧規則第3条第6項に規定する国税庁長官が定める書類)については、その書類の大きさに関する情報の保存が不要とされ、カラーではなくグレースケールでの保存でも要件を満たすこととされたこと。
  • 平成28年度(一部改正)

平成28年度の税制改正により、平成28年9月30日以後に行う承認申請から、次のような改正がされました。

  • 国税関係書類の受領者等(旧規則第3条第5項第2号ロに規定する国税関係書類を作成又は受領する者をいいます。以下同様となります。)が読み取る場合、次に掲げる事項が要件とされたこと。
    • 国税関係書類の作成又は受領(以下「受領等」といいます。)後、受領者等が署名を行った上で、特に速やか(3日以内)にタイムスタンプを付す。
    • A4以下の大きさの国税関係書類については、大きさに関する情報の保存を要しない。
    • 相互けんせい要件について、受領者等以外の者が記録事項の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含みます。)を行うこととすることで足りる。
    • 小規模企業者(中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者をいいます。以下同様となります。)である場合、いわゆる「適正事務処理要件」について、税務代理人が定期的な検査を行うことによって、相互けんせい要件が不要とされたこと。
    • スキャナについて、原稿台と一体型に限るとする要件が廃止されたこと。
  • 令和元年度(一部改正)    令和元年度の税制改正により、承認を受ける前に作成又は受領した重要書類についても、令和元年9月30日以降に適用届出書を提出し、一定の要件を満たすことで、スキャナ保存することが可能となりました。
  • 令和3年度(一部改正)

   令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については承認制度が廃止されたほか、次のような改正がされました。

  • タイムスタンプ要件について、付与期間が記録事項の入力期間(最長約2月以内)と同様とされるとともに、受領者等がスキャナで読み取る際に行う国税関係書類への自署が不要とされたほか、電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含みます。)において、その電磁的記録を保存することにより、その入力期間内に記録事項を入力したことを確認することができる場合にはその確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができることとされたこと。  
    • 適正事務処理要件(相互けんせい、定期的な検査及び再発防止策の社内規程整備等をいいます。)が廃止されたこと。
    • 検索機能の確保の要件について、検索項目が取引等の年月日、取引金額及び取引先に限定されるとともに、保存義務者が税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合にあっては、範囲を指定して条件を設定できる機能及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能の確保が不要とされたこと。

問2 どのような書類がスキャナ保存の対象となりますか。

【回答】

国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類(国税関係書類)のうち、規則第2条第4項に規定する書類を除く全ての書類が対象となります。

なお、スキャナ保存により電磁的記録の保存をもって国税関係書類の保存に代える日前に作成又は受領した重要書類については、所轄税務署長等に適用届出書を提出したときは、一定の要件の下、スキャナ保存をすることができます。

【解説】

スキャナ保存の対象は、規則第2条第4項に規定する書類以外の国税関係書類とされています。

規則第2条第4項に規定する書類とは、具体的には棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの計算、整理又は決算関係書類であり、これ以外の国税関係書類がスキャナ保存の対象となります。

なお、売上伝票などの伝票類は、所得税法施行規則第63条第1項及び法人税法施行規則第 59条第1項等に規定する保存すべき書類には当たらないことから、法第2条第2号(定義)に規定する国税関係書類に該当しないので、スキャナ保存の適用はありません。

また、スキャナ保存により電磁的記録の保存をもって国税関係書類の保存に代える日前に作成又は受領した国税関係書類についても、適用届出書の提出等一定の要件の下、スキャナ保存することが可能です。

さらに、スキャナ保存に関しては平成17年国税庁告示第4号がありますが、この告示はスキャナ保存できる書類を定めたものではなく、スキャナ保存できる書類のうち、規則第2条第7項の規定により、次の要件を不要としてスキャナ保存が可能となる書類を定めたものです。

・ 入力期間の要件、電子計算機処理システムの要件の一部(赤・緑・青それぞれ256階調(1677万色)以上で読み取れるスキャナ)、大きさ情報の保存の要件、適正事務処理要件及びカラーディスプレイ・カラープリンタの備付けの要件

具体的には、この告示の各号に掲げている国税関係書類については、これらの要件が必要となり、各号に掲げている書類以外の国税関係書類については、これらの要件がなくてもスキャナ保存が可能となります。

国税関係帳簿書類のスキャナ保存の区分

(注) 重要度が低以外のものがいわゆる重要書類(法第4条第3項に規定する国税関係書類のうち、規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類以外の書類)、重要度が低のものが一般書類(規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類)です。

問3 スキャナ保存を適用している場合、国税関係書類の書面(紙)は、スキャナで読み取った後、即時に廃棄しても問題ないでしょうか。

【回答】

令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、以下(※)の場合を除いて、スキャナで読み取り、最低限の同等確認(電磁的記録の記録事項と書面の記載事項とを比較し、同等であることを確認(折れ曲がり等がないかも含む)することをいいます。以下同じです。)を行った後であれば、即時に廃棄して差し支えありません。

(※) 電磁的記録と合わせて国税関係書類の書面(紙)を保存する必要がある場合

・ 入力期間を経過した場合(【問35】のようなケースを除く)

・ 備え付けられているプリンタの最大出力より大きい書類を読み取った場合

【解説】

令和3年度の税制改正において、適正事務処理要件(旧規則第3条第5項第4号。紙段階での改ざん等を防止するための仕組み)の規定が廃止され、令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、定期的な検査を行う必要がなくなりました。そのため、スキャナで読み取り、折れ曲がり等がないか等の同等確認を行った後であれば、国税関係書類の書面(紙)は即時に廃棄することとして差し支えありません。

問4 スキャン文書の保存により消費税の仕入税額控除は認められますか。

【回答】

認められます。

【解説】

スキャナ保存は法第4条第3項において「国税関係書類に記載されている事項を……電磁的記録に記録する場合には」とされており、その「国税関係書類」とは「国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類」をいうものとされています(法2二)。

消費税の仕入税額控除については、その適用を受けようとする事業者は、消費税法施行令第50条第1項により「請求書等を整理し……保存しなければならない」こととされていることから、当該請求書等は「国税関係書類」に該当し、法第4条第3項によるスキャナ保存をすることができます。

したがって、消費税の仕入税額控除の適用に当たり、法第4条第3項前段のスキャナ保存の要件を満たし国税関係書類に係る電磁的記録を保存している場合には、その基となった書面(紙)を保存していない場合であっても消費税法第30条第7項に規定する請求書等が保存されていることとなります。

問5 「スキャナ」とは、どのようなものをいうのでしょうか。

【回答】

「スキャナ」とは、書面(紙)の国税関係書類を電磁的記録に変換する入力装置をいい、いわゆる「スキャナ」や「複合機」として販売されている機器が該当することになります。

また、例えば、スマートフォンやデジタルカメラ等についても、上記の入力装置に該当すれば、「スキャナ」に含まれることになります(取扱通達4-16)。

【解説】

スキャナ保存制度の創設当時は、社内において経理担当者等が経理処理の際に領収書等の書面を確認した上でスキャナによる読み取りを行うことを念頭においた仕組みとされていたことから、スキャナについて「原稿台と一体となったものに限る。」ことが要件とされていましたが、平成28年度の税制改正において、スマートフォン等を使用して社外において経理処理前に国税関係書類の読み取りを行い、そのデータによる経理処理が行えるよう、この「原稿台と一体となったものに限る。」とする要件が廃止され、用いることができる機器の選択肢が広くなりました。

なお、規則第2条第5項に規定するスキャナについては、次の要件を満たす必要があることに留意してください。

  • スキャニング時の解像度である25.4ミリメートル当たり200ドット以上で読み取るものであること。
  • 赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ256階調以上で読み取るものであること(一般書類(規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類)をスキャナ保存する場合、白色から黒色までの階調が256階調以上で読み取るものであること。)。

問6 利用機器が私物であることについて、制約はありますか。

【回答】

私物か否かについて、法令上の制約はありません。

【解説】

私物か否かについて、法令上の制約はありませんが、私物か否かにかかわらず、保存場所において当該機器に係る操作マニュアルなどの備付けが必要となります(規則2条第6項第7号において準用する規則第2条第2項第1号ハ)。

なお、操作マニュアルの備付けについては、【問19】を参照してください。

問7 受領者等以外の者がスマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行うことは可能でしょうか。

【回答】

可能です。

【解説】

この場合、国税関係書類の受領者等が読み取る場合に該当しないため、当該国税関係書類がA4以下の大きさであったとしても、大きさに関する情報の保存が必要になります。

なお、一般的には、スマートフォンやデジタルカメラ等においては、読み取りの際に、大きさに関する情報の取得等が困難となっています。このため、受領者等以外の者がスマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取る場合には、大きさに関する情報を保存するために、国税関係書類の横にメジャーなどを置いて合わせて撮影する、画像ファイル作成後に大きさに関する情報を手入力するなどの対応が必要となります。

なお、規則第2条第6項第2号に規定する「受領」については、特段の定めがないことから、対面で国税関係書類の授受が行われる場合は、外部の者から国税関係書類を受け取ることを意味し、同号ハに規定する「受領をする者」については、具体的に国税関係書類を受け取った者をいうことになります。

問8 従業員が立て替えた交際費等の領収書について、所要の事項を整理した精算書とともに提出させて、帳簿代用書類として使用していますが、このような帳簿代用書類は、スキャナ保存の対象とすることができますか。また、一般書類として適時入力方式の対象となりますか。

【回答】

スキャナ保存の対象とすることができますが、一般書類から除かれているため適時入力方式の対象とはなりません。

【解説】

  • 法人税法施行規則第59条第4項等に規定する「帳簿代用書類」は、同条第1項第3号等の規定により保存しなければならないこととされている書類であることから、電子帳簿保存法では国税関係帳簿ではなく国税関係書類に該当することとなります(法2二)。

  このため、スキャナ保存(法4③)の対象とすることができます。

  • 「帳簿代用書類」は、規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類(一般書類)から除かれている(平成17年国税庁告示第4号)ことから、規則第2条第6項第1号に規

定する速やかな入力などが必要となります(具体的な要件は、【問10】をご覧ください。)。

問9 スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を左面と右面に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。

【回答】

ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式かつ原稿と同程度に明瞭な状態で、速やかに出力することができれば、左面と右面に分けるなど複数回に分けてスキャナで読み取ることでも差し支えありません。

【解説】

電子帳簿保存法では、国税関係書類を読み取るに当たっての要件として200dpi以上、赤・緑・青それぞれ256階調以上及び書類の大きさに関する情報を保存することを規定していますが(※)、その他は特に規定していませんので、1頁の書類が2頁にまたがるなど、分割して出力されることなく原稿と同程度の出力ができるのであれば、読み取りの方法については問わないこととされています。

なお、本来はディスプレイに出力する際にファイル等が分割されることなく整然とした形式で出力することが必要であり、また、仮にA3の書類であれば当然にA3が出力できるプリンタ及びA3サイズの用紙を備え付けるべきですが、備え付けられているプリンタの最大出力サイズより大きい書類を受領し、スキャナ保存を行う場合は、スキャン文書と元の書類の両方の保存が必要となります。

※ 規則第2条第7項に規定する国税関係書類の場合は、書類の大きさに関する情報を保存する要件はなく、いわゆるグレースケールで保存することも可能です。また、国税関係書類の受領者等が読み取る場合で、当該書類の大きさがA4以下であるときは、書類の大きさに関する情報を保存する要件はありません。

(注) 備え付けられているスキャナがA3サイズに対応していないからといって、国税関係書類を複写機などで縮小コピーしたものを読み取ることは、法第4条第3項前段に規定

する国税関係書類に記載されている事項をスキャナで読み取ることには当たりません。

問10 スキャナ保存を行おうと考えていますが、どのような要件を満たさなければならないのでしょうか。

【回答】 

国税関係書類のスキャナ保存に当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります(規則2)。

詳しくは次の表をご覧ください。

                              要      件 重 要書 類 (注1) 一 般書 類 (注2) 過 去 分重要書類 (注3)
入力期間の制限(書類の受領等後又は業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに入力)(規2 ⑥一イ、ロ)    
一定水準以上の解像度(200dpi以上)による読み取り (規2⑥二イ)
カラー画像による読み取り(赤・緑・青それぞれ256 階調(約1677万色)以上)(規2⑥二イ) ※1
タイムスタンプの付与(規2⑥二ロ) ○※2 ○※3 ○※3
解像度及び階調情報の保存(規2⑥二ハ)
大きさ情報の保存(規2⑥二ハ)   ○※4 
ヴァージョン管理(訂正又は削除の事実及び内容の確認等)(規2⑥二ニ)
入力者等情報の確認(規2⑥三)  
スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持(規2⑥ 四)
見読可能装置(14インチ以上のカラーディスプレイ、 4ポイント文字の認識等)の備付け(規2⑥五) ※1
整然・明瞭出力(規2⑥五イ~ニ)
電子計算機処理システムの開発関係書類等の備付け (規2⑥七、同2②一)
検索機能の確保(規2⑥六)
その他   ※5、※6

(注)1 決算関係書類以外の国税関係書類(一般書類を除く)をいう。

  • 資金や物の流れに直結・連動しない書類として規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定めるものをいう。
  • スキャナ保存制度により国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えている保存義務者であって、その当該国税関係書類の保存に代える日前に作成又は受領した重要書類をいう。
  • ※1 一般書類の場合、カラー画像ではなくグレースケールでの保存可。

※2 入力事項を規則第2条第6項第1号イ又はロに掲げる方法により当該国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合には、その確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができる。

※3 当該国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合には、タイムスタンプの付与に代えることができる。

※4 受領者等が読み取る場合、A4以下の書類の大きさに関する情報は保存不要。

※5 過去分重要書類については当該電磁的記録の保存に併せて、当該電磁的記録の作成及び保存に関する事務の手続を明らかにした書類(当該事務の責任者が定められているものに限られます。)の備付けが必要。

     ※6 過去分重要書類については所轄税務署長等宛に適用届出書の提出が必要。                                                      

問11 「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第5項第1号イ⑵にそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。

【回答】

規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取るまで又は受領等からタイムスタンプを付すことができるようになるまでの通常の業務サイクルの期間をいい、規則第5条第5項第1号イ⑵に規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、事務処理後データの入出力を行うまでの通常の業務サイクルの期間をいいます。

【解説】

規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロ並びに第5条第5項第1号イ⑵では、いずれも「その業務の処理に係る通常の期間」と規定しています。それは、企業等においてはデータ入力又は書類の処理などの業務を一定の業務サイクル(週次及び月次等)で行うことが通例であり、また、その場合には適正な入力又は処理を担保するために、その業務サイクルを事務の処理に関する規程等で定めることが通例であるという共通した考え方によるものですが、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロは国税関係書類に係る記録事項を入力する場合であり、第5条第5項第1号イ⑵は国税関係帳簿に係る記録事項を入力する場合であることから、「その業務」の内容が異なり、それぞれが次の≪その業務とその期間≫のとおり差があります。

しかしながら、その業務の内容の差に着目した期間の差を設けることは、経理処理の実情と合わなくなることも考えられるため、規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロの事務処理期間については、最長2か月の業務サイクルであれば通常の期間として取り扱われることから(取扱通達4-18)、第5条第5項第1号イ⑵の事務処理終了後の入力までの期間についても同様に、最長2か月の業務サイクルであれば、通常の期間として取り扱われます。

≪その業務とその期間≫

  • 規則第2条第6項第1号ロ及び第2号ロの場合

その業務とは、企業等における書類の事務処理と考えられることから、その期間については、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取るまで又は受領等からタイムスタンプを付すことができるようになるまでの業務サイクルの期間をいいます。

  • 規則第5条第5項第1号イ⑵の場合

その業務とは、帳簿の元となるデータの入出力を含むことと考えられることから、その期間については、事務処理終了後データの入出力を行うまでの業務サイクルの期間をいいます。

問12 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。

【回答】

ディスプレイやプリンタ等の性能や設置台数等は、要件とされていません。

【解説】

電磁的記録は、その特性として、肉眼で見るためにはディスプレイ等に出力する必要がありますが、これらの装置の性能や設置台数等については、①税務調査の際には、保存義務者が日常業務に使用しているものを使用することとなること、②日常業務用である限り一応の性能及び事業の規模に応じた設置台数等が確保されていると考えられることなどから、法令上特に要件とはされていません。

ただし、規則第2条第6項第5号では、ディスプレイ等の備付けとともに、「速やかに出力することができる」ことも要件とされています。このため、日常業務においてディスプレイ等を常時使用しているような場合には、税務調査では帳簿書類を確認する場面が多いことから、税務調査にディスプレイ等を優先的に使用することができるよう、事前に日常業務との調整などを行っておく必要があると考えます。

問13 電磁的記録の書面への出力に当たっては、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。

【回答】

規則第2条第6項第5号において、電磁的記録の画面及び書面への出力機能として「整然とした形式であること」、「当該国税関係書類と同程度に明瞭であること」と規定されていますが、これはディスプレイに出力する際にファイル等が分割されることなく整然とした形式で出力することができ(【問9】参照)、保存されている電磁的記録の情報が適切に再現されるよう読み取った書類と同程度に明瞭であること(【問37】参照)などが必要となります。

そのため、そのような状態で、速やかに出力できれば、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても認められます。

【解説】

  電磁的記録の書面への出力に当たっては、「整然とした形式であること」、「当該国税関係書類と同程度に明瞭であること」などが必要となりますが、その形式については定めがないため、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても要件を満たせば認められます。

なお、ディスプレイへの画面表示では、一の記録事項を横スクロールによって表示するような表示形式も認められるものの、当該画面のハードコピーにより書面に出力する場合で、一の記録事項が複数枚の書面に分割して出力されるような出力形式は、一覧的に確認することが困難となることから、整然とした形式に該当しないこととなります。

(注) 出力プログラムを使用した出力においても、上記のように複数の書面に分割した形で出力される形式である場合には認められないこととなります。

問14 電磁的記録を外部記憶媒体へ保存する場合の要件はどういうものがありますか。

【回答】

記憶媒体の種類にかかわらず保存要件は同じであり、外部記憶媒体に限った要件はありません。

【解説】

電子帳簿保存法では、記憶媒体や保存すべき電磁的記録を限定する規定はないことから、国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の媒体については保存義務者が任意に選択することができることとなります(取扱通達4-1)。

また、保存要件に関しても記憶媒体ごとに規定されていないことから、いずれの記憶媒体であっても同一の要件が適用されることとなります。

なお、実際のデータの保存に際しては、サーバ等で保存していた電磁的記録と外部記憶媒体に保存している電磁的記録は当然に同一のものでなければなりません。このため、必要に応じて電磁的記録の保存に関する責任者を定めるとともに、管理規則を作成し、これを備え付けるなど、管理・保管に万全を期すことが望ましいと考えられます。

問15 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。

【回答】

現在使用しているシステムにより検索できなくても差し支えありません。

【解説】

規則第2条第6項第6号に規定する検索機能については、特に電子計算機についての定めはなく、また、同項第5号に規定する出力機能についても「当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機」を備え付ければよいこととされていることから、これらの規定を満たすことができる電子計算機であれば、現在の業務において使用している電子計算機でなくても差し支えないこととなります。例えば、システム変更等をした場合に、変更前のデータについては、変更前のシステムにおいて検索機能を確保している場合などがこれに該当します。

なお、このような場合には、検索に使用する電磁的記録がスキャナ保存をしている電磁的記録と同一のものであることを確認できるようにしておく必要があります。

問16 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。

【回答】

保存されている電磁的記録は、原則として一課税期間を通じて検索をすることができる必要があります。

【解説】

検索機能のうち、「その範囲を指定して条件を設定することができる」とは、課税期間ごとに日付又は金額の任意の範囲を指定して条件設定を行い検索ができることをいうとされており(取扱通達4-10)、原則として、一課税期間ごとに検索をすることができる必要があります。

しかしながら、データ量が膨大であるなどの理由で複数の保存媒体で保存せざるを得ない場合や、例えば、中間決算を組んでおり半期ごとに帳簿を作成している場合など、一課税期間を通じて検索をすることが困難であることについて合理的な理由があるときには、その合理的な期間ごとに範囲を指定して検索をすることができれば差し支えありません。

  なお、税務職員による質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、この範囲を指定して条件を設定できる機能(及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能)の確保は不要となります。

問17 検索結果後の抽出されたデータを、ディスプレイの画面及び書面に速やかに出力することができれば、検索には多少の時間を要しても構いませんか。

【回答】

検索開始から終了までも速やかにできる必要があると考えられます。

【解説】

「速やかに出力する」とは、具体的には、閲覧対象データを出力するために行った電子計算機の操作の開始時点から出力時点までを速やかにできることを意味していると考えられます。

この場合、その閲覧対象データを出力するに当たり、データの抽出作業が伴うときには、まず始めに検索を行い、その結果抽出されたデータを画面及び書面に出力することから、当然にその検索を開始した時から、該当する書類が画面及び書面に出力されるまでを速やかにできなければならないと考えられます。

したがって、「速やかに出力する」とは、抽出されたデータについて速やかに出力することができるだけでなく、検索についても速やかにできることが必要であると考えられます。

なお、条件に該当する記録事項の全てが、ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で出力される場合のほか、視認性の観点から、重複する項目等について画面及び書面への表示を省略しているときについても、記録事項をデータとして保持しているときは、「電磁的記録の記録事項を検索することができる機能」を有していると考えられます。

問18 バックアップデータの保存は要件となっていますか。

【回答】

バックアップデータの保存は要件となっていません。

【解説】

バックアップデータの保存については法令上の要件とはなっていませんが、電磁的記録は、記録の大量消滅に対する危険性が高く、経年変化等による記録状態の劣化等が生じるおそれがあることからすれば、保存期間中の可視性の確保という観点から、バックアップデータを保存することが望まれます。

また、必要に応じて電磁的記録の保存に関する責任者を定めるとともに、管理規則を作成し、これを備え付けるなど、管理・保管に万全を期すことが望ましいと考えられます。

問19 いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能に操作説明書と同等の内容が組み込まれている場合、操作説明書が備え付けられているものと考えてもよいでしょうか。

【回答】

規則第2条第2項第1号のシステム関係書類等については、書面以外の方法により備え付けることもできることとしています(取扱通達4-6本文なお書)ので、いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能に操作説明書と同等の内容が組み込まれている場合には、それが整然とした形式及び明瞭な状態で画面及び書面に、速やかに出力することができるも

のであれば、操作説明書が備え付けられているものとして取り扱って差し支えありません。

問20 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。

【回答】

規則第2条第6項第5号に規定する保存をする場所(以下「保存場所」といいます。)に備え付けられている電子計算機とサーバとが通信回線で接続されているなどにより、保存場所において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、規則第2条第6項第5号イからニまでに規定する状態で速やかに出力することができるときは、クラウドサービスを利用する場合や、サーバを海外に置いている場合であっても、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。

【解説】

近年、コンピュータのネットワーク化が進展する中、通信回線のデータ送信の高速化も進み、コンピュータ間でデータの送受信が瞬時にできる状況となっていますが、電子帳簿保存法の趣旨(法第1条)を踏まえ、保存場所に備え付けられている電子計算機と国税関係帳簿書類の作成に使用する電子計算機とが通信回線で接続されていることなどにより、保存場所において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、それぞれの要件に従って、速やかに出力することができるときは、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます(取扱通達4-7注書き)。

そして、現在、企業が会計処理をはじめとする業務処理を外部委託する場合には、受託企業の大半が国内外の複数の場所にあるコンピュータをネットワーク化してデータ処理し、国内外のサーバにデータを保存している状況となっていますが、前述の点を踏まえれば、仮に電磁的記録が海外にあるサーバに保存されている場合(保存要件を満たしている場合に限ります。)であっても、納税地にある電子計算機において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、かつ、スキャン文書の場合は、さらに、拡大又は縮小及び4ポイントの文字が認識することができる状態で速やかに出力することができる等、紙ベースの帳簿書類が納税地に保存されているのと同様の状態にあれば、納税地に保存等がされているものとして取り扱われます。

なお、バックアップデータの保存については、法令上の要件とはなっていませんが、通信回線のトラブル等による出力障害を回避するという観点からバックアップデータを保存することが望まれます。

【入力方式】

問21 「国税関係書類に係る記録事項の入力」を入力期間内に行うこととされていますが、入力期間内に単なるスキャニング作業を終えていればよいのでしょうか。

【回答】

単にスキャニング作業を終えていればよいのではなく、入力期間内に、スキャニングした国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された状態又はその後の当該電磁的記録の記録事項に係る訂正又は削除の履歴等を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含みます。)に格納した状態にしなければなりません。

【解説】

規則第2条第6項第1号では、国税関係書類に係る記録事項の入力を一定期間内に行うこととされています。これは、国税関係書類の受領等後できるだけ早く電磁的記録にすることによって紙の段階における改ざんの可能性を低くし、タイムスタンプを付した電磁的記録については、電磁的記録における改ざんを防ぐことができるため、当該国税関係書類に係る電磁的記録の真実性を確保する目的から設けられているものです。

したがって、このような趣旨から入力期間内に、単にスキャニング作業が終えていればよいのではなく、電磁的記録の真実性を確保するための同項第2号に規定するタイムスタンプを付し、その後の当該電磁的記録の訂正又は削除の履歴が確保された状態にする必要があります。また、令和3年度の税制改正により、電磁的記録の記録事項に係る訂正又は削除の履歴等を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含みます。)に入力期間内に電磁的記録を保存したことが確認できる場合については、その確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができることとされましたが、この入力期間内に保存したことが確認できる場合とは、例えば、他者が提供するクラウドサーバ(同号ニに掲げる電子計算機処理システムの要件を満たすものに限ります。)により保存を行い、当該クラウドサーバがNTP(Network Time Protocol)サーバと同期するなどにより、その国税関係書類に係る記録事項の入力がその作成又は受領後、速やかに行われたこと(その国税関係書類の作成又は受領から当該入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合にあってはその国税関係書類に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行われたこと)の確認ができるようにその保存日時の証明が客観的に担保されている場合が該当します(取扱通達4-28)。

(注) 入力者等の情報の確認、帳簿との相互関連性の確保及び検索機能の確保は当該電磁的記録の入力に含まれないことから、原則として当該電磁的記録を保存するまでに確保しなければなりませんが、国税関係書類の保存時点で帳簿が作成されていない場合には、決算終了後遅滞なくこれらの要件を満たしていれば認められます。

問22 「速やかに」入力する場合で、やむを得ない事由によりおおむね7営業日以内に入力できない場合は要件違反となるのでしょうか。

【回答】

おおむね7営業日以内に入力できない特別な事由がある場合に、そのおおむね7営業日以内に入力することができない事由が解消した後直ちに入力したときには、速やかに入力したものとして取り扱われます。

【解説】

本来国税関係書類の入力は、紙段階の改ざんの可能性を低くする観点からは、国税関係書類の受領等後直ちに行うことが望まれますが、休日等をまたいで入力する場合があることも勘案し、7営業日を基本とすることが合理的と考えられます。

さらに、業種業態によっては必ずしも7営業日以内に入力することができない場合(例えば、毎日事務所へ出勤しない勤務形態の社員が受領した書類の入力等)も考えられ、それらを一律に排除することは経済実態上合理的ではないことから、おおむね7営業日以内に入力すれば速やかに入力しているものとして取り扱うこととされています。

また、おおむね7営業日で入力できないような特別な事由が存在する場合には、その事由が解消した後直ちに入力することによって、規則第2条第6項第1号イに規定する速やかに入力する目的は達せられると考えられます。

なお、規則第2条第8項の規定により、災害その他やむを得ない事情が生じ、保存要件を満たせなかったことを証明した場合には、保存要件を満たしていなくても電磁的記録の保存を行うことができることとされています。

おって、機器のメンテナンスを怠ったことにより、スキャナ機器の故障が生じた場合など明らかに保存義務者の責めに帰すべき事由が存在するときには、これらの取扱いはないこととなります。

問23 「業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行う」とは何日以内に入力すればよいのでしょうか。

【回答】

最長では、国税関係書類の受領等から2か月とおおむね7営業日以内に入力すればよいこととなります。

【解説】

「その業務の処理に係る通常の期間」とはそれぞれの企業において採用している業務処理サイクルの期間をいい、また、おおむね7営業日以内に入力している場合には「速やかに」行っているものと取り扱う(取扱通達4-17)ことから、仮に2週間を業務処理サイクルとしている企業であれば2週間とおおむね7営業日以内、20日を業務処理サイクルとしている企業であれば20日とおおむね7営業日以内に入力すればよいこととなります。

なお、最長2か月の業務処理サイクルであれば「その業務の処理に係る通常の期間」として取り扱う(取扱通達4-18)ことから、規則第2条第6項第1号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと」については、国税関係書類の受領等から最長2か月とおおむね7営業日以内に入力すればよいこととなります。

また、この場合、最長2か月とは暦の上での2か月をいうことから、例えば4月21日に受領した書類の場合、業務処理サイクルの最長2か月は6月20日であり、そのおおむね7営業日後までに入力すればよいこととなります。

問24 入力期間を誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。

【回答】

入力期間を経過した国税関係書類についてもその他の保存要件に沿って入力するとともに、当該国税関係書類を紙のまま保存することとなります。

【解説】

誤って入力期間を経過した場合には、入力期間の制限というスキャナ保存における要件を満たしていない電磁的記録となることから、それをもって当該国税関係書類の保存に代えることはできず、元の書類は紙のまま保存することとなります。

問25 重要書類について速やかに入力又は業務サイクル後速やかに入力などの入力方式を、課税期間の中途で変更することは認められるのでしょうか。

【回答】

入力方式ごとの要件を満たしていれば認められます。

【解説】

入力方式については、「速やかに入力」(規則2⑥一イ)と「業務サイクル後速やかに入力」(規則2⑥一ロ)の方式がありますが、それぞれに規定する要件を満たしてスキャナで読み取ることにより、どちらの方式を採用してもよく、また、課税期間の中途で変更することも納税者の選択により行うことができます。

【解像度】

問26 スマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行った場合、解像度について、規則第2条第6項第2号イ⑴に規定する「スキャニング時の解像度である25.4ミリメートル当たり200ドット以上」の要件を満たしていることをどのように判断するのでしょうか。

【回答】

読み取った書類の大きさと画素数を基に判断することとなります。

【解説】

A4サイズの大きさの書類を例にとると、A4サイズの紙の大きさは、縦297㎜、横210㎜ であり、1インチは25.4㎜です。

このA4サイズの紙の大きさは、インチ換算すると、縦約11.69インチ、横約8.27インチになります。

これを画素に換算すると、縦11.69インチ×200ドット=2,338画素、横8.27インチ×200ドット=1,654画素、そして、総画素を算出すると2,338画素×1,654画素=3,867,052画素になります。

したがって、A4サイズの紙が規則第2条第6項第2号イ⑴に規定する解像度の要件を満たすためには、約387万画素以上が必要となり(A4サイズを画面最大で保存する際に必要な画素数です。)、このように、読み取った書類の大きさと画素数を基に解像度の要件が満たされていることを判断することとなります。

また、機器によっては、A4サイズと縦横比が異なっている場合もあることから、そのような場合には、縦2,338画素、横1,654画素をそれぞれ満たしている必要があります。

なお、スマートフォンやデジタルカメラ等で読み取りを行った場合、画像の解像度が72dpi と表示される場合がありますが、これは、デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格(一般社団法人カメラ映像機器工業会・社団法人電子情報技術産業協会策定)において、「画像の解像度が不明のときには72dpiを記録しなければならない。」とされていることにより表示されるものであり、必ずしも画像の解像度を取得できているわけではありません。このため、スマートフォンやデジタルカメラ等で読み取りを行った場合に、解像度を保存することが困難な場合には、書類の大きさに関わらず、画素数を保存する必要があります。

おって、階調に関する情報の保存については、例えば、赤・緑・青、各256階調の場合、Exif の「Bits Per Sample」のタグに「8 8 8」が格納され、ファイルのプロパティに「24ビット」と表示されるなど、その階調が分かる情報が保存されればよいことになります。

【タイムスタンプ】

問27 一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプとはどのようなものでしょうか。

【回答】

タイムビジネスの信頼性向上を目的として、一般財団法人日本データ通信協会が定める基準を満たすものとして認定された時刻認証業務によって付与され、その有効性が証明されるものです。

また、認定を受けたタイムスタンプ事業者には、「タイムビジネス信頼・安心認定証」が交付され、以下に示す「タイムビジネス信頼・安心認定マーク」を使用できることから、その事業者の時刻認証業務が一般財団法人日本データ通信協会から認定されたものであるか否かについては、この認定マークによって判断することもできます。

認定マークを使用できる場所

・ホームページ、名刺、説明書、宣伝広告用資料、取引書類 等

※ 認証番号等とは、一般財団法人日本データ通信協会から発行される認定番号に続けて、認定回数を括弧内に記載しているものです。

(注) 使用するタイムスタンプは、規則第2条第6項第2号ロに規定する以下の要件を満たすものに限ります。

  • 当該記録事項が変更されていないことについて、当該国税関係書類の保存期間を通じ、当該業務を行う者に対して確認する方法その他の方法により確認することができること。
  • 課税期間中の任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること。

問28 タイムスタンプは、「一の入力単位ごと」に付すこととされていますが、このタイムスタンプが一の入力単位ごとに検証できるものである場合には、書類種別や部署ごとの電磁的記録の記録事項にまとめて付してもよいのでしょうか。

【回答】

まとめてタイムスタンプを付しても差し支えありません。

【解説】

規則第2条第6項第2号ロ(タイムスタンプ)の規定によれば、「一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に、一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ……を付すこと」とされています。

このタイムスタンプを付す方法については、①一の入力単位である単ファイルごとにタイムスタンプを付す方法及び②複数ファイルにまとめてタイムスタンプを付す方法が考えられます。上記②の方法の改ざんの検証については、通常、複数ファイルのうち1つの単ファイルが改ざんされた場合には、その複数ファイルのうち改ざんされた単ファイルのみを検証することができないため、その複数ファイルの全体について、変更されていないことの確認ができなくなります。

しかしながら、上記②の方法の改ざんの検証については、単ファイルのハッシュ値を束ねて階層化した上でまとめてタイムスタンプを付す技術を使用する方法によりタイムスタンプを付した場合には、改ざんされた単ファイルのみを検証することができ、また、このような方法であれば、一の入力単位である単ファイルごとにその単ファイルのハッシュ値を通じてタイムスタンプを付している状態となり、実質的には「一の入力単位ごと」にタイムスタンプを付しているものと解することができます。

したがって、この方法であれば、まとめてタイムスタンプを付しても差し支えありません。

問29 受領の日からその業務の処理に係る通常の期間を経過した後おおむね7営業日以内にタイムスタンプを付しましたが、その後、経理担当者が電磁的記録の記録事項の確認を行ったところ、折れ曲がりなどのスキャンミスが判明し、再度読み取りを行うことが必要となりました。既に領収書の受領の日からその業務の処理に係る通常の期間を経過した後おおむね7営業日を経過してしまいましたが、どのように対応すればよいでしょうか。

【回答】

折れ曲がりなど当該領収書等と同一性が確認でき、①当初の読み取りについて、受領の日からその業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内にタイムスタンプが付されていること、②当該スキャンミスを把握してからその業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内に再度タイムスタンプを付していること、③当該スキャンミスした電磁的記録についても読み取りし直した電磁的記録の訂正削除履歴(ヴァージョン管理)に基づき保存している場合は、再度読み取り、タイムスタンプを付すことをもって、受領の日からその業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内にタイムスタンプが付されているものとして取り扱います。

【解説】

単純な折れ曲がりなどのスキャンミスがあっても、書面とデータの同一性が確認できる場合、ミス等があったことをもって、当該書面についてスキャナ保存が不可能となることは合理的とは考えられません。そこで、こうした場合には、同じ書類を再度読み取りし直すだけの対応も可能と考えられますが、受領等から入力・タイムスタンプの付与までに要する期間について一定の制限が設けられていることなどを踏まえると、可能な限り速やかに再読み取りを行っていただくことが妥当と考えられます。そこで、その折れ曲がりのある画像と再度読み取りを行う画像との同一性が明らかである場合、①当初の読み取りがその業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内に行われ、タイムスタンプも付されており、②当該スキャンミスを把握してからその業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内に再度タイムスタンプを付していて、③当該スキャンミスした電磁的記録についても読み取りし直した電磁的記録の訂正削除履歴(ヴァージョン管理)に基づき保存していることをもって、受領からその業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内にタイムスタンプが付されたものと考えることができます。

問30 訂正削除履歴の残る(あるいは訂正削除できない)システムに保存すれば、タイムスタンプの付与要件に代えることができるでしょうか。

【回答】 

そのシステムに入力期間内に入力したことを確認できる時刻証明機能を備えていれば、タイムスタンプの付与要件に代えることができます。

【解説】

国税関係書類についてスキャナ保存する場合には、その国税関係書類に係る記録事項にタイムスタンプを付与することが要件として規定されており(規2⑥二ロ)、当該保存義務者が訂正削除履歴の残る又は訂正削除できないシステムに保存する方法により規則第2条第6項第1号の入力期限内に当該国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合には、その確認をもって当該タイムスタンプの付与要件に代えることができることとされています。

この訂正削除履歴の残る(あるいは訂正削除ができない)システムでタイムスタンプ付与の代替要件を満たすためには、タイムスタンプが果たす機能である、ある時点以降変更を行っていないことの証明が必要となり、保存義務者が合理的な方法でこの期間制限内に入力したことを証明する必要があると考えられます。

その方法として、取扱通達4-28では例えば、SaaS型のクラウドサービスが稼働するサーバ(自社システムによる時刻の改ざん可能性を排除したシステム)がNTPサーバ(ネットワーク上で現在時刻を配信するためのサーバ)と同期しており、かつ、スキャナデータが保存された時刻の記録及びその時刻が変更されていないことを確認できるなど、客観的にそのデータ保存の正確性を担保することができる場合が明示されています。

【大きさ情報】

問31 受領者等が読み取る場合で、国税関係書類の大きさがA4以下のときには、大きさに関する情報の保存が不要となりますが、国税関係書類の大きさがA4以下とはどのように判断するのでしょうか。

【回答】

基本的には、日本産業規格(JIS P0138)において、A列4番以下の大きさであるかを判断することとなります。このため、A列4番からA列10番がA列4番以下の大きさに該当することとなります。

ただし、A列の規格に該当しない大きさの書類についても、日本産業規格A列4番に収まる大きさである場合、A列4番以下の大きさとして扱います。

【解説】

大きさに関する情報の保存を要しない書類について、規則第2条第6項第2号ハ括弧書は、

「国税関係書類の大きさが日本産業規格A列4番以下であるとき」と規定していますので、基本的には、規格内における大小の判断をすることとなりますが、日本産業規格A列の規格に該当しない書類についても、A列4番に収まる大きさの書類についてはA列4番以下の大きさと扱います。

また、日本産業規格において、A列4番は短辺が210㎜、長辺が297㎜とされ、±2㎜が許容されています。したがって、日本産業規格A列に該当しない大きさの国税関係書類の判断に当たっては、短辺が212㎜、長辺が299㎜の枠内に収まる大きさのものがA列4番以下の大きさの国税関係書類となります。

参考:日本産業規格(JIS P0138)

                                                                                     単位㎜

呼び A列
A0 841 × 1189
A1 594 × 841
A2 420 × 594
A3 297 × 420
A4 210 × 297
A5 148 × 210
A6 105 × 148
A7 74 × 105
A8 52 × 74
A9 37 × 52
A10 26 × 37

【訂正削除履歴の確保】

問32 市販のヴァージョン管理ソフトを使用すれば、訂正又は削除の履歴の確保(ヴァージョン管理)の要件を満たしているといえるのでしょうか。

【回答】

市販のヴァージョン管理ソフトを使用しても、必ずしも要件を満たしているとはいえません。

【解説】

ソフト業界などでは、一般に新聞の版数管理のような、新しく作り直したものを第2版、第3版と関連付けていくことがヴァージョン管理と認識されていますが、スキャナ保存の要件であるヴァージョン管理においては、訂正したものを上書き保存するのではなく、その訂正の履歴を残すため第2版、第3版として管理(保存)するので、その内容は異なり、市販されているソフトには前者をヴァージョン管理とするものも存在するため、市販のヴァージョン管理ソフトを使用しているからといって、全てスキャナ保存の要件を満たしていることにはなりません。

なお、スキャナ保存の要件であるヴァージョン管理とは、次に掲げることを全て満たすものである必要があります。

  • スキャナで読み取った電子データは必ず初版として保存し、既に保存されているデータを改訂したもの以外は第2版以降として保存されないこと。
  • 更新処理ができるのは一番新しいヴァージョンのみとすること。
  • 削除は物理的に行わず、削除フラグを立てるなど形式的に行うこととし、全ての版及び訂正した場合は訂正前の内容が確認できること。
  • 削除されたデータについても検索を行うことができること。

問33 具体的にどのようなシステムであれば、訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているといえるのでしょうか。

【回答】

スキャナ保存における訂正又は削除の履歴の確保については取扱通達4-25及び4-27で例示していますが、それを図示すれば次の図1から3のとおりです。

問34 訂正削除を行うことができないシステムとは、どのようなシステムであれば要件を満たしているといえるのでしょうか。

【回答】

画像データを全く変更できないシステムであり、かつ、保存されているデータが読み取り直後のデータであることを証明できるシステムであれば、スキャナ保存における訂正又は削除を行うことができないものとして取り扱われます。

【解説】

スキャナ保存における訂正又は削除の履歴の確保の要件は、訂正又は削除前のデータを確実に確認できることを目的にしたものですので、訂正削除ができないシステムで当該要件を満たす場合には、以下のようなシステムであれば、要件を満たすものとして取り扱われます。

なお、訂正又は削除の履歴を確保しているシステムから、訂正削除ができないシステムへデータを移行する場合には、訂正又は削除の履歴も併せて移行する必要があります。

○ 訂正削除ができないシステムの例

内容の書き換えができない保存媒体の場合で、保存媒体へのデータ記録年月日の記録、保存媒体自体に変更又は複製できない一連番号等を記録し、保存媒体自体の差し替え及び破棄を防止するなど、保存媒体自体の管理が適切に行われていることなどにより、保存されているデータが読み取り直後のデータであることを証明できるようなシステム(具体的には、例えば、他者であるクラウド事業者が提供するクラウドサービスにおいてスキャナ保存し、利用者側では訂正削除できないクラウドシステム)

【入力を行う者等の情報】

問35 「国税関係書類の入力を行う者」とは、単にスキャニングを行う者のことをいうのでしょうか。

【回答】

「国税関係書類の入力を行う者」とは、単にスキャニングを行う者のことをいうのではなく、スキャナで読み取った画像と書面(紙)の記載事項や色調と同等であることなどを確認した者をいうこととなります。

【解説】

「入力を行う者」は、スキャナ操作をした者、最終的な画像の確認をした者など、入力に従事した者が複数となる場合がありますが、規則第2条第6項第3号に規定する「入力を行う者」については、単にスキャニングした際に正しく読み取れたか確認した者ではなく、スキャナで読み取った画像が当該国税関係書類と同等であることを確認する入力作業をした者をいうこととしており、その者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができる必要があります(取扱通達4-29)。

また、当該入力を行う者を直接監督する者とは、スキャナ作業を直接指揮監督するという形で当該作業に係わっている者をいうこととなります。

なお、規則第2条第6項第3号に規定する「入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと」とは、これらの者を特定できるような事業者名、役職名、所属部署名及び氏名などの身分を明らかにするものの電子的記録又は書面により、確認することができるようにしておくことをいいます(取扱通達4-30)。

問36 「入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと」とは、電子署名を行う方法も認められますか。

【回答】

電子署名を行うことによって、入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるのであれば電子署名を行う方法も認められます。

【解説】

平成27年度の税制改正により、国税関係書類をスキャナで読み取る際の電子署名の要件が不要とされ、これに代え、国税関係書類に係る記録事項の入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認できるようにしておくことが要件とされました。

このため、平成27年度の税制改正後において、規則第2条第6項第3号(入力者等の情報の確認)の規定は、電子署名を行うことを規定したものではありませんが、電子署名を行うことによっても、入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるため、この要件を満たすと考えられます。

【出力】

問37 「拡大又は縮小して出力することが可能であること」とは、A4サイズの書類をA3サイズで出力できなければならないのでしょうか。

【回答】

読み取った書類と同じ用紙サイズの範囲で拡大、縮小できれば構いません。

【解説】

規則第2条第6項第5号ハで規定されている「拡大又は縮小して出力することが可能であること」とは、ディスプレイ及び書面に書類の一部分を拡大して出力することができればよく、拡大することに伴い、用紙のサイズを大きくして記録事項の全てを表示する必要はありません。また、小さな書類(レシート等)を出力する場合にはプリンタ及び用紙サイズの許す範囲で拡大し、又は大きな書類であれば縮小して記録事項の全てを出力することができれば構いません。

その他、例えば入力した書類がA3サイズであればA4用紙で2枚などに分かれることなく整然とした形式であること、保存されている電磁的記録の情報が適切に再現されるよう読み取った書類と同程度に明瞭であることなどが必要となります。

問38 スキャン文書について圧縮して保存することは認められないのでしょうか。

【回答】

200dpi 以上の解像度及び赤・緑・青それぞれ 256 階調(※)以上で JIS X6933 又は ISO

12653-3 のテストチャートの画像を読み取り、ディスプレイ及びプリンタで出力した書面で

4ポイントの文字が認識できるような状態であれば、圧縮して保存して差し支えありません。

なお、スキャナ保存を行う国税関係書類に4ポイントの文字が使用されていない場合であっても、上記の方法によって4ポイントの文字が認識できる各種機器等の設定等で全ての国税関係書類をスキャナで読み取り、保存しなければなりませんが、スマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取った画像の場合、機器によって縦横比が異なることから、圧縮して保持する際には、読み取った書類の縦横それぞれが、解像度の要件を満たす必要があることに注意してください。

(※) 規則第2条第7項に規定する国税関係書類(一般書類)の場合は、いわゆるグレースケールでの保存も可能です。

問39 4ポイントの大きさの文字を認識することが困難である場合に、解像度等はどのように設定して入力すればよいのでしょうか。

【回答】

JIS X6933又はISO 12653-3のテストチャートが手元にないなどの理由で4ポイントの大きさの文字が認識できる解像度等の設定が困難である場合には、読取解像度が200dpi以上かつ赤・緑・青それぞれ256階調(※)以上及び非圧縮(又は可逆圧縮)で入力していれば、4ポイントの大きさの文字が認識できるものとして取り扱われます。

 (※) 規則第2条第7項に規定する国税関係書類(一般書類)の場合は、いわゆるグレースケールでも可能です。

問40 JIS X6933に準拠したテストチャートのJISにおける使用方法としては、目視試験において50パーセント超の認識ができればよいこととなっていますが、国税関係書類のスキャナ保存においても、同様に4ポイントの文字及びISO図形言語のうち50パーセント超の認識ができる設定で入力すればよいのでしょうか。

【回答】国税関係書類のスキャナ保存に当たり、JIS X6933に準拠したテストチャートについては、

JIS X6933における4ポイントの文字及びISO図形言語が100パーセント認識できる設定で入力しなければなりません。

【解説】

JIS X6933に準拠したテストチャートのJISにおける使用方法としては、目視試験において各ポイントごとに、文字であれば34文字中18文字以上、ISO図形言語であれば各色ごとに8個中5個以上が認識できれば合格とされています(日本工業規格(JIS) X6933 4.8.1 f)

3)目視試験)。したがって、JISにおいてはテストチャートの文字等のうち50パーセント超の文字の認識ができればよいこととなっており、言い換えれば50パーセント未満であれば認識できない文字等が存在しても構わないこととなっています。

しかしながら、国税関係書類のスキャナ保存においては、紙と同等の真実性及び可視性を確保するため、規則第2条第6項第5号ニにおいて「4ポイントの大きさの文字を認識することができること」と規定されており、認識できない文字の存在は認められていませんので、テストチャートの全ての文字等が認識できる設定で入力しなければなりません。

なお、ISO 12653-3に準拠したテストチャートについても、同様に、ISO 12653-3における4ポイント文字及び140図票がJIS X6933に準拠したテストチャートと同程度に認識できる設定で入力しなければなりません。

問41 4ポイントの文字が認識できる各種機器の設定(読取解像度、階調、圧縮のレベル等)については、スキャナ等の各種機器の購入時に、テストチャートを使用して行ったテストの結果によるものでよいのでしょうか。

【回答】

常に4ポイントの文字が認識できる設定等で入力する必要があることから、入力作業前にテストを行うことが望まれます。

【解説】

電子計算機処理システム等を購入した当初では4ポイントの文字が認識できる設定であっても、スキャナ機器等の調子などにより、毎回同じ設定では4ポイントの文字が認識できなくなる場合も想定されますので、日々の入力作業前にテストを行うことが望まれます。

【検索機能】

問42 スキャナで読み取った画像データをテキスト化することができない場合でも、検索の条件として取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を設定することができなければならないのでしょうか。

【回答】

規則第2条第6項第6号の検索機能は、①取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができること、②日付又は金額に係る記録項目についてはその範囲を指定して条件を設定することができること、③二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができることが要件となります。

したがって、スキャナで読み取った画像データをテキスト化して保存することができる機能などが備わっていない場合であっても、スキャナで読み取った国税関係書類に係る取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を手入力するなどして、検索の条件として設定することができるようにする必要があります。

なお、税務職員による質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、上記②及び③の機能の確保は不要となります。

 (注) スキャナ保存の検索機能における取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先については、取扱通達4-34をご参照ください。

【一般書類】

問43 適時に入力する方法が可能な一般書類とは、具体的にどのような書類が対象となるのでしょうか。

【回答】

規則第2条第7項において、国税関係書類のうち国税庁長官の定める書類(一般書類)については、入力期間の制限なく入力することができることとされており、その書類については平成17年国税庁告示第4号により告示されています。

この告示により、例えば、次のような書類が入力期間の制限なく適時に入力することができます。

イ 保険契約申込書、電話加入契約申込書、クレジットカード発行申込書のように別途定型的な約款があらかじめ定められている契約申込書ロ 口座振替依頼書ハ 棚卸資産を購入した者が作成する検収書、商品受取書ニ 注文書、見積書及びそれらの写しホ 自己が作成した納品書の写し

問44 一般書類であれば、過去に遡って保存されている書類をスキャナ保存に代えてもいいのでしょうか。

【回答】

資金や物の流れに直結・連動しない書類(平成17年国税庁告示第4号に定めるもの)(一般書類)で、要件に沿って保存することが可能であれば、過去に受領等した書類についてもスキャナ保存ができます。

【解説】

スキャナ保存が可能か否かについては、要件に沿った保存が可能か否かで判断することとなります。規則第2条第6項第1号イ、ロでは、国税関係書類を受領等してから入力するまでの期間制限が規定されていますが、平成17年国税庁告示第4号に定める一般書類については規則第2条第7項により、この期間の制限がなく適時に入力できることから、これらの書類については、他の要件を満たす限り、過去において受領等した書類についてもスキャナ保存することが可能となります。

なお、過去分の重要書類についても、適用届出書の提出後、入力期間の制限がなく適時に入力できます(【問50】参照)。

問45 一般書類について、タイムスタンプはいつまでに付せばいいのでしょうか。

【回答】

一般書類へのタイムスタンプについては、次のいずれかにより付すこととなります。

  • 作成又は受領後、おおむね7営業日以内(事務処理規程を定めている場合には、その業務の処理に係る通常の期間(最長2か月)を経過した後おおむね7営業日以内)に付す。
  • (①の期間を過ぎたものについては)正しく読み取られていることを確認した都度付す。

【解説】

一般書類に係るタイムスタンプについては、「①作成若しくは受領後、速やかに又は②当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に」付すこととされています。

したがって、作成又は受領後、通常のスキャナ保存と同様の入力期間内に入力した後タイムスタンプを付与するか、その期間経過後に入力する場合には、「スキャナで読み取る際に」すなわち、正しく読み取られていることを確認した都度タイムスタンプを付す必要があります。

問46 規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類を定める告示(平成17年国税庁告示第4号)について、平成28年3月に改正が行われましたが、これはどのような改正でしょうか。

【回答】

恒久的施設との間の内部取引に関して外国法人等が作成した書類について対応するよう改正したものです。

【解説】

OECD承認アプローチ(AOA:Authorized OECD Approach)を踏まえ、平成26年度の税制改正により、外国法人等と恒久的施設との内部取引についても損益として認識することとされ、恒久的施設を有する外国法人等は、恒久的施設との間の内部取引に関して書類を作成し、保存しなければならないこととされました。

平成17年国税庁告示第4号は、一般書類(規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類)を定める告示で、同告示の各号に掲げる書類以外の書類については、規則第2条第

7項により入力期限の要件の緩和などがされています。

上記の恒久的施設との間の内部取引に関して外国法人等が作成した書類のうち、同告示の各号に掲げる書類に相当するもの(及びその写し)について対応するよう改正したものです。

問47 規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類を定める告示(平成17年国税庁告示第4号)について、令和元年9月に改正が行われましたが、これはどのような改正でしょうか。

【回答】

いわゆる重要書類に消費税法第30条第11項に規定する本人確認書類を追加するよう改正したものです。

【解説】

令和元年度税制改正(消費税法の一部改正)により、事業者が「金又は白金の地金」の課税仕入れを行った場合において、その課税仕入れの相手方の本人確認書類(運転免許証の写しなど)を保存しない場合には、当該課税仕入れに係る消費税額について仕入税額控除制度の適用を受けることができないこととされました(消費税法第30条第11項)。

平成17年国税庁告示第4号は、一般書類(規則第2条第7項に規定する国税庁長官が定める書類)を定める告示で、同告示の各号に掲げる書類(いわゆる重要書類)以外の書類については、規則第2条第7項により入力期限の要件の緩和などがされています。

本改正は、上記の本人確認書類について、いわゆる重要書類に相当するものとして改正したものです。

問48 スキャナ保存について、「災害その他やむを得ない事情」を証明した場合には保存要件が不要となる旨の規定が設けられていますが、そのような事情があれば、電磁的記録の保存自体不要になるのでしょうか。

【回答】 

  保存義務が免除されるものではありませんので、スキャナ保存に係る国税関係書類の紙原本の保存がない場合には、その国税関係書類に係る電磁的記録の保存が必要になります。

【解説】

規則第2条第8項の規定は、災害その他やむを得ない事情により、保存要件に従って電磁的記録の保存をすることができなかったことを証明した場合には、保存要件を満たさなくても、当該電磁的記録の保存ができることを規定したものであり、保存義務が免除されているものではありません。

したがって、スキャナ保存に係る国税関係書類の紙原本の保存がない場合には、その国税関係書類に係る電磁的記録の保存が必要になります。その紙原本及びそのスキャナデータを完全に消失してしまっている場合については、紙の書類を紛失した場合と何ら変わらないことから、国税関係書類の保存がないこととなります。なお、電磁的記録については、災害等によりデータを保存していたパソコン本体が棄損した場合等、紙に比べてその確認が困難となる場面も多く想定されることから、納税者の責めに帰すべき事由がないときには、単に保存書類が存在しないことのみをもって、義務違反を問うことはありませんが、仮に紙の書類及びそのスキャナデータを消失してしまった場合であっても、可能な範囲で合理的な方法(取引の相手先や金融機関へ取引内容を照会するなど)により保存すべき国税関係書類を復元していただきたいと考えています。

おって、災害その他やむを得ない事情がやんだ後に作成又は受領するものについては、規則第2条第8項の規定の適用はありません。そのため、保存要件を備えた上でスキャナデータを保存する必要がありますので注意してください。

問49 規則第2条第6項第1号ロに規定する「各事務の処理に関する規程」及び同条第7項の「事務の手続を明らかにした書類」との違いは何でしょうか。

【回答】

「各事務の処理に関する規程」とは、作業責任者、処理基準及び判断基準等を含めた業務サイクルにおけるワークフローなどの企業の方針を定めたものです。それに対して「事務の手続を明らかにした書類」とは、責任者、作業の過程、順序及び入力方法などの手続を明確に表現したものをいいます。

【解説】

規則第2条第6項第1号ロの「各事務の処理に関する規程」については、業務サイクルに応じた入力事務を行うことにより、改ざん等の誘因を制限するものですから、書類の受領又は作成を始めとする企業のワークフローに沿ったスキャニング、タイムスタンプの付与の時期等について規定し、その規程に沿った入力事務の処理を行う責任者を規定することにより責任の所在を明らかにするという企業の方針を定め、真実性を確保するためのものです。

また、同条第7項の「事務の手続を明らかにした書類」は、責任者、入力の順序、方法などの処理手続、さらにはアウトソーシングの際の事務の手続を定めることによる、適切な入力を確保するためのものです。

なお、これらの規程の例については、次頁を参照してください。  

下記の規程(サンプル)については、こちらからダウンロードできます

スキャナによる電子化保存規程

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、○○における紙による国税関係書類について、××社製●●システム(以下「本システム」という。)を活用して、スキャナによる電子化を安全かつ合理的に図るための事項を定め、適正に利用・保存することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  • 電子化文書 紙文書を電子化した文書をいう。
  • 管理責任者 本システムを円滑に運用するための責任者をいう。
  • 真実性を確保するための機能 電子化文書の故意又は過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を未然に防止し、かつ、改ざん等の事実の有無が検証できる機能をいう。
  • 機密性を確保するための機能 電子化文書へのアクセスを制限すること、アクセス履歴を記録すること等により、アクセスを許されない者からの電子化文書へのアクセスを防止し、

電子化文書の盗難、漏えい、盗み見等を未然に防止する形態で保存・管理される機能をいう。

  • 見読性を確保するための機能 電子化文書の内容を必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて検索し、画面又は書面に直ちに出力できるよう措置される機能をいう。

(運用体制)

第3条 ○○における本システムの運用に当たっては、管理責任者及び作業担当者を置くものとし、事務分掌細則によりこれを定める。

  • 管理責任者は、電子化文書を作成する作業担当者を管理し、電子化文書が法令等の定めに則って効率よく作成されることに責任を持つ。
  • 管理責任者は、電子化文書の作成を外部委託する場合、外部委託業者が電子化文書作成に必要な法令等の知識と技能を持つことを確認し、これを条件に業務を委託することができる。

(利用者の責務)第4条 本システムの利用者は以下の責務を負う。

  • 自身のIDやパスワードを管理し、これを他人に利用させない。
    • 本システムの情報の参照や入力(以下「アクセス」という。)に際して、IDやパスワードによって、本システムに利用者自身を認識させる。
    • 与えられたアクセス権限を越えた操作を行わない。
    • 参照した情報を目的外に利用しない。
    • 顧客及び関係者のプライバシーを侵害しない。

第2章 対象書類及び入力の時期

(対象書類)第5条 ○○におけるスキャナにより電子化する書類は、次の各号に定めるところによる。

一 請求書二 納品書三 見積書(控)四 注文書

2 前項第3号及び第4号に定める書類は、これらを併せて、以下「一般書類」という。(入力の時期)

第6条 第5条各号に定める書類については、書類を取得後、次の時期に入力する。

一 請求書 速やか(おおむね7営業日以内)に入力二 納品書 毎月末までに受領したものを、翌々月7日までに入力

  • 見積書(控) 1月から6月までに発行したものは8月末までに、7月から12月までに発行したものは翌年2月末までに入力
  • 注文書 1月から6月までに受領したものは8月末までに、7月から 12 月までに受領したものは翌年2月末までに入力

第3章 機能要件

(管理機能等)

第7条 本システムによる電子化文書の作成及び管理機能は、次に定めるところによる。

  • データフォーマット 電子化文書のデータフォーマットは、BMP、TIFF、PDF又はJPEGとする。
  • 階調性の確保 画像の階調性を損なうような画像補正は行わない。
  • 画像品質の確保 電子化文書の画像は、第10条で定めるところにより確認できること。
  • 両面スキャン 電子化文書の作成に当たっては、原則として、両面をスキャンする。

  ただし、裏面に記載のないものなどについては、この限りではない。

  • 真実性を確保するための機能は、次に定めるところによる。
    • タイムスタンプ ●●株式会社のタイムスタンプサービスを利用し、電子化文書には第6条各号に定める時期までにタイムスタンプを付与し、当該電子化文書の作成時期の証明及び改ざん等の事実の有無を検証できるようにする。

なお、課税期間中の任意の期間を指定して当該期間内に付与したタイムスタンプについて、一括して検証できるようにする。

  • 解像度等の情報の保存 電子化文書作成時の解像度、階調及び元の紙文書の大きさに関する情報を保存する。

  ただし、一般書類については、紙文書の大きさに関する情報を保存する必要はない。

  • ヴァージョン管理 記録した電子化文書のヴァージョン管理を行うに当たり、当初に記録

した電子化文書を第1版とし、その後に訂正又は削除が行われても第1版の内容を保持する。

  • 機密性を確保するための機能は、次に定めるところによる。
    • アクセス管理 情報の利用範囲、更新履歴、機密度等に応じた管理区分を設定するとともに、情報にアクセスしようとする者を識別し認証できること。
    • 不正アクセスの排除 不正なアクセスを排除できること。
    • 利用ログ管理 本システムの管理責任者は、ログの情報等を利用して不正なアクセスの防止をすることとする。
  • 見読性を確保するための機能は、次に定めるところによる。
    • 検索機能 記録されている電子化文書に検索のために必要な情報(検索項目)を付加し、かつ、その検索項目を活用して該当する電子化文書を抽出できること。
    • 検索項目設定機能 検索項目に、ⅰ)取引日付、ⅱ)取引金額、ⅲ)取引先名称が設定でき、日付又は金額の項目は範囲指定を可能とし、任意の2項目以上の検索項目を組み合わせて検索できること。
    • 帳簿との関連性を確保する機能 電子化文書には、管理用通番として伝票番号を付し、帳簿に記載される内容と関連付けを行う。
    • 整然とした形式で速やかに紙出力する機能 記録されている電子化文書及びログ等の管理情報をデータフォーマットの種類にかかわらずディスプレイやプリンタに整然とした形式で国税関係書類と同程度の明瞭さを確保しつつ速やかに出力することができること。
    • 4ポイント文字が認識できる機能 本システムはJIS X 6933又はISO12653-3テストチャートの4ポイント文字が認識でき、電子化文書を拡大縮小表示できること。

第4章 機器の管理と運用

(機器の管理)第8条 本システムの機器の管理及び運用に関する基準を遵守する。

  • 電子化文書の情報が十分に保護されるように記録媒体の二重化、バックアップの採取等を行う。また、品質劣化が予想される記録媒体については定期的に記録媒体の移し替え等を行う。
  • 外部ネットワーク接続により、不正アクセスによる被害やウィルスによる被害が発生しないように対策を施す。

(入力装置の設定)

第9条 入力装置の設定は、次に定めるところによる。

ただし、一般書類に係る階調はグレースケールとしてもこれを認める。

  • 解像度 200dpi以上とする。
    • 階調 電子化文書は赤、緑、青の各色256階調(24ビット/ピクセル)とする。

(出力装置の設定)

第10条 出力装置の設定は、次の各号に定めるところによる。

ただし、一般書類については、第2号及び第3号の階調及び印刷装置をグレースケール以上の能力を持つ表示装置及びプリントできる印刷装置としてもこれを認める。

  • 表示装置のサイズ 14インチ以上の表示装置とする。
    • 表示装置の階調 赤、緑、青の各色256階調(24ビット/ピクセル)以上の能力を持つ表示装置とする。
    • 印刷装置の解像度及び階調 印刷装置はカラープリントできるものとする。

第5章 スキャニングの手順等

(書類の受領)

第11条 取引先から請求書を受領した営業責任者は、納品書及び検収報告書との照合を行い内容に誤りがないことを確認した後に、請求書を経理責任者に引き継ぐ。

  • 取引先から納品書を受領した営業責任者は、注文書(控)及び納品された現物を確認した後に、納品書を経理責任者に引き継ぐ。
  • 見積書を作成した営業責任者は、その控えを経理責任者に引き継ぐ。
  • 取引先から注文書を受領した営業責任者は、出荷指示書を作成し、商品を出荷した後に、注文書及び出荷指示書を経理責任者へ引き継ぐ。

(仕訳伝票等の整理)

第12条 経理責任者は、回付された請求書に基づき決済手続、仕訳伝票の整理、買掛帳の整理等を行った後に、作業担当者が請求書をスキャナ用ボックスに保管する。

2 作業担当者は、回付された納品書、見積書、注文書及び出荷指示書をそれぞれごとに分類し、スキャナ用ボックスに保管する。

(スキャニングの準備)

第13条 作業担当者は、次の期日までにホチキス留めをはずし、折りたたみを広げスキャニングの準備を行う。

一 請求書 請求書受領後、5日以内二 納品書 毎月末

  • 見積書(控え) 1月から6月までに発行したものは7月末、7月から12月までに発行したものは翌年1月末
  • 注文書 1月から6月までに受領したものは7月末、7月から12月までに受領したものは翌年1月末

2 作業担当者は、スキャニングする書類について、前項各号ごとに枚数及び対象年月を確認し、これを入力区分票に記載する。

(スキャニング処理)

第14条 作業担当者は、本システムを活用し、スキャニング処理を実施する。

なお、帳票ごとに1ファイルにするとともに、裏面のスキャナ漏れがないよう留意する。

  • 作業担当者は、スキャン枚数及びスキャン画像を目視にて確認する。
  • 作業担当者は、正確にスキャニングされていることを確認した後に、画像(電子化文書)及びCSV(検索項目)をサーバに転送し、管理責任者にこれを引き継ぐ。
  • 管理責任者は電子化文書の確認を速やかに行う。
  • 管理責任者は、第7条第2項第1号に定めるタイムスタンプを付与し、本システムに登録する。

(電子化文書の保存)

第15条 本システムにより電子化されたデータは、国税に関する法律の規定により保存しなければならないとされている期間まで保存する。

第6章 原本の廃棄等

(原本の廃棄)

第16条 作業担当者は、スキャニング処理を了した原本について、管理責任者のチェックが完了するまでの間、一時保管する。

  • この管理責任者のチェックが完了した原本については、作業担当者が文書管理規程に基づき、これを廃棄し、その旨を管理責任者に連絡する。
  • 管理責任者は、廃棄結果を記録する。

(電子化文書の消去)第17条 作業担当者は、保存期間が満了した電子化文書の一覧を作成し、管理責任者に連絡する。

  • 管理責任者は、保存期間が満了した電子化文書の一覧を基に、該当するデータの消去を行い、消去結果を記録する。

附則

(施行)

第18条 この規程は、令和○年○月○日から施行する。

下記の書類(サンプル)については、こちらからダウンロードできます。

国税関係書類に係る電子計算機処理に関する事務の手続を明らかにした書類

(書類の受領)

  • 営業責任者は、作成または受領した以下の書類について、経理責任者に引き継ぐ。
    • 取引先から請求書を受領した営業責任者は、請求書を経理責任者に引き継ぐ。
    • 取引先から納品書を受領した営業責任者は、納品書を経理責任者に引き継ぐ。
    • 見積書を作成した営業責任者は、その控えを経理責任者に引き継ぐ。
    • 取引先から注文書を受領した営業責任者は、出荷指示書を作成し、商品を出荷した後に、注文書及び出荷指示書を経理責任者へ引き継ぐ。

(スキャニングの準備)

  • 作業担当者は、次の期日までにスキャニングの準備を行う。
    • 請求書     請求書受領後、5日以内
    • 納品書     毎月末
    • 見積書(控え) 1月から6月までに発行したものは7月末

7月から12月までに発行したものは翌年1月末

  • 注文書     1月から6月までに受領したものは7月末

7月から12月までに受領したものは翌年1月末

(スキャニング処理)

  • 作業担当者は、××社製●●システムを活用し、スキャニング処理を実施する。

(管理責任者の確認)

  • 作業担当者は、正確にスキャニングされていることを確認した後に、画像(電子化文書)及びCSV(検索項目)をサーバに転送し、管理責任者にこれを引き継ぐ。管理責任者は電子化文書と原本の確認を速やかに行う。

(タイムスタンプの付与)

  • 管理責任者は、●●株式会社のタイムスタンプを付与し、本システムに登録する。

(電子化文書の保存)

  • 本システムにより電子化されたデータは、国税に関する法律の規定により保存しなければならないとされている期間まで保存する。

【過去分重要書類】

問50 当社は過去分重要書類のスキャナ保存に当たって、対象となる書類が膨大にあるのですが、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能でしょうか。

【回答】

過去分重要書類のスキャナ保存については入力期間の制限はありませんので、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能です。

【解説】

令和元年度の税制改正により、スキャナ保存の承認を受けている保存義務者は、その承認を受けて保存を開始する日前に作成又は受領した重要書類(過去分重要書類)について、所轄税務署長等に適用届出書を提出したときは、一定の要件の下、スキャナ保存をすることができることとなりました(令和元年9月30日以後に提出する適用届出書に係る過去分重要書類から適用されます。なお、具体的な要件は、【問10】をご覧ください。)。適用届出書を提出した後は、その後の入力期間について制限はありません。これは、スキャナ保存の承認以前に作成・受領した書類が膨大であり、入力に相当の期間を要することが想定されるため、制限を設けないこととされたものです。そのため、例えば、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能です。

ただし、適用届出書は従前において同一種類の過去分重要書類に係る適用届出書を提出している場合は提出することができません。これは、電磁的記録による保存等を断続的に行い、取りやめの都度、適用届出書の提出を繰り返し行うことにより、過去分重要書類について、その作成・受領後に「速やか」に行うことなく、継続的にスキャナ保存を可能とする潜脱行為を防止する観点から措置されたものとされています。

なお、一般書類については、入力期間の制限なく適時に入力がすることができますので(【問43】参照)、適用届出書の提出は必要ありません。

問51 法人税に係る国税関係帳簿書類を本店のほか事業所ごとに作成、保存している場合、各事業所の長が各事業所の所在地の所轄税務署長に対して過去分重要書類の適用届出書を提出することができるのでしょうか。

【回答】

法人自体が、本店所在地の所轄税務署長に対して過去分重要書類の適用届出書を提出する必要があります。

【解説】

法人税に係る国税関係書類については、これを事業所の所在地に保存することも認められています(法人税法施行規則59①、同67②)が、①電子帳簿保存法では、適用届出書の提出主体を保存義務者とし(規2⑨)、また、その保存義務者を「国税に関する法律の規定により

……保存をしなければならないこととされている者」と定義している(法2四)こと、一方、 ②法人税法では、法人税に係る国税関係帳簿書類の保存義務者を法人自体としていること(法人税法126①及び150の2①)から、各事業所の長は保存義務者には該当しません。

また、適用届出書は、納税地等の所轄税務署長等に対して提出する必要があり(規2⑨)、この場合の「納税地等」については、「保存義務者が、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者(国税通則法第2条第5号に規定する納税者をいう。)である場合には当該国税の納税地をいい……」と定義されています(規1②二)。

したがって、法人税に係る国税関係書類を各事業所に保存することとしている場合であっても、それに係る規則第2条第9項の適用届出書は、その法人自体が、その法人の法人税法上の納税地(本店又は主たる事務所の所在地)の所轄税務署長に対して提出する必要があります。

問52 法人の納税地はA市にあるが実体はB市にある場合に、過去分重要書類の適用届出書をB市を所轄する税務署長を経由して提出することはできますか。

【回答】

B市を所轄する税務署長を経由して提出することはできません。

【解説】

過去分重要書類の適用届出書は、法人の実体が納税地に存するか否かにかかわらず、法人税の納税地を所轄する税務署長に提出することとなります。

規則第2条第10項に規定する便宜提出は、一の納税者が複数の納税地等を有している場合を念頭においたものであり、一の納税者が複数の納税地を有していない場合には同項の規定の適用はありません。

問53 連結子法人3社が、いずれも連結親法人が開発したシステムにより過去分重要書類のスキャナ保存を行おうとする場合、連結子法人の過去分重要書類の適用届出書を連結親法人の当該適用届出書の提出と同時に連結親法人の納税地等の所轄税務署長を経由して提出することができるのでしょうか。

【回答】

連結子法人の過去分重要書類の適用届出書を、連結親法人の当該適用届出書の提出と同時に連結親法人の納税地等の所轄税務署長を経由して提出しても差し支えありません。

問54 保存義務者が国税関係書類に係る国税の納税者である場合及び納税者でない場合の、この法律における納税地等は具体的にどのように判定することになりますか。

【回答】

下図「帳簿書類の保存義務者・保存場所・納税者・納税地・納税地等の関係に係る類型」を参考としてください。

帳簿書類の保存義務者・保存場所・納税者・納税地・納税地等の関係に係る類型

(注) 「納税者」欄は、保存義務者が帳簿書類に係る国税の納税者であるかどうかである。

問55 過去分重要書類についても、災害その他やむを得ない事情に係る宥恕措置の適用はあるとのことですが、何か注意することはありますか。

【回答】 

災害その他やむを得ない事情があった場合であっても、過去分重要書類の適用届出書を提出していない保存義務者についてまで、基準日(スキャナ保存により電磁的記録の保存をもって国税関係書類の保存に代える日をいいます。以下同じです。)前に作成又は受領した過去分重要書類について保存要件を満たさずにスキャナ保存を認めるものではありませんので注意してください。

【解説】

規則第2条第11項の規定により、過去分重要書類に係る電磁的記録の保存をする保存義務者が、災害その他やむを得ない事情により、保存要件に従って電磁的記録の保存をすることができないこととなったことを証明した場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存ができることとなります。

ただし、本規定の適用については、既に過去分重要書類の適用届出書を提出し、その過去分重要書類についてスキャナ保存を行っている保存義務者が、災害その他やむを得ない事情により保存要件を充足できないこととなったことを証明した場合が対象です。

したがって、本規定が適用される事情が生じた場合であっても、過去分重要書類の適用届出書を提出していない保存義務者についてまで、基準日前に作成又は受領した過去分重要書類についてスキャナ保存を認めるものではありませんので注意してください。なお、その事情が生じる前に作成又は受領した国税関係書類を含め、その事情がやんだ後において過去分重要書類のスキャナ保存を行おうとする保存義務者については、過去分重要書類の適用届出書を提出した上でそのスキャナ保存を行うこととなります。 

【その他】

問56 スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録は、どのように取り扱われるのですか。

【回答】

  スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録については、各税法上の保存書類としては取り扱われません。

【解説】

スキャナ保存の要件を満たして保存が行われていない電磁的記録については、法第4条第3項後段の規定により保存が行われている場合であっても、その電磁的記録は国税関係書類とはみなされないこととなります(法8①)。

そのような場合には、各税法に定める保存義務が履行されていないこととなるため、仕入税額控除の否認や、青色申告の承認取消し等の対象となる可能性があります(スキャナ保存に係る国税関係書類(紙原本)の保存がある場合は除かれます。)。

問57 自社で使用するスキャナソフト等について、電子帳簿保存法の要件を満たしているか分からないのですが、どのようにしたらよいですか。

【回答】

まずは当該ソフトウェアの取扱説明書等で電子帳簿保存法の要件を満たしているか確認してください。また、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)において、市販のソフトウェア及びソフトウェアサービス(以下「ソフトウェア等」といいます。)を対象に、電子帳簿保存法における要件適合性の確認(認証)を行っており、

JIIMAが確認(認証)したソフトウェア等については、そちらでも確認することができます。

【解説】

従前は、使用するスキャナソフト等が電子帳簿保存法の要件に適合しているかについて、商品の表示等のみに頼っている状況でした。こうした状況を踏まえ、申請者の予見可能性を向上させる観点から、JIIMAがソフトウェア等の法的要件認証制度を開始しました。国税庁としてはこれを審査に活用することとし、また、旧承認制度の下で承認申請の手続負担を軽減させる観点から、JIIMAによる要件適合性の確認(認証)を受けたソフトウェア等を利用する場合については、承認申請書の記載事項や添付書類を一部省略することを可能としました。

令和3年度の税制改正による承認制度廃止後も、保存義務者の予見可能性を確保する観点から、認証を受けたソフトウェア等について引き続き国税庁のホームページに掲載することとしました。

なお、電子帳簿保存法の保存等の要件には、事務手続関係書類の備付けに関する事項等、機能に関する事項以外の要件もあり、それらを含め全ての要件を満たす必要がありますので注意してください。

問58 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会により認証されたソフトウェア等とはどのようなものでしょうか。

【回答】

公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)が電子帳簿保存法に規定する機能要件に適合するか機能の仕様について取扱説明書等で確認を行い、法的要件を満たしていると判断し認証されたソフトウェア等をいいます。

また、認証を受けたソフトウェア等は、国税庁及びJIIMAのホームページに記載される認証製品一覧表に明示されるほか、当該ソフトウェア等の説明書等に認証番号などが記載されています。認証制度開始時からの電子帳簿(法4①)及びスキャナ保存(法4③)用のソフトウェア等に係る認証制度に加えて、令和3年4月以降は、電子書類(法4②)及び電子取引(法7)に係るソフトウェア等についても認証を行っています。

なお、認証を受けたソフトウェア等は、以下に示す「認証ロゴ」を使用できることから、そのソフトウェアがJIIMAから認証されたものであるか否かについては、この認証ロゴによって判断することもできます。ただし、以下の「認証ロゴ」は令和3年6月現在で使用しているものを記載していますので、使用にあたっては説明書等で認証番号などを確認していただくようお願いします。

認証ロゴを使用できる場所

認証製品の梱包材、製品マニュアル、技術マニュアル、仕様書 WEBページ 等

【国税庁HPの掲載場所】ホーム/法令等/その他法令解釈に関する情報/電子帳簿保存法関係/JIIMA認証情報リスト

問59 スキャナ保存を途中で取りやめることとした場合、その取りやめることとした日において保存している電磁的記録は、そのまま電磁的記録により保存することとしてもよいのでしょうか。

【回答】

スキャナ保存を適用していた保存義務者が途中でスキャナ保存を取りやめることとした場合、電磁的記録の基となった書類を廃棄している場合は、その取りやめることとした日において保存している電磁的記録を、当該国税関係書類の保存期間が満了するまでそのままスキャナ保存の要件に従って保存することになりますが、電磁的記録の基となった書類を保存しているときは当該書類を保存する必要があります。

また、仮に保存要件を満たしてその電磁的記録の保存を行うことができない場合(スキャナ保存に係る国税関係書類(紙原本)の保存がある場合を除きます。)であっても、その電磁的記録の保存義務は課せられています(法4③後段)ので、その電磁的記録について、その書類の保存すべき期間が経過する日まで保存しておく必要があります。この場合、その電磁的記録は各税法上の国税関係書類とはみなされませんので注意してください。

  また、そのような場合には、各税法に定める保存義務が履行されていないこととなるため、仕入税額控除の否認や、青色申告の承認取消し等の対象となる可能性があります。

【経過措置】

問60 令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件で保存を行えるのはいつからですか。

【回答】 

令和4年1月1日以後に保存する一定の国税関係書類について、改正後の要件によりスキャナ保存を行うことができます。

【解説】

  令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の規定は、令和4年1月1日以後に保存が行われる国税関係書類について適用されることとなります(令3改正法附則82③)。

この「保存が行われる」とは、実際にスキャナ保存が行われることを意味しており、具体的には、入力(タイムスタンプ要件を満たすまでを指す)が 完了した日がスキャナ保存の行われた日となります。

したがって、その業務の処理に係る通常の期間を最長の2か月で設定している保存義務者については、最も早いもので、おおむね令和3年10月末頃に作成又は受領した国税関係書類について令和4年1月1日以後に入力が完了した場合には、その国税関係書類については、「令和4年1月1日以後に(スキャナ)保存が行われる国税関係書類」に該当するため、改正後の要件が適用されることになります。 

問61 当社の課税期間は、令和3年4月1日から令和4年3月31日までですが、令和4年1月1日以後に保存する国税関係書類について新たにスキャナ保存を行いたいと考えています。その場合、課税期間の途中からスキャナ保存を行うことはできますか。

【回答】

  法令に定めるスキャナ保存の要件を満たせば、課税期間の途中からでもスキャナ保存を行うことは可能です。

【解説】

スキャナ保存については、電子帳簿等保存のように、課税期間の始めから一貫して電磁的記録による保存を行う必要はありませんので、法令に定めるスキャナ保存の要件を満たせば、課税期間の途中からでもスキャナ保存を行うことは可能です。

また、令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、事前に税務署長の承認を受ける必要もありません。

なお、スキャナ保存は国税関係書類の種類ごとに適用できますので、一部の国税関係書類のみをスキャナ保存により保存することも可能です。

おって、国税関係書類の保存に当たっては、基本的には合理的に区分できる書類の種類の単位ごと等、一定の継続性をもって保存が行われることから、スキャナ保存を開始した日(保存に代えた日)及びスキャナ保存を取りやめた日(保存に代えることをやめた日)を明確にしておく必要があります。

問62 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係書類について、この改正前のスキャナ保存の要件のままスキャナ保存をしたいのですが、手続は必要でしょうか。

【回答】

改正前の要件のままスキャナ保存する場合は手続は必要ありません。

【解説】

令和3年度の税制改正により、承認済国税関係書類については、なお従前の例によることとされています(令3改正法附則82③)。

したがって、承認済国税関係書類については、令和3年度の税制改正前のスキャナ保存の要件のままスキャナ保存をするのであれば、手続は必要ありません。

問63 令和3年度の税制改正前の承認済国税関係書類について、令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の要件を適用してスキャナ保存をすることとした場合、改正前の承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出することとなるのでしょうか。

 【回答】

  令和3年度の税制改正前の承認済国税関係書類について、令和3年度の税制改正後の要件で引き続きスキャナ保存を行う場合については、以下について行っていただく場合は、当該承認済国税関係書類に係る取りやめの届出書を提出する必要はありません。

 ・ 令和3年度の税制改正後の要件でスキャナ保存を開始した日について、管理、記録をしておくこと。

 ・ 税務調査があった際に、上記の管理、記録しておいた内容について答えられるようにしておくこと。

【解説】 

  令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日に現にスキャナ保存の承認を受けている国税関係書類については、なお従前の例によることとされています(令3改正法附則82③、⑤三)。

したがって、令和4年1月1日以後に改正後の要件により保存を行おうとする場合、原則として、改正後の要件による保存を開始する日より前に取りやめの届出書の提出が必要となります。その際には、承認を取りやめる年分を明示してその取りやめの届出書の提出をする必要があることに留意が必要です。

しかしながら、引き続き国税関係書類に係るスキャナ保存を行おうとする場合においては、納税者の利便性向上という本改正の趣旨も踏まえ、改正前に既にスキャナ保存の承認を受けている保存義務者に対して追加の負担を求めるものとならないよう、保存義務者が、令和3年度の税制改正後の要件でスキャナ保存を開始した日について、後日明らかにできるような状態で適宜の方法により管理、記録をしておき、後日税務調査があった際に、令和3年度の税制改正後の要件でスキャナ保存を開始した日について説明できるような状態にしている場合には、令和3年度の税制改正前の承認に係る取りやめの届出書の提出があったものとみなして、別途、取りやめの届出書の提出は求めることとはしません。

 なお、改正前の承認については、改正前のスキャナ保存の要件で国税関係書類に係るスキャナ保存を行う日の最終日まで効力を有するものとして取り扱います。

  また、改正前の要件で国税関係書類に係るスキャナ保存を行おうとする場合には、その国税関係書類について引き続き承認を受けている必要があるため、承認を取りやめないよう留意が必要であり、引き続きその改正前の要件でスキャナ保存を行う年分を除外して、上記の取りやめの届出書の提出を行う必要があります。なお、承認を取りやめた場合には、国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等の場合と異なり、スキャナ保存に係る国税関係書類の出力書面等による保存は認められないことに留意が必要です。 

問64 令和4年1月1日以後にスキャナ保存を行う国税関係書類について、令和3年度の税制改正前の承認を受けて電磁的記録による保存を行いたいのですが、承認申請書を提出すれば可能なのでしょうか。また、可能な場合には、いつまでに承認申請書を提出する必要がありますか。

【回答】

令和4年1月1日以後にスキャナ保存を行う国税関係書類について、税務署長の承認を受けて保存を行いたい保存義務者は、令和3年9月30日までに所轄の税務署長宛に承認申請書を提出してください。

【解説】 

令和3年度の税制改正により、令和4年1月1日以後にスキャナ保存を行う国税関係書類については、事前に税務署長の承認を受ける必要はありません。

その一方で、令和4年1月1日において現にスキャナ保存の承認を受けている国税関係書類については、令和3年度の税制改正前の保存要件で保存等を行うこととされています。

その場合、令和3年12月31日までに承認を行う必要があるため、その承認申請に関する審査等の期間を確保する観点から、その承認申請書は令和3年9月30日までに所轄の税務署長宛の提出をお願いしています。これは、改正前の承認申請書の提出期限が国税関係書類の電磁的記録の保存をもってその国税関係書類の保存に代える日の3月前とされていることを踏まえた取扱いです。

なお、令和4年1月1日において現にスキャナ保存の承認を受けている国税関係書類については、令和4年1月1日以後もなお改正前の要件で保存を行う必要がありますので注意してください(令3改正法附則82③)。

【電子取引関係】

問1 電子取引の制度はどのような内容となっていますか。

【回答】

所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者が取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項) を電磁的方式により授受する取引(電子取引)を行った場合には、その取引情報を電磁的記録により保存しなければならないという制度です(法7)。

【解説】

所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められていますが、同様の取引情報を電子取引により授受した場合には、その取引情報に係る電磁的記録を一定の方法により保存しなければならないこととされています。

なお、帳簿書類の電磁的作成、備付け、保存に関しては、別冊「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】」において、スキャナ保存に関しては、別冊「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」において解説します。

問2 電子取引とは、どのようなものをいいますか。

【回答】

「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいいます(法2五)。

なお、この取引情報とは、取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいいます。

具体的には、いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます。)、インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引等をいいます。

問3 電子メールを受信した場合、どのように保存すればよいのでしょうか。

【回答】

電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます。)を行った場合についても電子取引に該当するため(法2五)、その取引情報に係る電磁的記録の保存が必要となります(法7)。具体的に、この電磁的記録の保存とは、電子メール本文に取引情報が記載されている場合は当該電子メールを、電子メールの添付ファイルにより取引情報(領収書等)が授受された場合は当該添付ファイルを、それぞれ、ハードディスク、コンパクトディスク、DVD、磁気テープ、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存する状態にすることをいいます。

問4 当社は以下のような方法により仕入や経費の精算を行っていますが、データを保存しておけば出力した書面等の保存は必要ありませんか。 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領 インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ (PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等のスクリーンショットを利用 電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用 クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用 特定の取引に係るEDIシステムを利用 ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

【回答】

⑴~⑺のいずれも「電子取引」(法2五)に該当すると考えられますので、所定の方法により取引情報(請求書や領収書等に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)に係るデータを保存しなければなりません(令和3年度の税制改正前はそのデータを出力した書面等により保存することも認められていましたが、改正後は、当該出力した書面等の保存措置が廃止され、当該出力した書面等は、保存書類(国税関係書類以外の書類)として取り扱わないこととされました。

データ保存に当たっては、以下の点に留意が必要です。

  • ⑴及び⑵については一般的に受領者側におけるデータの訂正削除が可能と考えますので、受領したデータに規則第4条第1項第1号のタイムスタンプの付与が行われていない場合には、受領者側でタイムスタンプを付与すること又は同項4号に定める事務処理規程に基づき、適切にデータを管理することが必要です。また、対象となるデータは検索できる状態で保存することが必要ですので、当該データが添付された電子メールについて、当該メールソフト上で閲覧できるだけでは十分とは言えません。
  • ⑶~⑸については、取引情報(請求書や領収書等に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)に係るデータについて、訂正削除の記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用していれば、電子取引の保存に係る要件を満たすと考えられます。他方、例えば、クラウド上で一時的に保存されたデータをダウンロードして保存するようなシステムの場合には、イと同様の点に留意する必要があります。
  • ⑹及び⑺については、一般的に受領者側におけるデータの訂正削除が可能と考えますので、受領したデータに規則第4条第1項第1号のタイムスタンプの付与が行われていない場合には、受領者側でタイムスタンプを付与すること又は同項第4号に定める事務処理規程に基づき、適切にデータを管理することが必要です。
  • ⑴~⑺のいずれの場合においても、データは各税法に定められた保存期間が満了するまで保存する必要があります。
  • 取引慣行や社内のルール等により、データとは別に書面の請求書や領収書等を原本として受領している場合は、その原本(書面)を保存する必要があります。
  • 現行、消費税の仕入税額控除の適用に当たっては、必要な事項が記載された帳簿及び請求書等(書面)の保存が必要ですが、取引金額が3万円未満の場合や、3万円以上でも「電子取引」のようにデータのみが提供されるなど、書面での請求書等の交付を受けなかったことにやむを得ない理由がある場合には、帳簿のみを保存することにより仕入税額控除の適用を受けることができます。なお、令和5年10月以降は、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けることができるのは、法令に規定された取引に限られることとなります。したがって、「電子取引」を行った場合に仕入税額控除の適用を受けるためには、軽減税率の対象品目である旨や税率ごとに合計した対価の額など適格請求書等として必要な事項を満たすデータ(電子インボイス)の保存が必要となります。

 また、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を出力した書面等については、保存書類(国税関係書類以外の書類)として取り扱わないこととされましたが、消費税法上、電子インボイスを整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面を保存した場合には、仕入税額控除の適用を受けることができます。

問5 電子取引には、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)が該当するとのことですが、全ての電子メールを保存しなければなりませんか。

【回答】

  この取引情報とは、取引に関して受領し、又は交付する注文書、領収書等に通常記載される事項をいう(法2五)ことから、電子メールにおいて授受される情報の全てが取引情報に該当するものではありません。したがって、そのような取引情報の含まれていない電子メールを保存する必要はありません。

  具体的には、電子メール本文に取引情報が記載されている場合は当該電子メールを保存する必要がありますが、電子メールの添付ファイルにより授受された取引情報(領収書等)については当該添付ファイルのみを保存しておけばよいことになります。

問6 当社は、取引先からクラウドサービスを利用して請求書等を受領しておりますが、クラウドサービスを利用して受領した場合には、電子取引に該当しますか。

【回答】   クラウドサービスを利用して取引先から請求書等を受領した場合にも、電子取引に該当します。【解説】

  請求書等の授受についてクラウドサービスを利用する場合は、取引の相手方と直接取引情報を授受するものでなくても、請求書等のデータをクラウドサービスにアップロードし、そのデータを取引当事者双方で共有するものが一般的ですので、取引当事者双方でデータを共有するものも取引情報の授受にあたり、電子取引に該当します。

問7 いわゆるスマホアプリによる決済を行いましたが、この際にアプリ提供事業者から利用明細等を受領する行為は、電子取引に該当しますか。

【回答】  アプリ提供事業者から電磁的方式により利用明細等を受領する行為は、電子取引に該当します。そのため、当該利用明細等に係る取引データについて保存する必要があります。

【解説】

  いわゆるスマホアプリを利用した際に、アプリ提供事業者から受領する利用明細に係る内容には、通常、支払日時、支払先、支払金額等が記載されていることから、法第2条第5号に規定する取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)に該当し、その取引情報の授受を電磁的方式より行う場合には、電子取引に該当しますので、取引データを保存する必要があります(保存方法については【問27】等を参照してください。)。

 ※ 消費税の仕入税額控除に関しては、【問4】の回答を参照してください。

問8 従業員が会社の経費等を立て替えた場合において、その従業員が支払先から領収書を電子データで受領した行為は、会社としての電子取引に該当しますか。該当するとした場合には、どのように保存すればよいのでしょうか。

【回答】

従業員が支払先から電子データにより領収書を受領する行為についても、その行為が会社の行為として行われる場合には、会社としての電子取引に該当します。そのため、この電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、従業員から集約し、会社として取りまとめて保存し、管理することが望ましいですが、一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等に保存しておきつつ、会社としても日付、金額、取引先の検索条件に紐づく形でその保存状況を管理しておくことも認められます。

なお、この場合においても、規則第4条第1項各号に掲げる措置を行うとともに、税務調査の際には、その従業員が保存する電磁的記録について、税務職員の求めに応じて提出する等の対応ができるような体制を整えておく必要があり、電子データを検索して表示するときは、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります(【問23】参照)。

【解説】

法人税法上、会社業務として従業員が立替払いした場合には、原則、当該支払が会社の費用として計上されるべきものであることから、従業員が立替払いで領収書を電子データで受領した行為は、会社の行為として、会社と支払先との電子取引に該当すると考えることができます。そのため、この電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、従業員から集約し、会社として保存し、管理する必要がありますが、会社の業務フロー上、打ち出された紙ベースでの業務処理が定着しており、直ちに電子データを集約する体制を構築することが困難な場合も存在することも想定され得ることから、一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等により、請求書データを格納する方法により保存することを認めることを明らかにしたものです。なお、この場合においても、当該電子データの真実性確保の要件等を満たす必要があることから、例えば、正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程に従って保存を行う等、規則第4条の規定に従って保存を行う必要があります。

また、このような場合であっても、本社の経理部等において一定の方法により規則性をもって検索することが可能な体制を構築することが求められるのは、税務調査の際には、税務職員の求めに応じて電磁的記録の提出を行う等の対応が求められることから、円滑に集約が行えるような状態として保存しておく必要があるためです。したがって、結果として、税務調査の際に保存データの検索を行うに当たって特段の措置が取られておらず、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができないような場合には、会社として、その電磁的記録を適正に保存していたものとは認められない点に注意してください。

問9 当社の課税期間は、令和3年4月1日から令和4年3月31日までですが、令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については、課税期間の途中であっても、令和3年度の税制改正後の要件で保存しなければならないのでしょうか。

【回答】  令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については、改正後の保存要件により保存しなければなりません。

【解説】

令和3年度税制改正における電子帳簿保存法の改正の施行日は令和4年1月1日であり、同日以後に行う電子取引の取引情報については改正後の要件に従って保存を行う必要があります(令3改正法附則82⑥)。  

したがって、同一課税期間に行う電子取引の取引情報であっても、令和3年12月31日までに行う電子取引と令和4年1月1日以後行う電子取引とではその取引情報の保存要件が異なることとなりますので注意してください。

問 10 当社の課税期間は、令和3年4月1日から令和4年3月 31 日までですが、令和4年1月1日以後に保存を行えば、同日前に行った電子取引の取引情報について、令和3年度の税制改正後の保存要件に従って保存することは認められますか。

【回答】

令和4年1月1日前に行った電子取引の取引情報については、改正後の保存要件により保存することは認められません。

【解説】

令和3年度税制改正における電子帳簿保存法の改正の施行日は令和4年1月1日であり、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度に関する改正は、同日以後に行う電子取引の取引情報について適用することとされています(令3改正法附則82⑥)。そのため、同日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、改正後の保存要件により保存を行わなければならないこととされています。一方で、同日前に行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、改正後の保存要件により保存することは認められませんので、その電磁的記録について、改正前の保存要件(記録項目が限定される等の措置が講じられる前の検索機能の確保の要件等)を満たせないものについては、その電磁的記録を出力した書面等を保存して頂く必要があります(同日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、今回の改正が適用され、電磁的記録を出力した書面等を保存する措置は廃止されますので注意してください。)。

Ⅱ 適用要件

【基本的事項】

問11 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等を行う場合には、どのような要件を満たさなければならないのでしょうか。

【回答】 

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等に当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります(規則2②一イ 、二、⑥六、七、4①)。

なお、詳しくは下記の表をご覧ください。

○ 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等を行う場合の要件の概要

                                                                             要      件
電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け(自社開発のプログラムを使用する場合に限ります。) (規2②一イ、⑥七、4①)
見読可能装置の備付け等(規2②二、4①)
検索機能の確保(規⑥六、4①)
次のいずれかの措置を行う(規4①)  一 タイムスタンプが付された後の授受  二 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す   ※ 括弧書の取扱いは、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。  三 データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用  四 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

問12 妻と2人で事業を営んでいる個人事業主です。取引の相手方から電子メールにPDFの請求書が添付されて送付されてきました。一般的なパソコンを使用しており、プリンタも持っていますが、特別な請求書等保存ソフトは使用していません。どのように保存しておけばよいですか。

【回答】

例えば、以下のような方法で保存すれば要件を満たしていることとなります。

  • 請求書データ(PDF)のファイル名に、規則性をもって内容を表示する。

 例) 2022年(令和4年)10月31日に株式会社国税商事から受領した110,000円の請求書

     ⇒「20221031_㈱国税商事_110,000」

  • 「取引の相手先」や「各月」など任意のフォルダに格納して保存する。
  • 【問24】に記載の規程を作成し備え付ける。

※ 税務調査の際に、税務職員からダウンロードの求めがあった場合には、上記のデータについて提出してください。

※ 判定期間に係る基準期間(通常は2年前です。)の売上高が1,000万円以下であり、上記のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、上記1の設定は不要です。

【解説】   令和3年度の税制改正により電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、電磁的記録を出力した書面等を保存する措置は廃止され、その電磁的記録(データ)を保存しなければならないこととされました。

 請求書データ等の保存に当たっては、一定の要件に従った保存が必要ですが、上記の方法により保存することで要件を満たすこととなると考えられます。

 なお、上記1の代わりに、索引簿を作成し、索引簿を使用して請求書等のデータを検索する方法によることも可能です。

(索引簿の作成例)

受領した請求書等データのファイル名に連番を付して、内容については索引簿で管理する。

 上記の索引簿(サンプル)については、こちらからダウンロードできます。

問13 ディスプレイやプリンタ等について、性能や事業の規模に応じた設置台数等の要件はありますか。

【回答】

ディスプレイやプリンタ等の性能や設置台数等は、要件とされていません。

【解説】

電磁的記録は、その特性として、肉眼で見るためにはディスプレイ等に出力する必要がありますが、これらの装置の性能や設置台数等については、①税務調査の際には、保存義務者が日常業務に使用しているものを使用することとなること、②日常業務用である限り一応の性能及び事業の規模に応じた設置台数等が確保されていると考えられることなどから、法令上特に要件とはされていません。

ただし、規則第2条第2項第2号では、ディスプレイ等の備え付けとともに、「速やかに出力することができる」ことも要件とされています。このため、日常業務においてディスプレイ等を常時使用しているような場合には、税務調査では帳簿書類を確認する場面が多いことから、税務調査にディスプレイ等を優先的に使用することができるよう、事前に日常業務との調整などを行っておく必要があると考えます。

問14 税務当局から電磁的記録の書面への出力を求められた場合には、画面印刷(いわゆるハードコピー)による方法も認められますか。

【回答】

規則第2条第2項第2号において、電磁的記録の画面及び書面への出力は「整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができる」ことと規定されており、この場合の「整然とした形式」とは、書面により作成される場合の帳簿書類に準じた規則性を有する形式をいいます(取扱通達4-8)。

そのため、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できれば、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても認められます。なお、この取扱いは、画面及び書面に出力することができるようにしておくことを意味するものであり、電子取引に係る電磁的記録を出力した書面等を保存することを認めるものではありませんので注意してください。

【解説】

  税務調査の際の電磁的記録の画面及び書面への出力に当たっては、書面により作成される場合の帳簿書類に準じた規則性を有する形式になっている必要がありますが、その形式については定めがないため、画面印刷(いわゆるハードコピー)であっても要件を満たせば認められます。

問15 電磁的記録を外部記憶媒体へ保存する場合の要件はどういうものがありますか。

【回答】

記憶媒体の種類にかかわらず保存要件は同じであり、外部記憶媒体に限った要件はありません。

【解説】

電子帳簿保存法では、記憶媒体や保存すべき電磁的記録を限定する規定はないことから、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存媒体については保存義務者が任意に選択することができることとなります。

また、保存要件に関しても記憶媒体ごとに規定されていないことから、いずれの記憶媒体であっても同一の要件が適用されることとなります。

なお、実際のデータの保存に際しては、サーバ等で保存していた電磁的記録と外部記憶媒体に保存している電磁的記録は当然に同一のものでなければなりません。このため、必要に応じて電磁的記録の保存に関する責任者を定めるとともに、管理規則を作成し、これを備え付けるなど、管理・保管に万全を期すことが望ましいと考えられます。

問16 電磁的記録の検索機能は、現在使用しているシステムにおいて確保しなければならないのでしょうか。

【回答】

現在使用しているシステムにより検索できなくても差し支えありません。

【解説】

規則第2条第6項第6号に規定する検索機能については、特に電子計算機についての定めはなく、また、規則第2条第2項第2号に係る出力機能についても「当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機」を備え付ければよいこととされていることから、これらの規定を満たすことができる電子計算機であれば、現在の業務において使用している電子計算機でなくても差し支えないこととなります。

例えば、システム変更等をした場合に、変更前のデータについては、変更前のシステムにおいて検索機能を確保している場合などがこれに該当します。

なお、このような場合には、検索に使用する電磁的記録が要件を満たして保存してある電磁的記録と同一のものであることを確認できるようにしておく必要があります。

問17 保存対象となるデータ量が膨大であるため複数の保存媒体に保存しており、一課税期間を通じて検索できませんが、問題はありますか。

【回答】

保存されている電磁的記録は、原則として一課税期間を通じて検索をすることができる必要があります。

【解説】国税関係書類の電磁的記録の検索機能については、「その範囲を指定して条件を設定することができる」とは、課税期間ごとに日付又は金額の任意の範囲を指定して条件設定を行い検索ができることをいうとされており(取扱通達4-10)、電子取引に係る電磁的記録も、原則として、一課税期間ごとに検索をすることができる必要があります。

しかしながら、データ量が膨大であるなどの理由で複数の保存媒体で保存せざるを得ない場合や、例えば、中間決算を組んでおり半期ごとに帳簿を作成している場合や取引先ごとに指定のEDIやプラットフォームがある場合など、一課税期間を通じて検索をすることが困難であることについて合理的な理由があるときには、その合理的な期間ごとに範囲を指定して検索をすることができれば差し支えありません。

なお、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合は、この範囲を指定して条件を設定できる機能(及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能)の確保は不要となります(また、この場合において、判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者については全ての検索機能の確保の要件が不要となります(【問34】参照)。)。 

問18 バックアップデータの保存は要件となっていますか。

【回答】

バックアップデータの保存は要件となっていません。

【解説】

バックアップデータの保存については法令上の要件とはなっていませんが、電磁的記録は、記録の大量消滅に対する危険性が高く、経年変化等による記録状態の劣化等が生じるおそれがあることからすれば、保存期間中の可視性の確保という観点から、バックアップデータを保存することが望まれます。

また、必要に応じて電磁的記録の保存に関する責任者を定めるとともに、管理規則を作成し、これを備え付けるなど、管理・保管に万全を期すことが望ましいと考えられます。

問19 いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能にシステム概要書と同等の内容が組み込まれている場合、システム概要書が備え付けられているものと考えてもよいでしょうか。

【回答】

規則第2条第6項第7号において準用する同条第2項第1号のシステム関係書類等については、書面以外の方法により備え付けることもできることとしています(取扱通達4-6本文なお書)ので、いわゆるオンラインマニュアルやオンラインヘルプ機能にシステム概要書と同等の内容が組み込まれている場合には、それが整然とした形式及び明瞭な状態で画面及び書面に、速やかに出力することができるものであれば、システム概要書が備え付けられているものとして取り扱って差し支えありません。

問20 クラウドサービスの利用や、サーバを海外に置くことは認められますか。

【回答】

規則第2条第2項第2号に規定する備付け及び保存をする場所(以下「保存場所」といいます。)に備え付けられている電子計算機とサーバとが通信回線で接続されているなどにより、保存場所において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、規則第2条第2項第2号に規定する状態で速やかに出力することができるときは、クラウドサービスを利用する場合や、サーバを海外に置いている場合であっても、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。

【解説】

近年、コンピュータのネットワーク化が進展する中、通信回線のデータ送信の高速化も進み、コンピュータ間でデータの送受信が瞬時にできる状況となっていますが、電子帳簿保存法の趣旨(法第1条)を踏まえ、保存場所に備え付けられている電子計算機と国税関係帳簿書類の作成に使用する電子計算機とが通信回線で接続されていることなどにより、保存場所において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、それぞれの要件に従って、速やかに出力することができるときは、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます(取扱通達4-7注書き)。

そして、現在、企業が会計処理をはじめとする業務処理を外部委託する場合には、受託企業の大半が国内外の複数の場所にあるコンピュータをネットワーク化してデータ処理し、国内外のサーバにデータを保存している状況となっていますが、前述の点を踏まえれば、仮に電磁的記録が海外にあるサーバに保存されている場合(保存要件を満たしている場合に限ります。)であっても、納税地にある電子計算機において電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力することができる等、当該取引情報の送付又は受領が紙ベースで行われたとした場合に納税地に保存されているのと同様の状態にあれば、納税地に保存等がされているものとして取り扱われます。

なお、バックアップデータの保存については、法令上の要件とはなっていませんが、通信回線のトラブル等による出力障害を回避するという観点からバックアップデータを保存することが望まれます。

問21 電子取引で授受したデータについて、所得税法・法人税法と消費税法で取扱いにどのような違いがあるのですか。

【回答】

令和3年度の税制改正により、所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る保存義務者については、令和4年1月1日以後行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録を書面やマイクロフィルム(以下「書面等」といいます。)に出力して保存する措置が廃止されましたので、その電磁的記録を一定の要件の下、保存しなければならないこととされました。

 一方、消費税に係る保存義務者が行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存については、その保存の有無が税額計算に影響を及ぼすことなどを勘案して、令和4年1月1日以後も引き続き、その電磁的記録を書面に出力することにより保存することも認められています(令和5年10月の適格請求書等保存方式の導入に伴う電子インボイスの保存についても、【問4】のとおり一定の方法により出力した書面の保存により仕入税額控除の適用が可能です。)。

【保存方法】

問22 請求書や領収書等を電子的に(データで)受け取った場合、どのように保存すればよいですか。

【回答】

電子的に受け取った請求書や領収書等については、データのまま保存しなければならないこととされており(法7)、その真実性を確保する観点から、以下のいずれかの条件を満たす必要があります(規4①)。

  • タイムスタンプが付与されたデータを受領(規4①一)
  • 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付与(規4①二)

 ※ 括弧書の取扱いは、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事項に処理に関する規程を定めている場合に限る。

  • データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用(規4①三)
  • 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定、運用、備付け(規4①四)  また、事後的な確認のため、検索できるような状態で保存すること(規2⑥六)や、ディスプレイ等の備付け(規2②一イ、二)も必要となります。

問23 電子取引の取引データの保存について、複数の改ざん防止措置が混在することは認められますか。また、電子データの格納先(保存場所)を複数に分けることは認められますか。

【回答】

電子取引の取引データの授受の方法は種々あることから、その授受したデータの様態に応じて複数の改ざん防止措置が混在しても差し支えありません。

また、電子データの格納先や保存方法についても、取引データの授受の方法等に応じて複数に分かれることは差し支えありませんが、電子データを検索して表示する場合には、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります。

【解説】

規則第4条第1項に規定する電子取引の取引データの保存要件(改ざん防止措置)については、それぞれ同項各号に掲げる措置(①タイムスタンプが付された後の授受②授受後速やかにタイムスタンプを付す等③データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用④訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け)のうちいずれかのものを行うこととされていますが、これらの措置は保存義務者の任意により自由に選択することが可能となっています。

電子取引に該当する取引データの授受の方法は種々であることからも、その授受したデータの様態に応じて複数の改ざん防止措置を使い分けることは認められます。

また、電子データの格納先や保存場所についても、例えば、取引の相手先ごとに取引データの授受を行うシステムが異なっている場合において、各取引データについて、必ず一つのシステムに集約して管理しなければならないとすることは合理的でないと考えられますので、取引データの授受の方法等に応じて保存場所が複数のシステムに分かれること等は差し支えありません。ただし、当該電子データについては、ディスプレイ等に整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておく必要があるため、例えば、A取引先についてはaシステムに、B取引先についてはbシステムに、それぞれ取引データが格納されていることが分かるようにしておく等の管理が必要であると考えられます。

したがって、同じ取引先から毎月同一のシステムを介して請求書データをやり取りしているにもかかわらず、合理的な理由がない状態で規則性なく保存先を散逸させ、保存データの検索を行うに当たっても特段の措置がとられず、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができないような場合は、その保存方法については認められないこととなります。

問24 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定めて運用する措置を行うことを考えていますが、具体的にどのような規程を整備すればよいのでしょうか。

【回答】

規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」は、当該規程によって電子取引の取引情報に係る電磁的記録の真実性を確保する観点から必要な措置として要件とされたものです。

この規程については、どこまで整備すればデータ改ざん等の不正を防ぐことができるのかについて、事業規模等を踏まえて個々に検討する必要がありますが、必要となる事項を定めた規程としては、例えば、次のようなものが考えられます。

なお、規程に沿った運用を行うに当たっては、業務ソフトに内蔵されたワークフロー機能で運用することとしても差し支えありません。    

(法人の例)

下記の規程(サンプル)については、こちらからダウンロードできます。

電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法の特例に関する法律第7条に定められた電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務を履行するため、 ○○において行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録を適正に保存するために必要な事項を定め、これに基づき保存することを目的とする。

(適用範囲)

第2条 この規程は、○○の全ての役員及び従業員(契約社員、パートタイマー及び派遣社員を含む。以下同じ。)に対して適用する。

(管理責任者)

第3条 この規程の管理責任者は、●●とする。

第2章 電子取引データの取扱い

(電子取引の範囲)第4条 当社における電子取引の範囲は以下に掲げる取引とする。

 一 EDI取引  二 電子メールを利用した請求書等の授受  三 ■■(クラウドサービス)を利用した請求書等の授受   四 ・・・・・・記載に当たってはその範囲を具体的に記載してください

(取引データの保存)

第5条 取引先から受領した取引関係情報及び取引相手に提供した取引関係情報のうち、第6条に定めるデータについては、保存サーバ内に△△年間保存する。

(対象となるデータ)第6条 保存する取引関係情報は以下のとおりとする。

 一 見積依頼情報二 見積回答情報三 確定注文情報四 注文請け情報五 納品情報六 支払情報

 七 ▲▲

(運用体制)第7条 保存する取引関係情報の管理責任者及び処理責任者は以下のとおりとする。

 一 管理責任者 ○○部△△課 課長 XXXX  二 処理責任者 ○○部△△課 係長 XXXX(訂正削除の原則禁止)

第8条 保存する取引関係情報の内容について、訂正及び削除をすることは原則禁止とする。

(訂正削除を行う場合)

第9条 業務処理上やむを得ない理由によって保存する取引関係情報を訂正または削除する場合は、処理責任者は「取引情報訂正・削除申請書」に以下の内容を記載の上、管理責任者へ提出すること。  一 申請日  二 取引伝票番号  三 取引件名  四 取引先名  五 訂正・削除日付  六 訂正・削除内容  七 訂正・削除理由  八 処理担当者名

  • 管理責任者は、「取引情報訂正・削除申請書」の提出を受けた場合は、正当な理由があると認める場合のみ承認する。
  • 管理責任者は、前項において承認した場合は、処理責任者に対して取引関係情報の訂正及び削除を指示する。
  • 処理責任者は、取引関係情報の訂正及び削除を行った場合は、当該取引関係情報に訂正・削除履歴がある旨の情報を付すとともに「取引情報訂正・削除完了報告書」を作成し、当該報告書を管理責任者に提出する。
  • 「取引情報訂正・削除申請書」及び「取引情報訂正・削除完了報告書」は、事後に訂正・削除履歴の確認作業が行えるよう整然とした形で、訂正・削除の対象となった取引データの保存期間が満了するまで保存する。

附則

(施行)

第10条 この規程は、令和○年○月○日から施行する。

(個人事業者の例)

下記の規程(サンプル)については、こちらからダウンロードできます。

電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程

  この規程は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法の特例に関する法律第7条に定められた電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務を適正に履行するために必要な事項を定め、これに基づき保存することとする。

(訂正削除の原則禁止)

 保存する取引関係情報の内容について、訂正及び削除をすることは原則禁止とする。

(訂正削除を行う場合)  業務処理上やむを得ない理由(正当な理由がある場合に限る。)によって保存する取引関係情報を訂正又は削除する場合は、「取引情報訂正・削除申請書」に以下の内容を記載の上、事後に訂正・削除履歴の確認作業が行えるよう整然とした形で、当該取引関係情報の保存期間に合わせて保存するとことをもって当該取引情報の訂正及び削除を行う。

 一 申請日  二 取引伝票番号  三 取引件名  四 取引先名  五 訂正・削除日付  六 訂正・削除内容  七 訂正・削除理由

 八 処理担当者名

 この規程は、令和○年○月○日から施行する。

問25 当社は、電子取引の取引情報の保存サービスの提供を受け、同サービス利用者同士の電子取引の取引情報については、同サービスにおいて保存されます。同サービス利用者は、同サービス提供者と契約し、同サービスの利用規約に定めるデータ訂正等の防止に関する条項にのっとりデータの訂正削除を行うこととなります。 このようにサービス提供者との契約によってデータの訂正等を防止する方法についても、「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定める方法として認められますか。

【回答】

共通のサービス利用者間の電子取引において、サービス提供者との契約によってデータの訂正等を防止する場合についても、規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定める方法として認められます。

なお、電磁的記録の記録事項を訂正又は削除を行った場合に、訂正前若しくは削除前の記録事項及び訂正若しくは削除の内容がその電磁的記録又はその電磁的記録とは別の電磁的記録(訂正削除前の履歴ファイル)に自動的に記録されるシステム等を利用している場合には、規則第4条第1項第3号に定める方法として、「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定める必要はありません。

【解説】

規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」について、取扱通達7-5は、⑴「自らの規程のみによって防止する場合」と ⑵「取引相手との契約によって防止する場合」を例示していますが、質問に係る保存サービスの契約自体は、サービス提供者と利用者が行うものであり、サービス利用者同士がデータ訂正等の防止に関する条項を含む契約を行わない限り、取扱通達7-5⑵には該当しません。

しかしながら、規則第4条第1項第4号が規程を要件としているのは、当該規程によって電子取引の取引情報に係る電磁的記録の真実性を確保することを目的としたものであり、この真実性を確保する手段については、必ずしも、取扱通達7-5⑴と⑵には限られません。

質問のケースにおいて、サービス利用者間にデータ訂正等の防止に関する条項を含む契約がなくても、同サービス利用者それぞれが、データ訂正等の防止に関する条項を含む契約をサービス提供者と行っていれば、同サービス利用者間で共通のデータ訂正等の防止に関する手続が担保されることとなります。このようにサービス提供者との契約によって防止する方法についても、規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定める方法として認められます。

この場合、各利用者が定める規程には、取扱通達7-5⑵に準じて①~③の内容を含むことが考えられます。

  • サービス提供者とデータ訂正等の防止に関する条項を含む契約を行うこと。
  • 事前に上記契約を行うこと。
  • 電子取引の種類を問わないこと。

また、具体的な規程の例としては「電子取引の種類を問わず、電子取引を行う場合には、事前に、サービス提供相手とデータの訂正等を行わないことに関する具体的な条項を含んだ契約を締結すること。」等の条項を含む規程が考えられます。

なお、質問のケースにおいても、データ訂正等の防止に関する条項について、保存サービスの利用規約を引用する形で電子取引の取引相手と個別に契約を行うことも可能です(この場合、取扱通達7-5⑵「取引相手との契約によって防止する場合」に該当することになります。)。

  • 取扱通達7-5⑵の関係図

問26 当社は、取引先との間で、クラウドサービスを利用し請求書を受領しています。この場合において、取引先から確認のため電子メールでも請求書が送られてきましたが、同一の請求書を2つの電子取引により受領したときには、どちらの電子データを保存すればよいでしょうか。

【回答】

請求書をクラウドサービスにより受領したものと電子メールにより受領したものがある場合のように、同一の請求書を2つの電子取引により受領したときについては、それが同一のものであるのであれば、いずれか一つの電子取引に係る請求書を保存しておけばよいこととなります。

【解説】

電子取引の取引データについて、2つの電子取引により同一の取引データを受領した場合には、いずれの取引データを保存する必要があるのか問題となりますが、それらの取引データが同一の内容(データ形式が異なる場合を含みます。)であれば同一の請求書を重複して保存することとなるため、いずれかの電子取引に係る請求書を保存しておけばよいこととなります。

問27 電子取引を行った場合において、取引情報をデータとして保存する場合、どのような保存方法が認められるでしょうか。

【回答】   電子取引を行った場合には、取引情報を保存することとなりますが、例えば次に掲げる電子取引の種類に応じて保存することが認められます。

  • 電子メールに請求書等が添付された場合
    • 請求書等が添付された電子メールそのもの(電子メール本文に取引情報が記載されたものを含みます。)をサーバ等(運用委託しているものを含みます。以下同じです。)自社システムに保存する。
    • 添付された請求書等をサーバ等に保存する。
  • 発行者のウェブサイトで領収書等をダウンロードする場合
    • PDF等をダウンロードできる場合
      • ウェブサイトに領収書等を保存する。
      • ウェブサイトから領収書等をダウンロードしてサーバ等に保存する。
    • HTMLデータで表示される場合
      • ウェブサイト上に領収書を保存する。
      • ウェブサイト上に表示される領収書をスクリーンショットし、サーバ等に保存する。
      • ウェブサイト上に表示されたHTMLデータを領収書の形式に変換(PDF等)し、サーバ等に保存する。
  • 第三者等が管理するクラウドサービスを利用し領収書等を授受する場合
    • クラウドサービスに領収書等を保存する。
    • クラウドサービスから領収書等をダウンロードして、サーバ等に保存する。
  • 従業員がスマートフォン等のアプリを利用して、経費を立て替えた場合

   従業員のスマートフォン等に表示される領収書データを電子メールにより送信させて、自社システムに保存する。

   なお、この場合にはいわゆるスクリーンショットによる領収書の画像データでも構いません。

おって、これらのデータを保存するサーバ等は可視性および真実性の要件を満たす必要がありますので注意してください。

【解説】

  法第2条第5号において、電子取引とは、「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。」と定義され、その取引情報の具体的な内容は、「取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項」とされています。

  この電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に関して、授受した電磁的記録をそのまま上記の方法により保存することが認められますが、電子取引により受領した請求書等の取引情報(請求書や領収書等に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)を確認し、改めてその取引情報のみをサーバ等に自ら入力することをもって電磁的記録の保存とすることは認められません。

問28 当社はスキャナ保存制度を利用しており、スキャニングした画像データを管理するための文書管理システムで保有しております。今回、電子取引により受領したPDFデータについても、この文書管理システムで管理することを検討していますが問題ありますでしょうか。

【回答】

  電子取引により授受されたデータの保存に当たって、訂正削除履歴や検索などの機能要件を満たすのであれば、スキャナ保存と同じ文書管理システムで、電子取引のデータを保存しても問題はありません。

【解説】

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります(【問11】参照)が、例えばスキャナ保存の要件を備えた文書管理ソフトが電子取引の保存要件も満たしている場合には、当該文書管理ソフトを利用して、電子取引により授受されたデータを保存することも可能であると考えられます。

問29 当社はクラウドサービスを利用して取引先とXML形式の請求書等データ(取引情報に関する文字の羅列)をクラウドサービス上で共有・保存していますが、このような方法は認められますか。

【回答】

  保存されるデータがXML形式等の取引情報に関する文字の羅列であっても、請求書等のフォーマットや日付・金額等の項目ごとに並べた一覧表形式で表示する等により視覚的に確認・出力されるものについては、電子帳簿保存法の要件を満たすものとなります。

【解説】

  規則第4条第1項では、法第7条に規定する保存義務者は、電子取引の取引情報に係る電磁的記録が規則第2条第2項第2号の要件に従って保存しなければならないこととされています。

  これは、電子取引の取引情報に係る電磁的記録は、ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力することが必要ですが、電子取引の取引情報に係る電磁的記録をXML形式(文字の羅列)で保存していたとしても、自社固有のフォーマットに変換するなどして、明瞭な状態で確認でき、速やかに出力することが可能な状態であればこれらの要件を満たすものと考えられます。

問30 具体的にどのようなシステムであれば、訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているといえるのでしょうか。

【回答】

  規則第4条第1項第3号に規定する訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしたシステムとは、例えば、

  • 電磁的記録の記録事項に係る訂正・削除について、物理的にできない仕様とされているシステム
  • 電磁的記録の記録事項を直接に訂正又は削除を行った場合には、訂正・削除前の電磁的記録の記録事項に係る訂正・削除の内容について、記録・保存を行うとともに、事後に検索・閲覧・出力ができるシステム等が該当するものと考えます。

【解説】

規則第4条第1項第3号に規定する電子計算機処理システムについて、具体的には、例えば、他者であるクラウド事業者が提供するクラウドサービスにおいて取引情報をやりとり・保存し、利用者側では訂正削除できない、又は訂正削除の履歴(ヴァージョン管理)が全て残るクラウドシステムであれば、通常、当該電子計算機処理システムの要件を満たしているものと考えられます。

【検索機能】

問31 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、検索機能で注意すべき点はありますか。

【回答】

  電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に当たり、以下の要件を満たす検索機能を確保する必要があります。

  • 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができること。
  • 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
  • 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

【解説】

  検索機能については、規則第2条第6項第6号で定められており、例えば、取引年月日、取引先名称及び取引金額により、二以上の記録項目を組み合わせて条件を設定することができることとされています。

また、日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができることとされています。取引情報の保存については、サーバ等に保存する場合や、クラウドサービス等を利用する場合が考えられますが、その保存方法にかかわらず、保存義務者はこれらの条件を満たして検索をすることができる必要があります。

  なお、当該電磁的記録について、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、(2)及び(3)の要件は不要となります(また、この場合において、判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者については全ての検索機能の確保の要件が不要となります(【問34】参照)。)。

問32 規則第2条第6項第6号ハの「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」には、「AかつB」のほか「A又はB」といった組合せも含まれますか。また、一の記録項目により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目により絞り込みの検索をする方式は、要件を満たすこととなりますか。

【回答】

「A又はB」の組合せは必要ありません。また、段階的な検索ができるものも要件を満たすこととなります。

【解説】

検索機能については、規則第2条第6項第6号で、検索の条件として設定した記録項目(取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先)により、二以上の記録項目を組み合わせて条件を設定することができることとされています。この場合の二の記録項目の組合せとしては、

「AかつB」と「A又はB」とが考えられますが、このうち、「A又はB」の組合せについては、それぞれの記録項目により二度検索するのと実質的に変わらない(当該組合せを求める意味がない)ことから、これを求めないこととしています。

また、「二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること」とは、必ずしも「AかつB」という組合せで検索できることのみをいうのではなく、一の記録項目 (例えば「A」)により検索をし、それにより探し出された記録事項を対象として、別の記録項目(例えば「B」)により再度検索をする方式も結果は同じであることから要件を満たすこととなります。

なお、当該電磁的記録について、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、この項目を組み合わせて条件を設定できる機能(及び範囲を指定して条件を設定できる機能)は不要となります(また、この場合において、判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者については全ての検索機能の確保の要件が不要となります(【問34】参照)。)。

問33 当社には電子取引の取引データを保存するシステムがありませんが、電子取引の取引データを保存する際の検索機能の確保の要件について、どのような方法をとれば要件を満たすこととなりますか。

【回答】

  電子取引の取引情報に係る電磁的記録(電子取引の取引データ)を保存するシステムがない場合に検索機能の確保の要件を満たす方法としては、例えば、エクセル等の表計算ソフトにより、取引データに係る取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の情報を入力して一覧表を作成することにより、当該エクセル等の機能により、入力された項目間で範囲指定、二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件設定をすることが可能な状態であれば、検索機能の確保の要件を満たすものと考えられます。

その他、当該保存すべき取引データについて、税務職員のダウンロードの求めに応じることができるようにしておき、当該取引データのファイル名を「取引年月日その他の日付」、「取引金額」、「取引先」を含み、統一した順序で入力しておくことで、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件として設定することができるため、検索機能の確保の要件を満たすものと考えられます。

 (一覧表の作成により検索機能を満たそうとする例)ファイル名には①、②、・・・と通し番号を入力する。

 エクセル等により以下の表を作成する。

 (ファイル名の入力により検索機能を満たそうとする例)

 2022年(令和4年)11月30日付の株式会社霞商事からの20,000円の請求書データの場合

⇒ 「20221130_㈱霞商事_20,000」)

※ 取引年月日その他の日付は和暦でも西暦でも構いませんが、混在は抽出機能の妨げとなることから、どちらかに統一して入力していただく必要があります。

【解説】

検索機能については、規則第2条第6項第6号で定められているとおり、①取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件として設定することができること②日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること③二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること、の3つの要件が求められています。

そこで、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存するための専用のソフトウェア等を使用していない場合でも、例えば、エクセル等の表計算ソフトにより、取引データに係る取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の情報を入力した一覧表を作成することにより、エクセル等の表計算ソフトの機能によって、入力された項目間で範囲指定、2項目以上の組み合わせで条件設定の上抽出が可能であれば、上記①~③のいずれの機能も満たすものと考えられます。

この方法により保存する場合には、エクセル等の表計算ソフトの一覧表の通し番号を付すなどして、一覧表から取引データを検索できるようにする必要があります。

問34 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する際の要件のうち、検索機能の確保の要件が不要とされる場合の「判定期間に係る基準期間の売上高が1,000万円以下の場合」とは、どのように判断すればよいのでしょうか。

【回答】

  個人事業者については、電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から12月31 日までの期間の売上高、法人については、電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度の売上高が1,000万円を超えるかどうかで判断します。

なお、売上高が1,000万円を超えるかどうかの判断基準については、消費税法第9条の小規模事業者に係る納税義務の免除の課税期間に係る基準期間における課税売上高の判断基準の例によりますが、例えば、判定期間に係る基準期間がない新規開業者、新設法人の初年(度)、翌年(度)の課税期間などについては、検索機能の確保の要件が不要となります。

【タイムスタンプ】

問35 一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプとはどのようなものでしょうか。

【回答】

タイムビジネスの信頼性向上を目的として、一般財団法人日本データ通信協会が定める基準を満たすものとして認定された時刻認証業務によって付与され、その有効性が証明されるものです。

また、認定を受けたタイムスタンプ事業者には、「タイムビジネス信頼・安心認定証」が交付され、以下に示す「タイムビジネス信頼・安心認定マーク」を使用できることから、その事業者の時刻認証業務が一般財団法人日本データ通信協会から認定されたものであるか否かについては、この認定マークによって判断することもできます。

認定マークを使用できる場所

・ホームページ、名刺、説明書、宣伝広告用資料、取引書類 等

※ 認証番号等とは、一般財団法人日本データ通信協会から発行される認定番号に続けて、認定回数を括弧内に記載しているものです。

(注) 使用するタイムスタンプは、規則第2条第6項第2号ロに規定する以下の要件を満たすものに限ります。

  • 当該記録事項が変更されていないことについて、当該国税関係書類の保存期間を通じ、当該業務を行う者に対して確認する方法その他の方法により確認することができること。
  • 課税期間中の任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること。

問36 「速やかに」タイムスタンプを付与することとしている場合で、やむを得ない事由によりおおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与できない場合は要件違反となるのでしょうか。

【回答】

おおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与できない特別な事由がある場合に、そのおおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与することができない事由が解消した後直ちに付与したときには、速やかにタイムスタンプを付与したものとして取り扱われます。

【解説】

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の記録事項について、データ改ざんの可能性を低くする観点からは、電子取引により取引情報を授受した後直ちに行うことが望まれますが、休日等をまたいで処理する場合があることも勘案し、7営業日を基本とすることが合理的と考えられます。

さらに、業種業態によっては必ずしも7営業日以内にタイムスタンプを付与することができない場合(例えば、毎日事務所へ出勤しない勤務形態の社員がタイムスタンプの処理を行う場合等)も考えられ、それらを一律に排除することは経済実態上合理的ではないことから、おおむね7営業日以内に付与すれば速やかにタイムスタンプを付与しているものとして取り扱うこととされています。

また、おおむね7営業日でタイムスタンプを付与できないような特別な事由が存在する場合には、その事由が解消した後直ちに付与することによって、規則第4条第1項第2号に規定する「速やかに」タイムスタンプを付すことの目的は達せられると考えられます。

なお、規則第4条第3項の規定により、災害その他やむを得ない事情が生じ、保存要件を満たせなかったことを証明した場合には、保存要件を満たしていなくても電磁的記録の保存を行うことができることとされています。

おって、機器のメンテナンスを怠ったことにより、スキャナ機器の故障が生じた場合など明らかに保存義務者の責めに帰すべき事由が存在するときには、これらの取扱いはないこととなります。

問37 「業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行う」とは何日以内にタイムスタンプを付与すればよいのでしょうか。

【回答】

最長では、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を授受してから2か月とおおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与すればよいこととなります。

【解説】

「その業務の処理に係る通常の期間」とは、スキャナ保存における考え方と同様であり、それぞれの企業において採用している業務処理サイクルの期間をいい、また、おおむね7営業日以内に付与している場合には「速やかに」行っているものと取り扱う(取扱通達4-17) ことから、仮に2週間を業務処理サイクルとしている企業であれば2週間とおおむね7営業日以内、20日を業務処理サイクルとしている企業であれば20日とおおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与すればよいこととなります。

なお、最長2か月の業務処理サイクルであれば「その業務の処理に係る通常の期間」として取り扱う(取扱通達4-18)ことから、規則第4条第1項第2号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと」については、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を授受してから最長2か月とおおむね7営業日以内にタイムスタンプを付与すればよいこととなります。

また、この場合、最長2か月とは暦の上での2か月をいうことから、例えば4月21日に受領した取引データの場合、業務処理サイクルの最長2か月は6月20日であり、そのおおむね

7営業日後までにタイムスタンプを付与すればよいこととなります。

【その他】

問38 自社で使用する電子取引用のソフト等について、電子帳簿保存法の要件を満たしているか分からないのですが、どのようにしたらよいですか。

【回答】

まずは当該ソフトウェアの取扱説明書等で電子帳簿保存法の要件を満たしているか確認してください。また、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)において、市販のソフトウェア及びソフトウェアサービス(以下「ソフトウェア等」といいます。)を対象に、電子帳簿保存法における要件適合性の確認(認証)を行っており、

JIIMAが確認(認証)したソフトウェア等については、そちらでも確認することができます。

【解説】

従前は、使用する電子取引用のソフト等が電子帳簿保存法の要件に適合しているかについて、商品の表示等のみに頼っている状況でした。こうした状況を踏まえ、保存義務者の予見可能性を向上させる観点から、JIIMAがソフトウェア等の法的要件認証制度を開始しました。

 なお、電子帳簿保存法の保存等の要件には、事務手続関係書類の備付けに関する事項等、機能に関する事項以外の要件もあり、それらを含め全ての要件を満たす必要がありますので注意してください。

問39 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会により認証されたソフトウェア等とはどのようなものでしょうか。

【回答】

公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下「JIIMA」といいます。)が電子帳簿保存法に規定する機能要件に適合するか機能の仕様について取扱説明書等で確認を行い、法的要件を満たしていると判断し認証されたソフトウェア等をいいます。

また、認証を受けたソフトウェア等は、国税庁及びJIIMAのホームページに記載される認証製品一覧表に明示されるほか、当該ソフトウェア等の説明書等に認証番号などが記載されています。

認証制度開始時からの電子帳簿(法4①)及びスキャナ保存(法4③)用のソフトウェア等に係る認証制度に加えて、令和3年4月以降は、電子書類(法4②)及び電子取引(法7)に係るソフトウェア等についても認証を行っています。

なお、認証を受けたソフトウェア等は、以下に示す「認証ロゴ」を使用できることから、そのソフトウェアがJIIMAから認証されたものであるか否かについては、この認証ロゴによって判断することもできます。ただし、以下の「認証ロゴ」は令和3年6月現在で使用しているものを記載していますので、使用に当たっては説明書等で認証番号などを確認していただくようお願いします。

認証ロゴを使用できる場所

認証製品の梱包材、製品マニュアル、技術マニュアル、仕様書 WEBページ 等

【国税庁HPの掲載場所】ホーム/法令等/その他法令解釈に関する情報/電子帳簿保存法関係/JIIMA認証情報リスト

問40 電子データに関連して改ざん等の不正が把握されたときには重加算税が加重されるとのことですが、具体的にはどのような場合に加重の対象となるのでしょうか 。

【回答】

電子取引により授受した取引データを削除、改ざんするなどして、売上除外や経費の水増しが行われた場合のほか、保存された取引データの内容が事業実態を表していないような場合(架空取引等)も重加算税の加重対象となります。

【解説】

  重加算税の加重措置の対象範囲については、取扱通達8-21を確認してください。

なお、電子帳簿保存法における電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務者は所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者に限られますが、消費税法令において保存することとされている電子データに関連して改ざん等の不正が把握された場合にも、法第8条第5項(電磁的記録の記録事項に関連した仮装・隠蔽の場合の重加算税の加重措置)と同様に、重加算税が10%加重される(消費税法59の2)など、消費税法令において電磁的記録に関する取扱いを個別に規定しているものもあります。

問41 電子取引等において、「災害その他やむを得ない事情」を証明した場合に保存要件が不要となる旨の規定が設けられていますが、そのような事情があれば、電磁的記録の保存自体不要になるのでしょうか。

【回答】

保存義務が免除されるものではありませんので、電磁的記録の保存は必要になります。

【解説】

規則第4条第3項の規定は、災害その他やむを得ない事情により、保存要件に従って電磁的記録の保存をすることができなかったことを証明した場合には、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存要件を満たさなくても保存ができることを規定したものであり、保存義務が免除されているものではありません。

したがって、(検索機能の確保等の要件を満たせなくても)最低限、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しておく必要があり、当該電磁的記録を完全に消失してしまっている場合については、保存すべき電磁的記録の保存がないこととなります。

なお、電磁的記録については、災害等によりデータを保存していたパソコン本体が棄損した場合等、紙に比べてその確認が困難となる場面も多く想定されることから、納税者の責めに帰すべき事由がないときには、単に電磁的記録が存在しないことのみをもって、義務違反を問うことはありませんが、仮に当該電磁的記録が消失してしまった場合であっても、可能な範囲で合理的な方法(取引の相手先や金融機関等へ取引内容を照会するなど)により保存すべき取引情報を復元していただきたいと考えています。

おって、災害その他やむを得ない事情が止んだ後に行う電子取引については、規則第4条第3項の規定の適用はありません。そのため、電子取引の取引情報に係る電磁的記録について保存要件を備えた上で保存する必要がありますので注意してください。

(注)消費税法の「課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等」については、災害その他やむを得ない事情により、当該保存をすることができなかったことを事業者において証明した場合は、保存が不要とされているため、その請求書等のやり取りが電子取引により行われた場合のその電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存がなかった場合も同様(必ずしも復元は不要)の取扱いとなります。

問42 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について保存要件を満たして保存できないため、全て書面等に出力して保存していますが、これでは保存義務を果たしていることにはならないため青色申告の承認が取り消されてしまうのでしょうか。また、その電磁的記録や書面等は税務調査においてどのように取り扱われるのでしょうか。

【回答】

令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、当該電磁的記録の保存に代えることはできません。

したがって、災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます。

なお、青色申告の承認の取消しについては、違反の程度等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうか等を検討した上、その適用を判断しています。

また、その電磁的記録を要件に従って保存していない場合やその電磁的記録を出力した書面等を保存している場合については、その電磁的記録や書面等は、国税関係書類以外の書類とみなされません。

ただし、その申告内容の適正性については、税務調査において、納税者からの追加的な説明や資料提出、取引先の情報等を総合勘案して確認することとなります。

【解説】

電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、法第7条の規定により保存義務が課されていることから、その電磁的記録を保存する必要があります。そして、電子取引の取引情報に係る電磁的記録について要件を満たさず保存している場合や、その電磁的記録の保存に代えて書面出力を行っていた場合(※)には、保存すべき電磁的記録の保存がなかったものとして、青色申告の承認の取消の対象となり得ますので注意してください。

※ 令和3年度の税制改正前の電子取引の取引情報に係る電磁的記録を書面等に出力することにより保存を認める取扱いは廃止されています。

なお、青色申告の承認の取消しについては、「個人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」に基づき、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうか等を検討した上で行うこととしています。

また、電磁的記録を要件に従って保存していない場合やその電磁的記録を出力した書面を保存している場合において、その要件に従って保存がされていない電磁的記録や出力した書面等については、他者から受領した電子データとの同一性が担保されないことから国税関係書類以外の書類とみなされません。

ただし、その申告内容の適正性については、税務調査において納税者からの追加的な説明や資料提出、取引先の情報等を総合勘案して確認することとなります。

なお、消費税に係る保存義務者が行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存については、その保存の有無が税額計算に影響を及ぼすことなどを勘案して、改正後も引き続き、その電磁的記録を出力した書面による保存が可能とされています。

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律

(趣旨)

第一条 この法律は、情報化社会に対応し、国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する等のため、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等について、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)その他の国税に関する法律の特例を定めるものとする。

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 国税 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第一号(定義)に規定する国税をいう。

二 国税関係帳簿書類 国税関係帳簿(国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第十六条第十一項(保税工場等において保税作業をする場合等の内国消費税の特例)に規定する帳簿を除く。)をいう。以下同じ。)又は国税関係書類(国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類をいう。以下同じ。)をいう。

三 電磁的記録 電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式(第五号において「電磁的方式」という。)で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。

四 保存義務者 国税に関する法律の規定により国税関係帳簿書類の保存をしなければならないこととされている者をいう。

五 電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。

六 電子計算機出力マイクロフィルム 電子計算機を用いて電磁的記録を出力することにより作成するマイクロフィルムをいう。

(他の国税に関する法律との関係)

第三条 国税関係帳簿書類の備付け又は保存及び国税関係書類以外の書類の保存については、他の国税に関する法律に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)

第四条 保存義務者は、国税関係帳簿(財務省令で定めるものを除く。以下この項、次条第一項及び第三項並びに第八条第一項及び第四項において同じ。)の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。

2 保存義務者は、国税関係書類の全部又は一部について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えることができる。

3 前項に規定するもののほか、保存義務者は、国税関係書類(財務省令で定めるものを除く。以下この項において同じ。)の全部又は一部について、当該国税関係書類に記載されている事項を財務省令で定める装置により電磁的記録に記録する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えることができる。この場合において、当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存が当該財務省令で定めるところに従って行われていないとき(当該国税関係書類の保存が行われている場合を除く。)は、当該保存義務者は、当該電磁的記録を保存すべき期間その他の財務省令で定める要件を満たして当該電磁的記録を保存しなければならない。

(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)

第五条 保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。

2 保存義務者は、国税関係書類の全部又は一部について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係書類に係る電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係書類の保存に代えることができる。

3 前条第一項の規定により国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えている保存義務者又は同条第二項の規定により国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えている保存義務者は、財務省令で定める場合には、当該国税関係帳簿又は当該国税関係書類の全部又は一部について、財務省令で定めるところにより、当該国税関係帳簿又は当該国税関係書類に係る電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿又は当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存に代えることができる。

(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の適用除外)

第六条 国税関係帳簿書類については、民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十六年法律第百四十九号)第三条(電磁的記録による保存)及び第四条(電磁的記録による作成)の規定は、適用しない。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)

第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

(他の国税に関する法律の規定の適用)

第八条 第四条第一項、第二項若しくは第三項前段又は第五条各項のいずれかに規定する財務省令で定めるところに従って備付け及び保存が行われている国税関係帳簿又は保存が行われている国税関係書類に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムに対する他の国税に関する法律の規定の適用については、当該電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムを当該国税関係帳簿又は当該国税関係書類とみなす。

2 前条に規定する財務省令で定めるところに従って保存が行われている電磁的記録に対する他の国税に関する法律の規定の適用については、当該電磁的記録を国税関係書類以外の書類とみなす。

3 前条及び前二項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。

一 所得税法第百四十五条第一号(青色申告の承認申請の却下)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)及び法人税法第六十四条の九第三項第三号ロ(通算承認)の規定の適用については、所得税法第百四十五条第一号及び法人税法第六十四条の九第三項第三号ロ中「帳簿書類)」とあるのは、「帳簿書類)又は電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第四条第一項、第二項若しくは第三項前段(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)、第五条各項(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)若しくは第七条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)のいずれか」とする。

二 所得税法第百五十条第一項第一号(青色申告の承認の取消し)(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)及び法人税法第百二十三条第一号(青色申告の承認申請の却下)(同法第百四十六条第一項(青色申告)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、所得税法第百五十条第一項第一号及び法人税法第百二十三条第一号中「帳簿書類)」とあるのは、「帳簿書類)又は電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第四条第一項、第二項若しくは第三項前段(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)、第五条各項(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)若しくは第七条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)のいずれか」とする。

三 法人税法第百二十七条第一項第一号(青色申告の承認の取消し)(同法第百四十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同号中「前条第一項」とあるのは、「前条第一項又は電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第四条第一項、第二項若しくは第三項前段(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)、第五条各項(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)若しくは第七条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)のいずれか」とする。

4 次に掲げる国税関係帳簿であって財務省令で定めるものに係る電磁的記録の備付け及び保存又は当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存が、国税の納税義務の適正な履行に資するものとして財務省令で定める要件を満たしている場合における当該電磁的記録又は当該電子計算機出力マイクロフィルム(政令で定める日以後引き続き当該要件を満たしてこれらの備付け及び保存が行われているものに限る。以下この項において同じ。)に記録された事項に関し国税通則法第十九条第三項(修正申告)に規定する修正申告書(次項において「修正申告書」という。)の提出又は同法第二十四条(更正)若しくは第二十六条(再更正)の規定による更正(次項において「更正」という。)(以下この項において「修正申告等」という。)があった場合において、同法第六十五条(過少申告加算税)の規定の適用があるときは、同条の過少申告加算税の額は、同条の規定にかかわらず、同条の規定により計算した金額から当該過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で当該修正申告等の基因となる当該電磁的記録又は当該電子計算機出力マイクロフィルムに記録された事項に係るもの以外のもの(以下この項において「電磁的記録等に記録された事項に係るもの以外の事実」という。)があるときは、当該電磁的記録等に記録された事項に係るもの以外の事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を控除した金額とする。ただし、その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されたものがあるときは、この限りでない。

一 第四条第一項の規定により国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えている保存義務者の当該国税関係帳簿

二 第五条第一項又は第三項の規定により国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えている保存義務者の当該国税関係帳簿

5 第四条第三項前段に規定する財務省令で定めるところに従って保存が行われている同項に規定する国税関係書類に係る電磁的記録若しくは同項後段の規定により保存が行われている当該電磁的記録又は前条の保存義務者により行われた電子取引の取引情報に係る電磁的記録に記録された事項に関し国税通則法第十八条第二項(期限後申告)に規定する期限後申告書若しくは修正申告書の提出、更正若しくは同法第二十五条(決定)の規定による決定又は納税の告知(同法第三十六条第一項(第二号に係る部分に限る。)(納税の告知)の規定による納税の告知をいう。以下この項において同じ。)若しくは納税の告知を受けることなくされた納付(以下この項において「期限後申告等」という。)があった場合において、同法第六十八条第一項から第三項まで(重加算税)の規定に該当するときは、同条第一項から第三項までの重加算税の額は、これらの規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、これらの規定に規定する基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で当該期限後申告等の基因となるこれらの電磁的記録に記録された事項に係るもの(隠蔽し、又は仮装された事実に係るものに限る。以下この項において「電磁的記録に記録された事項に係る事実」という。)以外のものがあるときは、当該電磁的記録に記録された事項に係る事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額に限る。)に百分の十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

6 前二項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則

(施行期日)

1 この法律は、平成十年七月一日から施行する。

(経過措置)

2 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から一年を経過する日までの間における第六条第一項、第二項及び第五項第三号(これらの規定を第九条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第六条第一項及び第二項中「三月前」とあるのは「五月前」と、「六月」とあるのは「八月」と、同条第五項第三号中「三月」とあるのは「五月」とする。

3 第十条の規定は、施行日以後に行う取引情報の授受について適用する。

附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日

附 則 (平成一二年五月三一日法律第九七号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。

(処分等の効力)

第六十四条 この法律(附則第一条ただし書の規定にあっては、当該規定)の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。

(罰則の適用に関する経過措置)

第六十五条 この法律(附則第一条ただし書の規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第六十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成一四年七月三日法律第七九号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十四年八月一日から施行する。

附 則 (平成一四年一二月一三日法律第一五二号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)の施行の日から施行する。

(罰則に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成一六年三月三一日法律第一四号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十六年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一~四 略

五 次に掲げる規定 信託業法(平成十六年法律第百五十四号)の施行の日

イ 略

ロ 第二条中法人税法の目次の改正規定、同法第二条第三十一号の四から第三十四号まで及び第四十一号の改正規定、同法第四条の改正規定、同法第十条の二の改正規定、同法第十条の次に一条を加える改正規定、同法第十五条の三の改正規定、同法第二十三条の改正規定、同法第八十二条の十七の改正規定、同法第九十三条第二項第二号の改正規定、同法第百三十八条の改正規定、同法第百四十五条の五の改正規定、同法第三編第三章第二節中第百四十五条の四を第百四十五条の十一とする改正規定、同章第一節中第百四十五条の三を第百四十五条の十とし、第百四十五条の二を第百四十五条の九とする改正規定、同編第二章の次に一章を加える改正規定、同法第百四十六条の改正規定、同法第百四十七条の改正規定、同法第百四十八条の二の改正規定、同法第百五十九条の改正規定、同法第百六十条の改正規定、同法第百六十二条の改正規定並びに同法附則第二十条の改正規定並びに附則第六十条の規定

(その他の経過措置の政令への委任)

第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成一六年一二月一日法律第一五〇号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。

(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第三条 この法律の施行の日から一年を経過する日までの間における第十一条の規定による改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第六条第二項及び第五項第三号の規定(同法第四条第三項の承認に係る部分に限る。)の適用については、同法第六条第二項中「三月前」とあるのは「五月前」と、同項ただし書中「六月」とあるのは「八月」と、同条第五項第三号中「三月」とあるのは「五月」とする。

(罰則に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則 (平成一七年三月三一日法律第二一号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十七年四月一日から施行する。

(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第六十条 第七条の規定による改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第十一条第三項の規定は、施行日以後に行う電子取引の取引情報(同法第十条に規定する電子取引の取引情報をいう。以下この条において同じ。)について適用し、施行日前に行った電子取引の取引情報については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第八十九条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成一九年三月三〇日法律第六号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一~六 略

七 次に掲げる規定 信託法(平成十八年法律第百八号)の施行の日

イ 略

ロ 第二条中法人税法の目次の改正規定(「(第六十一条)」を「(第六十条の三)」に、「第一目 有価証券の譲渡損益及び時価評価損益(第六十一条の二―第六十一条の四)」を「/第一目 短期売買商品の譲渡損益及び時価評価損益(第六十一条)/第一目の二 有価証券の譲渡損益及び時価評価損益(第六十一条の二―第六十一条の四)/」に改める部分を除く。)、同法第二条第十九号の改正規定、同条第二十六号の改正規定(「同条第二十八項」を「同条第二十二項」に改める部分を除く。)、同条第二十七号を削り、同条第二十八号を同条第二十七号とし、同条第二十九号を同条第二十八号とし、同号の次に一号を加える改正規定、同条第二十九号の二の改正規定、同条第二十九号の三、第三十一号の四及び第三十二号を削り、同条第三十一号の三を同条第三十二号とする改正規定、同条第三十三号及び第三十四号の改正規定、同条第四十号の改正規定、同条第四十一号の改正規定、同法第四条(見出しを含む。)の改正規定、同法第一編第二章の二の次に一章を加える改正規定、同法第七条の二を削る改正規定、同法第八条の改正規定、同法第十条の二を削る改正規定、同法第十条の三の改正規定、同編第三章中同条を第十条の二とする改正規定、同法第十二条の改正規定、同法第十五条の三を削る改正規定、同法第十七条の次に一条を加える改正規定、同法第十八条第一項の改正規定、同法第二編の編名の改正規定、同法第二十三条第一項の改正規定(「受益証券」を「受益権」に改める部分を除く。)、同法第三十七条第六項の改正規定、同法第三十八条第二項第一号の改正規定、同法第三十九条第二項の改正規定、同法第五十四条第一項の改正規定、同法第六十一条の二第十一項を同条第十四項とし、同項の次に二項を加える改正規定(同条第十一項を同条第十四項とする部分を除く。)、同編第一章第一節中第八款を第十款とし、第七款の次に二款を加える改正規定(第八款に係る部分を除く。)、同法第六十六条に一項を加える改正規定、同法第七十二条の改正規定(同条第三項に係る部分を除く。)、同法第八十一条の三第一項の改正規定、同法第八十一条の十二に一項を加える改正規定、同編第一章の三を削る改正規定、同法第九十二条の改正規定、同法第百二十一条の改正規定、同法第百二十二条第三項及び第四項を削る改正規定、同法第百二十三条の改正規定、同法第百二十四条の改正規定、同法第百二十五条第二項及び第三項を削る改正規定、同法第百二十六条の改正規定、同法第百二十七条の改正規定、同法第百二十八条第二項を削る改正規定、同法第百三十四条の三及び第百三十四条の四を削る改正規定、同法第三編の編名の改正規定、同法第百三十八条第五号ロの改正規定、同法第百四十二条の改正規定、同法第百四十三条に一項を加える改正規定、同編第二章の二を削る改正規定、同編第三章第一節中第百四十五条の九を第百四十五条の二とし、第百四十五条の十を第百四十五条の三とする改正規定、同章第二節中第百四十五条の十一を第百四十五条の四とする改正規定、同法第百四十五条の十二の改正規定、同章第三節中同条を第百四十五条の五とする改正規定、同法第百四十六条第一項の改正規定、同法第百四十七条の改正規定、同法第百四十八条に一項を加える改正規定、同法第百四十八条の二を削る改正規定、同法第百四十九条に一項を加える改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、同法第百五十一条の改正規定、同法第百五十二条の改正規定、同法第百五十九条第一項の改正規定、同法第百六十条の改正規定、同法第百六十一条の改正規定、同法第百六十二条第一号の改正規定、同法第百六十四条第一項の改正規定、同法附則第十九条の次に一条を加える改正規定並びに同法附則第二十条第二項の改正規定並びに附則第三十四条、第四十八条、第百三十五条、第百三十六条及び第百四十一条の規定並びに附則第百五十四条中株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十八号)附則第八十九条の改正規定

(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第百三十六条 附則第三十四条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる特定信託についての前条の規定による改正前の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第十一条第三項第五号の規定の適用については、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)

第百五十七条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第百五十八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成三一年三月二九日法律第六号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成三十一年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一から三まで 略

四 第十四条中電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第六条第一項ただし書及び第二項ただし書の改正規定並びに附則第八十六条の規定 令和元年九月三十日

(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第八十六条 第十四条の規定による改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第六条第一項ただし書及び第二項ただし書の規定は、令和元年九月三十日以後に提出する同条第一項又は第二項の申請書について適用し、同日前に提出した第十四条の規定による改正前の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第六条第一項又は第二項の申請書については、なお従前の例による。

(政令への委任)

第百十六条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (令和元年五月三一日法律第一六号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則 (令和二年三月三一日法律第八号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、令和二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一から四まで 略

五 次に掲げる規定 令和四年四月一日

イからルまで 略

ヲ 第二十一条の規定

(連結納税制度の改正に伴う経過措置の原則)

第十四条 別段の定めがあるものを除き、第三条の規定(附則第一条第五号ロに掲げる改正規定に限る。以下この項において同じ。)による改正後の法人税法(以下「新法人税法」という。)、第四条の規定(同号ハに掲げる改正規定に限る。次項において同じ。)による改正後の地方法人税法(以下「新地方法人税法」という。)、第十三条の規定(同号ヘに掲げる改正規定に限る。次項において同じ。)による改正後の国税通則法、第十四条の規定(同号トに掲げる改正規定に限る。次項において同じ。)による改正後の国税徴収法、第十六条の規定による改正後の租税特別措置法(以下「四年新措置法」という。)、第二十一条の規定による改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律、第二十三条の規定による改正後の東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(以下「四年新震災特例法」という。)及び第三十条の規定(同号ネに掲げる改正規定に限る。次項において同じ。)による改正後の所得税法等の一部を改正する法律の規定は、法人(人格のない社団等を含む。次項及び附則第二十二条において同じ。)の令和四年四月一日以後に開始する事業年度(第三条の規定による改正前の法人税法(以下「旧法人税法」という。)第二条第十二号の七に規定する連結子法人(以下附則第三十二条までにおいて「連結子法人」という。)の連結親法人事業年度(旧法人税法第十五条の二第一項に規定する連結親法人事業年度をいう。以下附則第三十二条までにおいて同じ。)が同日前に開始した事業年度(以下この条において「旧事業年度」という。)を除く。)の所得に対する法人税及び同日以後に開始する課税事業年度(旧事業年度を除く。)の基準法人税額に対する地方法人税について適用する。

2 別段の定めがあるものを除き、法人の令和四年四月一日前に開始した事業年度(旧事業年度を含む。)の所得に対する法人税及び連結法人(旧法人税法第二条第十二号の七の二に規定する連結法人をいう。以下附則第三十五条までにおいて同じ。)の連結親法人事業年度が同日前に開始した連結事業年度(旧法人税法第十五条の二第一項に規定する連結事業年度をいう。以下附則第三十七条までにおいて同じ。)の連結所得(旧法人税法第二条第十八号の四に規定する連結所得をいう。以下附則第三十五条までにおいて同じ。)に対する法人税並びに法人の同日前に開始した課税事業年度(旧事業年度を含む。)の基準法人税額に対する地方法人税については、旧法人税法、第四条の規定による改正前の地方法人税法(以下「旧地方法人税法」という。)、第十三条の規定による改正前の国税通則法、第十四条の規定による改正前の国税徴収法、第十六条の規定による改正前の租税特別措置法(以下「四年旧措置法」という。)、第十七条の規定(附則第一条第五号ヌに掲げる改正規定に限る。)による改正前の外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律、第十八条の規定(同号ルに掲げる改正規定に限る。)による改正前の租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律、第二十一条の規定による改正前の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律、第二十三条の規定による改正前の東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(以下「四年旧震災特例法」という。)及び第三十条の規定による改正前の所得税法等の一部を改正する法律の規定は、なおその効力を有する。

(政令への委任)

第百七十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (令和三年三月三一日法律第一一号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、令和三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一から四まで 略

五 次に掲げる規定 令和四年一月一日

イからトまで 略

チ 第十二条の規定及び附則第八十二条の規定

(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第八十二条 第十二条の規定による改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下この条において「新電子帳簿保存法」という。)第四条第一項及び第五条第一項の規定は、令和四年一月一日以後に備付けを開始する新電子帳簿保存法第四条第一項に規定する国税関係帳簿(特定国税関係帳簿を除く。)について適用し、同日前に備付けを開始した国税関係帳簿(特定国税関係帳簿を含む。)については、なお従前の例による。

2 新電子帳簿保存法第四条第二項及び第五条第二項の規定は、令和四年一月一日以後に保存が行われる国税関係書類(特定国税関係書類を除く。)について適用し、同日前に保存が行われた国税関係書類(特定国税関係書類を含む。)については、なお従前の例による。

3 新電子帳簿保存法第四条第三項の規定は、令和四年一月一日以後に保存が行われる同項に規定する国税関係書類(特例特定国税関係書類を除く。)について適用し、同日前に保存が行われた第十二条の規定による改正前の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下この条において「旧電子帳簿保存法」という。)第四条第三項に規定する国税関係書類(特例特定国税関係書類を含む。)については、なお従前の例による。

4 新電子帳簿保存法第五条第三項の規定は、令和四年一月一日以後に保存が行われる同項の国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録(特定電磁的記録を除く。)について適用し、同日前に保存が行われた国税関係帳簿書類に係る電磁的記録(特定電磁的記録を含む。)については、なお従前の例による。

5 前各項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 特定国税関係帳簿 附則第一条第五号チに掲げる規定の施行の際現に旧電子帳簿保存法第四条第一項又は第五条第一項のいずれかの承認を受けている国税関係帳簿

二 特定国税関係書類 附則第一条第五号チに掲げる規定の施行の際現に旧電子帳簿保存法第四条第二項又は第五条第二項のいずれかの承認を受けている国税関係書類

三 特例特定国税関係書類 附則第一条第五号チに掲げる規定の施行の際現に旧電子帳簿保存法第四条第三項の承認を受けている同項に規定する国税関係書類

四 特定電磁的記録 附則第一条第五号チに掲げる規定の施行の際現に旧電子帳簿保存法第五条第三項の承認を受けている国税関係帳簿書類に係る電磁的記録

6 新電子帳簿保存法第七条の規定は、令和四年一月一日以後に行う電子取引の取引情報について適用し、同日前に行った電子取引の取引情報については、なお従前の例による。

7 新電子帳簿保存法第八条第四項の規定は、令和四年一月一日以後に国税通則法第二条第七号に規定する法定申告期限(国税に関する法律の規定により当該法定申告期限とみなされる期限を含み、同法第六十一条第一項第二号に規定する還付請求申告書については、当該申告書を提出した日とする。次項において「法定申告期限」という。)が到来する国税について適用する。この場合において、旧電子帳簿保存法第四条第一項又は第五条第一項若しくは第三項のいずれかの承認を受けている新電子帳簿保存法第八条第四項に規定する財務省令で定める国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムは、同項に規定する財務省令で定める要件を満たして備付け及び保存が行われている同項各号に掲げる国税関係帳簿であって財務省令で定めるものに係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムとみなす。

8 新電子帳簿保存法第八条第五項の規定は、令和四年一月一日以後に法定申告期限(国税通則法第六十八条第三項又は第四項(同条第三項の重加算税に係る部分に限る。)の重加算税については同法第二条第八号に規定する法定納期限とし、国税に関する法律の規定により当該法定納期限とみなされる期限を含む。)が到来する国税について適用する。この場合において、旧電子帳簿保存法第四条第三項の承認を受けている同項に規定する国税関係書類に係る電磁的記録は、新電子帳簿保存法第四条第三項前段に規定する財務省令で定めるところに従って保存が行われている同項に規定する国税関係書類に係る電磁的記録と、旧電子帳簿保存法第十条の保存義務者により行われた電子取引の取引情報に係る電磁的記録(当該保存義務者が同条ただし書の規定により当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合における当該電磁的記録を除く。)は、新電子帳簿保存法第七条の保存義務者により行われた電子取引の取引情報に係る電磁的記録と、それぞれみなす。

(政令への委任)

第百三十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行令

内閣は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第八条第四項から第六項までの規定に基づき、この政令を制定する。

(定義)

第一条 この政令において「保存義務者」とは、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「法」という。)第二条第四号に規定する保存義務者をいう。

(軽減された過少申告加算税の対象となる国税関係帳簿に係る電磁的記録等の備付け等が行われる日)

第二条 法第八条第四項に規定する政令で定める日は、同項の修正申告書又は更正に係る課税期間(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第九号(定義)に規定する課税期間をいう。以下この条において同じ。)の初日(新たに業務を開始した個人の当該業務を開始した日の属する課税期間については、同日)とする。

(軽減された過少申告加算税を課さない部分の税額の計算)

第三条 法第八条第四項に規定する電磁的記録等に記録された事項に係るもの以外の事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額は、国税通則法第六十五条(過少申告加算税)の過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額のうち同項に規定する税額の計算の基礎となるべき事実で同項に規定する電磁的記録等に記録された事項に係るもの以外の事実のみに基づいて同項に規定する修正申告等があったものとした場合における当該修正申告等に基づき同法第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額とする。

(加重された重加算税が課される部分の税額の計算)

第四条 法第八条第五項に規定する電磁的記録に記録された事項に係る事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額は、国税通則法第六十五条から第六十七条まで(過少申告加算税等)の過少申告加算税の額、無申告加算税の額又は不納付加算税の額の計算の基礎となるべき税額のうち次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
一 国税通則法第六十八条第一項から第三項まで(重加算税)に規定する隠蔽し、又は仮装されていない事実(以下この号において「隠蔽仮装されていない事実」という。)がある場合 当該隠蔽仮装されていない事実及び法第八条第五項に規定する電磁的記録に記録された事項に係る事実(以下この号において「隠蔽仮装されていない事実等」という。)のみに基づいて国税通則法第十八条第二項(期限後申告)に規定する期限後申告書若しくは同法第十九条第三項(修正申告)に規定する修正申告書の提出又は同法第二十四条(更正)若しくは第二十六条(再更正)の規定による更正若しくは同法第二十五条(決定)の規定による決定(以下この条において「期限後申告等」という。)があったものとした場合における当該期限後申告等に基づき同法第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額又は法第八条第五項の国税関係書類の保存義務者が当該隠蔽仮装されていない事実等のみに基づいてその国税通則法第二条第二号(定義)に規定する源泉徴収等による国税(以下この条において「源泉徴収等による国税」という。)の同法第二条第八号に規定する法定納期限(以下この条において「法定納期限」という。)までに納付しなかった税額から当該隠蔽仮装されていない事実のみに基づいて期限後申告等があったものとした場合における当該期限後申告等に基づき同法第三十五条第二項の規定により納付すべき税額又は当該保存義務者が当該隠蔽仮装されていない事実のみに基づいてその源泉徴収等による国税の法定納期限までに納付しなかった税額を控除した税額
二 前号に掲げる場合以外の場合 法第八条第五項に規定する電磁的記録に記録された事項に係る事実のみに基づいて期限後申告等があったものとした場合における当該期限後申告等に基づき国税通則法第三十五条第二項の規定により納付すべき税額又は同号の保存義務者が当該電磁的記録に記録された事項に係る事実のみに基づいてその源泉徴収等による国税の法定納期限までに納付しなかった税額

(国税通則法等の規定の適用)

第五条 法第八条第五項の規定の適用がある場合における次の表の第一欄に掲げる法令の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、同表の第四欄に掲げる字句とする。

第一欄第二欄第三欄第四欄
国税通則法第十五条第二項第十四号)の)若しくは電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号。以下「電子帳簿保存法」という。)第八条第五項(第六十八条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の
第十五条第二項第十五号)の)若しくは電子帳簿保存法第八条第五項(第六十八条第三項の重加算税に係る部分に限る。)の
第三十三条第三項)の重加算税)若しくは電子帳簿保存法第八条第五項(第六十八条第三項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の重加算税
第三十五条第三項及び第七十三条第一項第二号又は第四項若しくは第四項
)の)又は電子帳簿保存法第八条第五項(第六十八条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の
第八十五条第一項又は第四項若しくは第四項
)の重加算税)又は電子帳簿保存法第八条第五項(第六十八条第三項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の重加算税
国税通則法施行令(昭和三十七年政令第百三十五号)第二十七条の三第一項又は若しくは
重加算税)重加算税)又は電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号。次項及び次条において「電子帳簿保存法」という。)第八条第五項(法第六十八条第一項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)
第二十七条の三第二項又は若しくは
限る限る。)又は電子帳簿保存法第八条第五項(法第六十八条第二項の重加算税に係る部分に限る
第二十八条第一項同条第四項同条第四項又は電子帳簿保存法第八条第五項(他の国税に関する法律の規定の適用)
第二十八条第二項及び第三項同条第四項同条第四項又は電子帳簿保存法第八条第五項
輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第六条第五項)の重加算税)若しくは電子帳簿保存法第八条第五項(第六十八条第一項の重加算税に係る部分に限る。)の重加算税
輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律施行令(昭和三十年政令第百号)第十六条の二第一項第一号)の重加算税)並びに電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号。第二十六条の六において「電子帳簿保存法」という。)第八条第五項(国税通則法第六十八条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の重加算税
第二十六条の六)の)並びに電子帳簿保存法第八条第五項(国税通則法第六十八条第一項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の
内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令(平成九年政令第三百六十三号)第十一条第二項第一号同条第四項同条第四項又は電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号。次号及び次条第二項において「電子帳簿保存法」という。)第八条第五項
第十一条第二項第二号又は第四項若しくは第四項
の規定又は電子帳簿保存法第八条第五項(国税通則法第六十八条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。次条第二項において同じ。)の規定
第十二条第二項又は第四項の規定の適用があり、同条第一項、第二項又は第四項若しくは第四項又は電子帳簿保存法第八条第五項の規定の適用があり、国税通則法第六十八条第一項、第二項若しくは第四項又は電子帳簿保存法第八条第五項
同法第六十五条国税通則法第六十五条

(財務省令への委任)

第六条 この政令に定めるもののほか、法第八条第四項及び第五項の規定の適用に関し必要な事項は、財務省令で定める。

附 則

この政令は、令和四年一月一日から施行する。

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)の規定に基づき、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則を次のように定める。

(定義)

第一条 この省令において「国税」、「国税関係帳簿書類」、「電磁的記録」、「保存義務者」、「電子取引」又は「電子計算機出力マイクロフィルム」とは、それぞれ電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号。以下「法」という。)第二条に規定する国税、国税関係帳簿書類、電磁的記録、保存義務者、電子取引又は電子計算機出力マイクロフィルムをいう。

2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 電子計算機処理 電子計算機を使用して行われる情報の入力、蓄積、編集、加工、修正、更新、検索、消去、出力又はこれらに類する処理をいう。

二 納税地等 保存義務者が、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第五号(定義)に規定する納税者をいう。以下この号及び第五条第五項第二号ホにおいて同じ。)である場合には当該国税の納税地をいい、国税関係帳簿書類に係る国税の納税者でない場合には当該国税関係帳簿書類に係る対応業務(国税に関する法律の規定により業務に関して国税関係帳簿書類の保存をしなければならないこととされている場合における当該業務をいう。)を行う事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地をいう。

(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)

第二条 法第四条第一項に規定する財務省令で定める国税関係帳簿は、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)又は法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿であって、資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引につき、正規の簿記の原則(同法の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿にあっては、複式簿記の原則)に従い、整然と、かつ、明瞭に記録されているもの以外のものとする。

2 法第四条第一項の規定により国税関係帳簿(同項に規定する国税関係帳簿をいう。第六項第四号を除き、以下同じ。)に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えようとする保存義務者は、次に掲げる要件(当該保存義務者が第五条第五項第一号に定める要件に従って当該電磁的記録の備付け及び保存を行っている場合には、第三号に掲げる要件を除く。)に従って当該電磁的記録の備付け及び保存をしなければならない。

一 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に併せて、次に掲げる書類(当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理に当該保存義務者が開発したプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項及び第六項第五号において同じ。)以外のプログラムを使用する場合にはイ及びロに掲げる書類を除くものとし、当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理を他の者(当該電子計算機処理に当該保存義務者が開発したプログラムを使用する者を除く。)に委託している場合にはハに掲げる書類を除くものとする。)の備付けを行うこと。

イ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システム(電子計算機処理に関するシステムをいう。以下同じ。)の概要を記載した書類

ロ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの開発に際して作成した書類

ハ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの操作説明書

ニ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書類(当該電子計算機処理を他の者に委託している場合には、その委託に係る契約書並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書類)

二 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておくこと。

三 国税に関する法律の規定による当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしておくこと。

3 前項の規定は、法第四条第二項の規定により国税関係書類(法第二条第二号に規定する国税関係書類をいう。以下同じ。)に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えようとする保存義務者の当該電磁的記録の保存について準用する。この場合において、前項中「第五条第五項第一号に定める要件に従って当該電磁的記録の備付け及び」とあるのは、「当該電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能(取引年月日その他の日付を検索の条件として設定すること及びその範囲を指定して条件を設定することができるものに限る。)を確保して当該電磁的記録の」と読み替えるものとする。

4 法第四条第三項に規定する財務省令で定める書類は、国税関係書類のうち、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類とする。

5 法第四条第三項に規定する財務省令で定める装置は、スキャナとする。

6 法第四条第三項の規定により国税関係書類(同項に規定する国税関係書類に限る。以下この条において同じ。)に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えようとする保存義務者は、次に掲げる要件(当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合には、第六号(ロ及びハに係る部分に限る。)に掲げる要件を除く。)に従って当該電磁的記録の保存をしなければならない。

一 次に掲げる方法のいずれかにより入力すること。

イ 当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその作成又は受領後、速やかに行うこと。

ロ 当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと(当該国税関係書類の作成又は受領から当該入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。)。

二 前号の入力に当たっては、次に掲げる要件(当該保存義務者が同号イ又はロに掲げる方法により当該国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合にあっては、ロに掲げる要件を除く。)を満たす電子計算機処理システムを使用すること。

イ スキャナ(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を使用する電子計算機処理システムであること。

(1) 解像度が、日本産業規格(産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第二十条第一項(日本産業規格)に規定する日本産業規格をいう。以下同じ。)Z六〇一六附属書AのA・一・二に規定する一般文書のスキャニング時の解像度である二十五・四ミリメートル当たり二百ドット以上で読み取るものであること。

(2) 赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ二百五十六階調以上で読み取るものであること。

ロ 当該国税関係書類の作成又は受領後、速やかに一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ(次に掲げる要件を満たすものに限る。以下この号並びに第四条第一項第一号及び第二号において「タイムスタンプ」という。)を付すこと(当該国税関係書類の作成又は受領から当該タイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合にあっては、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに当該記録事項に当該タイムスタンプを付すこと)。

(1) 当該記録事項が変更されていないことについて、当該国税関係書類の保存期間(国税に関する法律の規定により国税関係書類の保存をしなければならないこととされている期間をいう。)を通じ、当該業務を行う者に対して確認する方法その他の方法により確認することができること。

(2) 課税期間(国税通則法第二条第九号(定義)に規定する課税期間をいう。第五条第二項において同じ。)中の任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること。

ハ 当該国税関係書類をスキャナで読み取った際の次に掲げる情報(当該国税関係書類の作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合において、当該国税関係書類の大きさが日本産業規格A列四番以下であるときは、(1)に掲げる情報に限る。)を保存すること。

(1) 解像度及び階調に関する情報

(2) 当該国税関係書類の大きさに関する情報

ニ 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について、次に掲げる要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムであること。

(1) 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。

(2) 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。

三 当該国税関係書類に係る記録事項の入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。

四 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項と当該国税関係書類に関連する法第二条第二号に規定する国税関係帳簿の記録事項(当該国税関係帳簿が、法第四条第一項の規定により当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えられているもの又は法第五条第一項若しくは第三項の規定により当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えられているものである場合には、当該電磁的記録又は当該電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項)との間において、相互にその関連性を確認することができるようにしておくこと。

五 当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、映像面の最大径が三十五センチメートル以上のカラーディスプレイ及びカラープリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をカラーディスプレイの画面及び書面に、次のような状態で速やかに出力することができるようにしておくこと。

イ 整然とした形式であること。

ロ 当該国税関係書類と同程度に明瞭であること。

ハ 拡大又は縮小して出力することが可能であること。

ニ 国税庁長官が定めるところにより日本産業規格Z八三〇五に規定する四ポイントの大きさの文字を認識することができること。

六 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を確保しておくこと。

イ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先(ロ及びハにおいて「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。

ロ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。

ハ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

七 第二項第一号の規定は、法第四条第三項の規定により国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えようとする保存義務者の当該電磁的記録の保存について準用する。

7 法第四条第三項の規定により国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えようとする保存義務者は、当該国税関係書類のうち国税庁長官が定める書類(以下この項及び第九項において「一般書類」という。)に記載されている事項を電磁的記録に記録する場合には、前項第一号及び第二号ハ((2)に係る部分に限る。)に掲げる要件にかかわらず、当該電磁的記録の保存に併せて、当該電磁的記録の作成及び保存に関する事務の手続を明らかにした書類(当該事務の責任者が定められているものに限る。)の備付けを行うことにより、当該一般書類に係る電磁的記録の保存をすることができる。この場合において、同項の規定の適用については、同号イ(2)中「赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ」とあるのは「白色から黒色までの階調が」と、同号ロ中「又は受領後、速やかに」とあるのは「若しくは受領後速やかに、又は当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に、」と、「、速やかに当該」とあるのは「速やかに、又は当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に、当該」と、同項第五号中「カラーディスプレイ」とあるのは「ディスプレイ」と、「カラープリンタ」とあるのは「プリンタ」とする。

8 法第四条第三項の保存義務者が、災害その他やむを得ない事情により、同項前段に規定する財務省令で定めるところに従って同項前段の国税関係書類に係る電磁的記録の保存をすることができなかったことを証明した場合には、前二項の規定にかかわらず、当該電磁的記録の保存をすることができる。ただし、当該事情が生じなかったとした場合において、当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができなかったと認められるときは、この限りでない。

9 法第四条第三項の規定により国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えている保存義務者は、当該国税関係書類のうち当該国税関係書類の保存に代える日(第二号において「基準日」という。)前に作成又は受領をした書類(一般書類を除く。以下第十一項までにおいて「過去分重要書類」という。)に記載されている事項を電磁的記録に記録する場合において、あらかじめ、その記録する事項に係る過去分重要書類の種類及び次に掲げる事項を記載した届出書(以下この項及び次項において「適用届出書」という。)を納税地等の所轄税務署長(当該過去分重要書類が、酒税法施行令(昭和三十七年政令第九十七号)第五十二条第四項ただし書(記帳義務)、たばこ税法施行令(昭和六十年政令第五号)第十七条第五項ただし書(記帳義務)、揮発油税法施行令(昭和三十二年政令第五十七号)第十七条第五項ただし書(記帳義務)、石油ガス税法施行令(昭和四十一年政令第五号)第二十一条第四項ただし書(記帳義務)若しくは石油石炭税法施行令(昭和五十三年政令第百三十二号)第二十条第八項ただし書(記帳義務)の書類若しくは輸入の許可書、消費税法施行規則(昭和六十三年大蔵省令第五十三号)第二十七条第六項(帳簿の記載事項等)の書類若しくは輸入の許可があったことを証する書類又は国際観光旅客税法施行令(平成三十年政令第百六十一号)第七条ただし書(同条の国外事業者に係る部分に限る。)(記帳義務)に規定する旅客名簿である場合にあっては、納税地等の所轄税関長。次項において「所轄税務署長等」という。)に提出したとき(従前において当該過去分重要書類と同一の種類の書類に係る適用届出書を提出していない場合に限る。)は、第六項第一号に掲げる要件にかかわらず、当該電磁的記録の保存に併せて、当該電磁的記録の作成及び保存に関する事務の手続を明らかにした書類(当該事務の責任者が定められているものに限る。)の備付けを行うことにより、当該過去分重要書類に係る電磁的記録の保存をすることができる。この場合において、同項の規定の適用については、同項第二号ロ中「の作成又は受領後、速やかに」とあるのは「をスキャナで読み取る際に、」と、「こと(当該国税関係書類の作成又は受領から当該タイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合にあっては、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに当該記録事項に当該タイムスタンプを付すこと)」とあるのは「こと」と、同号ハ中「情報(当該国税関係書類の作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合において、当該国税関係書類の大きさが日本産業規格A列四番以下であるときは、(1)に掲げる情報に限る。)」とあるのは「情報」とする。

一 届出者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び法人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第十五項(定義)に規定する法人番号をいう。以下この号及び第五条第一項から第三項までにおいて同じ。)(法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

二 基準日

三 その他参考となるべき事項

10 前項の保存義務者は、同項の規定の適用を受けようとする過去分重要書類につき、所轄税務署長等のほかに適用届出書の提出に当たり便宜とする税務署長(以下この項において「所轄外税務署長」という。)がある場合において、当該所轄外税務署長がその便宜とする事情について相当の理由があると認めたときは、当該所轄外税務署長を経由して、その便宜とする事情の詳細を記載した適用届出書を当該所轄税務署長等に提出することができる。この場合において、当該適用届出書が所轄外税務署長に受理されたときは、当該適用届出書は、その受理された日に所轄税務署長等に提出されたものとみなす。

11 第九項の規定により過去分重要書類に係る電磁的記録の保存をする保存義務者が、災害その他やむを得ない事情により、法第四条第三項前段に規定する財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができないこととなったことを証明した場合には、第九項の規定にかかわらず、当該電磁的記録の保存をすることができる。ただし、当該事情が生じなかったとした場合において、当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができないこととなったと認められるときは、この限りでない。

12 法第四条第三項後段に規定する財務省令で定める要件は、同項後段の国税関係書類に係る電磁的記録について、当該国税関係書類の保存場所に、国税に関する法律の規定により当該国税関係書類の保存をしなければならないこととされている期間、保存が行われることとする。

(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)

第三条 法第五条第一項の規定により国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えようとする保存義務者は、前条第二項各号に掲げる要件(当該保存義務者が第五条第五項第二号に定める要件に従って当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存を行っている場合には、前条第二項第三号に掲げる要件を除く。)及び次に掲げる要件に従って当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をしなければならない。

一 当該電子計算機出力マイクロフィルムの保存に併せて、次に掲げる書類の備付けを行うこと。

イ 当該電子計算機出力マイクロフィルムの作成及び保存に関する事務手続を明らかにした書類

ロ 次に掲げる事項が記載された書類

(1) 保存義務者(保存義務者が法人(法人税法第二条第八号(定義)に規定する人格のない社団等を含む。(1)及び次条第二項において同じ。)である場合には、当該法人の国税関係帳簿の保存に関する事務の責任者である者)の当該国税関係帳簿に係る電磁的記録が真正に出力され、当該電子計算機出力マイクロフィルムが作成された旨を証する記載及びその氏名

(2) 当該電子計算機出力マイクロフィルムの作成責任者の氏名

(3) 当該電子計算機出力マイクロフィルムの作成年月日

二 当該電子計算機出力マイクロフィルムの保存をする場所に、日本産業規格B七一八六に規定する基準を満たすマイクロフィルムリーダプリンタ及びその操作説明書を備え付け、当該電子計算機出力マイクロフィルムの内容を当該マイクロフィルムリーダプリンタの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておくこと。

2 前項の規定は、法第五条第二項の規定により国税関係書類に係る電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係書類の保存に代えようとする保存義務者の当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存について準用する。この場合において、前項中「前条第二項各号」とあるのは「前条第二項第一号及び第三号」と、「第五条第五項第二号に定める要件に従って当該電磁的記録の備付け及び」とあるのは「第五条第五項第二号ハからホまでに掲げる要件に従って」と、「及び次に」とあるのは「並びに次に」と読み替えるものとする。

3 法第五条第三項に規定する財務省令で定める場合は、法第四条第一項の規定により国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えている保存義務者の当該国税関係帳簿又は同条第二項の規定により国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えている保存義務者の当該国税関係書類の全部又は一部について、その保存期間(国税に関する法律の規定により国税関係帳簿又は国税関係書類の保存をしなければならないこととされている期間をいう。)の全期間(電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもってこれらの電磁的記録の保存に代えようとする日以後の期間に限る。)につき電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもってこれらの電磁的記録の保存に代えようとする場合とする。

4 第一項及び第二項の規定は、法第五条第三項の規定により国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録の保存に代えようとする保存義務者の当該国税関係帳簿又は国税関係書類に係る電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存について準用する。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)

第四条 法第七条に規定する保存義務者は、電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報(法第二条第五号に規定する取引情報をいう。以下この項及び第三項において同じ。)に係る電磁的記録を、当該取引情報の受領が書面により行われたとした場合又は当該取引情報の送付が書面により行われその写しが作成されたとした場合に、国税に関する法律の規定により、当該書面を保存すべきこととなる場所に、当該書面を保存すべきこととなる期間、次に掲げる措置のいずれかを行い、第二条第二項第二号及び第六項第六号並びに同項第七号において準用する同条第二項第一号(同号イに係る部分に限る。)に掲げる要件(当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合には、同条第六項第六号(ロ及びハに係る部分に限る。)に掲げる要件(当該保存義務者が、その判定期間に係る基準期間における売上高が千万円以下である事業者である場合であって、当該要求に応じることができるようにしているときは、同号に掲げる要件)を除く。)に従って保存しなければならない。

一 当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された後、当該取引情報の授受を行うこと。

二 次に掲げる方法のいずれかにより、当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。

イ 当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すことを当該取引情報の授受後、速やかに行うこと。

ロ 当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すことをその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと(当該取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。)。

三 次に掲げる要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムを使用して当該取引情報の授受及び当該電磁的記録の保存を行うこと。

イ 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。

ロ 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。

四 当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと。

2 前項及びこの項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 事業者 個人事業者(業務を行う個人をいう。以下この項において同じ。)及び法人をいう。

二 判定期間 次に掲げる事業者の区分に応じそれぞれ次に定める期間をいう。

イ 個人事業者 電子取引を行った日の属する年の一月一日から十二月三十一日までの期間

ロ 法人 電子取引を行った日の属する事業年度(法人税法第十三条及び第十四条(事業年度)に規定する事業年度をいう。次号において同じ。)

三 基準期間 個人事業者についてはその年の前々年をいい、法人についてはその事業年度の前々事業年度(当該前々事業年度が一年未満である法人については、その事業年度開始の日の二年前の日の前日から同日以後一年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間)をいう。

3 法第七条に規定する保存義務者が、電子取引を行った場合において、災害その他やむを得ない事情により、同条に規定する財務省令で定めるところに従って当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存をすることができなかったことを証明したときは、第一項の規定にかかわらず、当該電磁的記録の保存をすることができる。ただし、当該事情が生じなかったとした場合において、当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができなかったと認められるときは、この限りでない。

(他の国税に関する法律の規定の適用)

第五条 法第八条第四項に規定する財務省令で定める国税関係帳簿は、同項に規定する修正申告等(以下この項及び次項において「修正申告等」という。)の基因となる事項に係る所得税法施行規則(昭和四十年大蔵省令第十一号)第五十八条第一項(取引に関する帳簿及び記載事項)に規定する帳簿、法人税法施行規則(昭和四十年大蔵省令第十二号)第五十四条(取引に関する帳簿及び記載事項)に規定する帳簿又は消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第三十条第七項(仕入れに係る消費税額の控除)、第三十八条第二項(売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除)、第三十八条の二第二項(特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除)及び第五十八条(帳簿の備付け等)に規定する帳簿(保存義務者が、あらかじめ、これらの帳簿(以下この項及び次項において「特例国税関係帳簿」という。)に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムに記録された事項に関し修正申告等があった場合には法第八条第四項の規定の適用を受ける旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を納税地等の所轄税務署長(当該修正申告等の基因となる事項に係る当該特例国税関係帳簿が、消費税法第三十条第七項に規定する帳簿(同条第八項第三号に掲げるものに限る。)及び同法第五十八条に規定する帳簿(同条に規定する課税貨物の同法第二条第一項第二号(定義)に規定する保税地域からの引取りに関する事項の記録に係るものに限る。)である場合にあっては、納税地等の所轄税関長。次項及び第三項において「所轄税務署長等」という。)に提出している場合における当該特例国税関係帳簿に限る。)とする。

一 届出に係る特例国税関係帳簿の種類

二 届出者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び法人番号(法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

三 届出に係る特例国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存又は当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該特例国税関係帳簿の備付け及び保存に代える日

四 その他参考となるべき事項

2 前項の保存義務者は、特例国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムに記録された事項に関し修正申告等があった場合において法第八条第四項の規定の適用を受けることをやめようとするときは、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を所轄税務署長等に提出しなければならない。この場合において、当該届出書の提出があったときは、その提出があった日の属する課税期間以後の課税期間については、前項の届出書は、その効力を失う。

一 届出者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び法人番号(法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

二 前項の届出書を提出した年月日

三 その他参考となるべき事項

3 第一項の保存義務者は、同項の届出書に記載した事項の変更をしようとする場合には、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を所轄税務署長等に提出しなければならない。

一 届出者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び法人番号(法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

二 第一項の届出書を提出した年月日

三 変更をしようとする事項及び当該変更の内容

四 その他参考となるべき事項

4 第二条第十項の規定は、前三項の届出書の提出について準用する。

5 法第八条第四項に規定する財務省令で定める要件は、次の各号に掲げる保存義務者の区分に応じ当該各号に定める要件とする。

一 法第八条第四項第一号に規定する保存義務者 次に掲げる要件(当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合には、ハ((2)及び(3)に係る部分に限る。)に掲げる要件を除く。)

イ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理に、次に掲げる要件を満たす電子計算機処理システムを使用すること。

(1) 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。

(2) 当該国税関係帳簿に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後に行った場合には、その事実を確認することができること。

ロ 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項と関連国税関係帳簿(当該国税関係帳簿に関連する第二条国税関係帳簿(法第二条第二号に規定する国税関係帳簿をいう。)をいう。ロにおいて同じ。)の記録事項(当該関連国税関係帳簿が、法第四条第一項の規定により当該関連国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該関連国税関係帳簿の備付け及び保存に代えられているもの又は法第五条第一項若しくは第三項の規定により当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存をもって当該関連国税関係帳簿の備付け及び保存に代えられているものである場合には、当該電磁的記録又は当該電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項)との間において、相互にその関連性を確認することができるようにしておくこと。

ハ 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を確保しておくこと。

(1) 取引年月日、取引金額及び取引先((2)及び(3)において「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。

(2) 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。

(3) 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

二 法第八条第四項第二号に規定する保存義務者 次に掲げる要件

イ 前号に定める要件

ロ 第三条第一項第一号ロ(1)の電磁的記録に、前号イ(1)及び(2)に規定する事実及び内容に係るものが含まれていること。

ハ 当該電子計算機出力マイクロフィルムの保存に併せて、国税関係帳簿の種類及び取引年月日その他の日付を特定することによりこれらに対応する電子計算機出力マイクロフィルムを探し出すことができる索引簿の備付けを行うこと。

ニ 当該電子計算機出力マイクロフィルムごとの記録事項の索引を当該索引に係る電子計算機出力マイクロフィルムに出力しておくこと。

ホ 当該国税関係帳簿の保存期間(国税に関する法律の規定により国税関係帳簿の保存をしなければならないこととされている期間をいう。)の初日から当該国税関係帳簿に係る国税の国税通則法第二条第七号(定義)に規定する法定申告期限(当該法定申告期限のない国税に係る国税関係帳簿については、当該国税の同条第八号に規定する法定納期限)後三年を経過する日までの間(当該保存義務者が当該国税関係帳簿に係る国税の納税者でない場合には、当該保存義務者が当該納税者であるとした場合における当該期間に相当する期間)、当該電子計算機出力マイクロフィルムの保存に併せて第二条第二項第二号及び前号ハに掲げる要件(当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合には、同号ハ((2)及び(3)に係る部分に限る。)に掲げる要件を除く。)に従って当該電子計算機出力マイクロフィルムに係る電磁的記録の保存をし、又は当該電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項の検索をすることができる機能(同号ハに規定する機能(当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合には、同号ハ(1)に掲げる要件を満たす機能)に相当するものに限る。)を確保しておくこと。

6 法第八条第五項の規定の適用がある場合における国税通則法施行規則(昭和三十七年大蔵省令第二十八号)第十二条第一項(審査請求に係る書類の提出先)の規定の適用については、同項ただし書中「又は第四項」とあるのは「若しくは第四項」と、「)の重加算税」とあるのは「)又は電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第八条第五項(法第六十八条第三項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の重加算税」とする。

7 法第八条第五項の規定の適用がある場合における相続税法施行規則(昭和二十五年大蔵省令第十七号)附則第七項(事業が適正に行われていると認められる場合)の規定の適用については、同項第三号中「重加算税)の」とあるのは「重加算税)若しくは電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号。以下この号において「電子帳簿保存法」という。)第八条第五項(国税通則法第六十八条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の」と、「。)の」とあるのは「。)若しくは電子帳簿保存法第八条第五項(国税通則法第六十八条第三項の重加算税に係る部分に限る。)の」とする。

8 法第八条第四項又は第五項の規定の適用がある場合における過少申告加算税又は重加算税に係る国税通則法第三十二条第三項(賦課決定)に規定する賦課決定通知書には、当該過少申告加算税又は重加算税について法第八条第四項又は第五項の規定の適用がある旨を付記するものとする。

 附 則

この省令は、平成十年七月一日から施行する。

 附 則 (平成一二年七月一二日大蔵省令第六五号)

この省令は、平成十三年三月一日から施行する。

 附 則 (平成一二年八月二一日大蔵省令第六九号) 抄

1 この省令は、平成十三年一月六日から施行する。

 附 則 (平成一五年九月三〇日財務省令第九一号)

この省令は、平成十五年十月一日から施行する。

 附 則 (平成一七年一月三一日財務省令第一号)

1 この省令は、平成十七年四月一日から施行する。

2 改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第八条第一項の規定は、この省令の施行の日以後に行う電子取引の取引情報(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第十条に規定する電子取引の取引情報をいう。以下同じ。)について適用し、同日前に行った電子取引の取引情報については、なお従前の例による。

 附 則 (平成二一年三月三一日財務省令第二二号)

この省令は、平成二十一年四月一日から施行する。

 附 則 (平成二六年七月九日財務省令第六一号)

1 この省令は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日から施行する。

2 改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(以下「新規則」という。)第五条第一項第一号の規定は、この省令の施行の日(以下「施行日」という。)以後に提出する電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第六条第一項又は第二項の申請書(以下この項において「申請書」という。)について適用し、施行日前に提出した申請書については、なお従前の例による。

3 新規則第六条第一項第一号及び第二項第一号の規定は、施行日以後に提出する電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第七条第一項又は第二項の届出書(以下この項において「届出書」という。)について適用し、施行日前に提出した届出書については、なお従前の例による。

 附 則 (平成二七年三月三一日財務省令第三六号)

1 この省令は、平成二十七年九月三十日から施行する。ただし、第八条第一項第一号の改正規定及び附則第三項の規定は、平成二十八年一月一日から施行する。

2 改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(以下「新規則」という。)第三条第三項、第五項及び第六項の規定は、この省令の施行の日以後に提出する電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第六条第二項の申請書(以下この項において「申請書」という。)に係る国税関係書類(同法第二条第二号に規定する国税関係書類をいう。以下この項において同じ。)について適用し、同日前に提出した申請書に係る国税関係書類については、なお従前の例による。

3 新規則第八条第一項の規定は、平成二十八年一月一日以後に行う電子取引の取引情報(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第十条に規定する電子取引の取引情報をいう。以下同じ。)について適用し、同日前に行った電子取引の取引情報については、なお従前の例による。

 附 則 (平成二八年三月三一日財務省令第二六号)

(施行期日)

1 この省令は、平成二十八年九月三十日から施行する。ただし、第五条第一項第一号の改正規定並びに第六条第一項第一号及び第二項第一号の改正規定並びに附則第三項及び第四項の規定は、平成二十九年一月一日から施行する。

(経過措置)

2 改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(以下「新規則」という。)第三条の規定は、この省令の施行の日以後に提出する電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「法」という。)第六条第二項の申請書(以下この項において「申請書」という。)に係る国税関係書類(法第二条第二号に規定する国税関係書類をいう。以下この項において同じ。)について適用し、同日前に提出した申請書に係る国税関係書類については、なお従前の例による。

3 新規則第五条第一項の規定は、平成二十九年一月一日以後に提出する法第六条第一項又は第二項の申請書(以下この項において「申請書」という。)について適用し、同日前に提出した申請書については、なお従前の例による。

4 新規則第六条第一項及び第二項の規定は、平成二十九年一月一日以後に提出する法第七条第一項又は第二項の届出書(以下この項において「届出書」という。)について適用し、同日前に提出した届出書については、なお従前の例による。

 附 則 (平成三〇年四月一八日財務省令第三九号) 抄

(施行期日)

第一条 この省令は、平成三十一年一月七日から施行する。

 附 則 (平成三一年三月二九日財務省令第二一号)

(施行期日)

1 この省令は、令和元年九月三十日から施行する。ただし、第三条第五項の改正規定及び第四条第一項第四号の改正規定は、同年七月一日から施行する。

(経過措置)

2 改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第三条第七項及び第八項の規定は、この省令の施行の日以後に提出する同条第七項に規定する適用届出書に係る同項に規定する過去分重要書類について適用する。

 附 則 (令和二年三月三一日財務省令第二四号) 抄

(施行期日)

1 この省令は、令和二年十月一日から施行する。ただし、次項の規定は、同年四月一日から施行する。

 附 則 (令和三年三月三一日財務省令第二五号)

(施行期日)

第一条 この省令は、令和四年一月一日から施行する。ただし、第四条第一項第一号ロ(1)の改正規定(「記名押印」を「その氏名」に改める部分に限る。)及び同号ロ(2)の改正規定は、令和三年四月一日から施行する。

(経過措置)

第二条 改正後の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(以下「新令」という。)第二条第六項の規定の適用については、改正前の電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(以下「旧令」という。)第三条第五項第五号に規定する承認を受けている同号の国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項は、新令第二条第六項第四号に規定する国税関係帳簿の記録事項とみなす。

2 新令第二条第九項の規定の適用については、旧令第三条第七項に規定する適用届出書は、新令第二条第九項に規定する適用届出書とみなす。

3 新令第五条第五項の規定の適用については、旧令第三条第一項第二号に規定する承認を受けている同号に規定する関連国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項は、新令第五条第五項第一号ロに規定する関連国税関係帳簿の記録事項とみなす。

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